7月23日(土)

★漂白されすずしき食器となりいたり  正子
こすっても落ちない茶渋や黒ずみは気になります。漂白液に浸し、しばらくすると食器はきれいに甦り、それを洗い流すのは実に気持ちが良いものです。台所を守るささやかな喜びを見逃さず、清潔感、清涼感を「すずしき」と詠まれ、共感致しました。(後藤あゆみ)

○今日の俳句
まだ青き稲穂の匂い確かなる/後藤あゆみ
早い田植えなら、八月を待たずに稲穂が出ている。まだ青い稲穂ながら、確かな匂いがする。しっかりと実りつつある稲である。「青き稲穂」のイメージが爽やか。(高橋正子)

○槿(むくげ)

 白槿十年たちまち過ぎていし  正子

槿は、朝咲いて夕方にはしぼむ。お茶席の花としてよく活けらもする。先日千駄木の骨董屋の女主人が亜浪の句について信之先生に聞いて来た折に、骨董の竹籠に槿としま萱を活けた写真を送ってこられ、だれかをお茶にお招きしたい気分だと書き添えてあった。お茶の花ともなるが、どこにでも咲いている。
この句は、砥部の田舎で学生が来たり、ドイツ語の先生が来たり、子どもの友達がわっさわっさときたり、句会の人たちが出入りしたり、掃除、洗濯、庭の手入れ、などなど、雑多なことに明け暮れて、ある朝、白い槿を見て、十年なんてすぐ終わってしまうと思ったとき出来た句だ。

 道のべの木槿は馬にくはれけり 芭蕉

◇生活する花たち「槿」(横浜日吉本町)


コメント

  1. 後藤あゆみ
    2011年7月23日 13:23

    お礼とコメント  
    今日の俳句に「まだ青き稲穂の匂い確かなる」を載せていただきましてありがとうございます。色づく前の青い稲穂から、早くも稲穂の匂いがしていて感動しました。

    ★漂白されすずしき食器となりいたり  正子
    こすっても落ちない茶渋や黒ずみは気になります。漂白液に浸し、しばらくすると食器はきれいに甦り、それを洗い流すのは実に気持ちが良いものです。台所を守るささやかな喜びを見逃さず、清潔感、清涼感を「すずしき」と詠まれ、共感致しました。