1月3日(火)

今日は誕生日。去年イギリスに旅行し大英博物館にも行った。ここで迎えてくれたのは、美の女神アフロディーテであった。アフロディーテについてガイドの説明はなかったと思うが、もっとも心を惹かれたものの一つである。帰宅してから、「ベニスに死す」の映画の話がネット上で話題になっていた。ギリシャ彫刻のような完全な美少年で、バックに流れる曲は、マーラーの交響曲第5番である。ヴィスコンチン監督の傑作である。
昨日1月2日、近所の花を撮りに出かけたが、2時間ほど歩くなかでも写真に撮りたい花はほとんどない。ヒメムカシヨモギの枯草に白い絮が、晴れた日の強い風にかがやいていた。大変美しい。花よりも美しい。

そういうわけで、本を読んで教養を積む時間も持てそうもないから、今日からは、きれいなものを見たり、可能ならば、よい音楽を聞いたりして過ごすことにした。

誕生日正月三日の眉月に  正子
誕生日と言っても、正月三日なので、正月の用事に取り紛れて、特に感慨は湧かないが、私自身は、何かにつけて、月に恃む気持ちがあるので、美しい眉月にほっとして、今日は誕生日だと思ったのである。(自句自解)

○今日の俳句①(フェイスブック新年句会より)
★破魔矢の鈴鳴らして自転車帰りくる/祝 恵子
近くに初詣に出かけたのであろう。破魔矢を買って、鈴をちりちり鳴らし、楽しそうに帰ってくる。破魔矢の鈴の鳴る音に、正月を過ごす庶民の気持ちがよく出ている。(高橋正子)

★麦の芽に風青々とうねり過ぐ/小川和子
麦の作付面積も減ったこのごろ、麦の芽を見ることがうれしい。麦の芽を風がうねり過ぎると、青々とした麦の芽がいっそう鮮やかに目に入る。(高橋正子)

○今日の俳句②(気がるに句会1月3日投句)
★初売りの声高らかに競い合う/高橋秀之
初売りは景気よくなくてはならない。初売りの声が勇み、競い合う新年もいいものだ。(高橋正子)
★初空や奈良のみやこの鴟尾のうえ/多田有花
奈良のみやこで迎える正月は、また格別な趣であろう。お寺の鴟尾がくっきりと初空に見え、確かに古き都の存在感をよく出している。(高橋正子)
★向き合えば吾に水仙のみずみずし/高橋信之
水仙の花を「古鏡」といった俳人もいたが、向き合うことができる花である。向かうと、以外にもみずみずしい花である。(高橋正子)

○蝋梅(ロウバイ)
蝋梅に光を返す由比ヶ浜/阿部ひろし
ロウバイ(蝋梅、蠟梅、臘梅、唐梅、Chimonanthus praecox)は名前に梅がついているためバラ科サクラ属と誤解されやすいが、ロウバイ科ロウバイ属の落葉低木。1月から2月にかけて黄色い花を付ける落葉広葉低木である。花の香りは強い。ソシンロウバイ(素心蝋梅)、マンゲツロウバイ(満月蝋梅)、トウロウバイ(唐蝋梅)などの栽培品種があるが、よく栽培されているのはソシンロウバイで花全体が黄色である。

◇生活する花たち「蝋梅・侘助・ヒメムカシヨモギの絮」(横浜日吉本町)


コメント

  1. 多田有花
    2012年1月3日 12:16

    お誕生日おめでとうございます
    あけましておめでとうございます。
    本年もよろしくお願い申し上げます。

    正子先生、お誕生日おめでとうございます。
    偶然ですが、姉も今日が誕生日です。
    よき一年となりますようお祈りいたします。

  2. 高橋正子
    2012年1月3日 19:51

    ありがとうございます。
    誕生日のお祝いのメッセージをいただき、ありがとうございます。お姉さまと誕生日が同じで驚きました。今年もよろしくお願いします。

  3. 小西 宏
    2012年1月4日 12:20

    お礼
    高橋正子先生
    お誕生日おめでとうございます。「正月三日の眉月」というのはとても凛とした風景でいいですね。

    「幼子の大地踏ん張り凧揚げる」を今日の俳句②の中でご紹介くださり、たいへんありがとうございました。お言葉の通り2日は風が強く、凧揚げは5歳の孫にとっては少々難題でした。それでも何とか頑張って、風と格闘しておりました。
    孫たちは先ほど元気よく帰って行きました。

  4. 川名ますみ
    2012年1月4日 18:23

    お礼
    正子先生、「初富士の雲をまとうて穏やかに」の句を掲載頂き、大変嬉しい評を賜りまして、ありがとうございます。俳句はもちろん、ブログやフェイスブック等も併せて、両先生のお導きがなければ、このように富士山を大事に見ることもなかったと思います。おかげ様で日々を楽しめますこと、感謝いたします。