★水仙の香をすぎ山路急となり 正子
寒い冬を待って咲き始める花。春の黄水仙と違って葉の割に花は小さい。群れて咲くとあたりに香りを溜める。その香りを横切って急な坂を登る。登りきった頂から眼下に海が広がる、そんなことを想像した。(古田敬二)
○今日の俳句
寒禽の影滑る野に鍬を振る/古田敬二
野に懸命に鍬を振っていると、寒禽の影が滑っていった。土と我との対話があって、寒禽がそれに色を点じて景がたのしくなった。添削は、「冬禽」を「寒禽」として、鳥のイメージを際立たせ句に緊張感をもたせた。
○白菜
白菜を夜は星空の軒蔭に 正子
白菜は、鍋に漬物に大根に劣らず日本で多く食される野菜のひとつ。白菜の漬物が美味しい。白菜に丸ごとに包丁を根もとのほうだけ入れ、あとは割いて四等分なり八等分なりして、太陽の恵みがありますようにと日向で干す。日向で干すことにより白菜に甘味が増す。一日では十分でなく夜は霜露がかからないように軒下に入れる。こうしてしんなりしてきた頃漬物につける。十分な重石がなければ、おいしいものができない。目下の悩みは、漬物に十分な重石を持っていないこと。それでも小さい漬物器で初めから小さく切って漬物を楽しんでいる。
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★水仙の香をすぎ山路急となり 正子
寒い冬を待って咲き始める花。春の黄水仙と違って葉の割に花は小さい。群れて咲くとあたりに香りを溜める。その香りを横切って急な坂を登る。登りきった頂から眼下に海が広がる、そんなことを想像した。