★おしばなの紅梅円形にて匂う 正子
早春の冷たい空気の中に色も香も清々しい五弁の梅の花が開いた。本の間に挟み、押し花にした紅梅は美しい円形を成し、尚且つ馥郁とした香りを放っている。梅の花をこよなく愛でられている作者の温かい心情が伝わって参ります。(佃 康水)
○今日の俳句
野に覚めし淡きみどりや蕗のとう/佃 康水
「野に覚めし」によって、淡い蕗のとうのみどりが目に強く焼きつく。初めて見つけた蕗の董であろう。驚きと嬉しさを隠せない。(高橋正子)
○福寿草「秩父紅」
[福寿草「秩父紅」/横浜日吉本町] [福寿草「秩父紅」/埼玉県皆野町「ムクゲ自然公園」(ネットより)]
★小さくても昇殿すなり福寿草 一茶
★暖炉たく部屋暖かに福寿草 子規
★一日の温さに開く福寿草/高橋正子
★福寿草紅色がちな花は光り/高橋正子
幻の福寿草「秩父紅」を訪ねて(2010年 02月 27日) 父からの誘いで埼玉県皆野町のムクゲ自然公園というところに行く。西武秩父駅前で午前10時に待ち合わせ、車で皆野町へ。とはいえムクゲは夏の花なので当然いま咲いているわけがない。今日の目的は「秩父紅」というここだけに咲く幻の福寿草。雨模様だったがしだいに晴れてきた。秩父紅は陽が当たらないと開かないそうだ。母がしきりに「わたしは晴れ女だから」と自慢する。ロウバイが咲いている。マンサクも咲いている。その先の山腹に一万株の秩父紅が植わっている。セイヨウミツバチがちらほら来ていた。半透明のデリケートな花弁と華やかな雄しべ。一般種の福寿草は目の覚めるような強烈イエロー。材木に生えていたきのこ。池で鳴いていたカジカガエル。カジカガエルの卵。公園案内所に戻って甘酒と目薬の木のお茶をごちそうになった。ここでは園内のハーブ園で栽培したハーブや、花の種や鉢植えの販売もしている。母は目薬の木のお茶を、私は古代米をおみやげに買い求めた。(ブログ「いったりきたり日記」より)
フクジュソウ(福寿草、学名:Adonis ramosa)は、キンポウゲ科の多年草。春を告げる花の代表である。そのため元日草(がんじつそう)の別名を持つ。福寿草という和名もまた新春を祝う意味がある。正月にはヤブコウジなどと寄せ植えにした植木鉢が販売される。花言葉は永久の幸福、思い出、幸福を招く、祝福。
コメント
御礼・俳句鑑賞
高橋信之先生 正子先生
(御礼)
2/6の今日の俳句に「野に覚めし淡きみどりや蕗のとう」をお取上げいただき誠に有り難うございます。見つけた時の嬉しさは今もはっきりと覚えています。
(俳句鑑賞)
おしばなの紅梅円形にて匂う 正子
早春の冷たい空気の中に色も香も清々しい五弁の梅の花が開いた。本の間に挟み、押し花にした紅梅は美しい円形を成し、尚且つ馥郁とした香りを放っている。梅の花をこよなく愛でられている作者の温かい心情が伝わって参ります。