★夜は軒陰に白菜星をほしいまま 正子
秋野菜の中でも白菜は漬物にぴったりです。二つ割り、又は四つ割りにして軒陰に乾し、夜になって星空も眺めさせれば、しんなりと美味しい漬物が出来た事でしょう。(桑本栄太郎)
○今日の俳句
青空のあおに木魂す鵙の声/桑本栄太郎
「キチキチキチ」と鋭い鵙が声がするが、その正体はどこかと思うことがある。青空のあおに抜けて行く声であるが、よく聞けば「木魂」している。その声がはね返って、また耳に入るような。(高橋正子)
○八つ手の花
[八つ手の花/横浜市下田町・松の川緑道] [八つ手の花/横浜日吉本町]
★花八つ手鶏下へ潜り入る/高橋正子
★裏庭を掃きて清まる花八つ手/高橋正子
八つ手は、手をぱっと開いたような形をして、新しい葉はつやつやとして、梅雨どきには、蝸牛を乗せたり、雨だれを受けたりする。夏が過ぎ秋が来て冬至のころになると、球状に花火が弾けたような白い花を咲かせる。八つ手の花を見ると、冬が来たと思うのだ。瀬戸内の温暖な気候のなかで長く暮らした私は確かに冬が来たと感じてしまうのだ。
高村光太郎の詩に「冬が来た」がある。厳しくきりもみするような冬だ。そんな冬は、八つ手の花が消えたとき来る。冬をどう感じとるかが、その人の力そのものであるような気がする。
「冬が来た」
高村光太郎
きっぱりと冬が来た
八つ手の白い花も消え
公孫樹の木も箒(ほうき)になった
きりきりともみ込むような冬が来た
人にいやがられる冬
草木に背かれ、虫類に逃げられる冬が来た
冬よ
僕に来い、僕に来い
僕は冬の力、冬は僕の餌食だ
しみ透れ、つきぬけ
火事を出せ、雪で埋めろ
刃物のような冬が来た
コメント
Unknown
正子先生
「青空のあおに木魂す鵙の声」の句を11月12日の今日の俳句にご紹介頂き、素敵なご句評も賜り大変有難うございます。良く晴れ上がった秋晴れの空に鵙の声を聞きますと、深まり行く秋の気配を感じます。
<好きな句鑑賞>
★夜は軒陰白菜星をほしいまま 正子
秋野菜の中でも白菜は漬物にぴったりです。二つ割り、又は四つ割りにして軒陰に乾し、夜になって星空も眺めさせれば、しんなりと美味しい漬物が出来た事でしょう。
御礼と好きな句鑑賞
正子先生
「青空のあおに木魂す鵙の声」の句を11月12日の今日の俳句にご紹介頂き、素敵なご句評も賜り大変有難うございます。良く晴れ上がった秋晴れの空に鵙の声を聞きますと、深まり行く秋の気配を感じます。
<好きな句鑑賞>
★夜は軒陰白菜星をほしいまま 正子
秋野菜の中でも白菜は漬物にぴったりです。二つ割り、又は四つ割りにして軒陰に乾し、夜になって星空も眺めさせれば、しんなりと美味しい漬物が出来た事でしょう。