★波立てば鴨の勇みて泳ぎけり 正子
○今日の俳句
牡蠣揚がる瀬戸の潮(うしお)を零しつつ/佃 康水
広島は牡蠣の産地として知られているが、牡蠣の水揚げを詠んだ句。潮を零しながら、しかも瀬戸の、と具体的な詠みに情景がくっきりと浮かび上がり、臨場感が出た。
○水菜
★水菜洗う長い時間を水流し/高橋正子
水菜は、くじらといっしょにはりはり鍋にするのが関西風だろうが、さっぱりと食べたい菜ものだ。鍋にいれたり、漬物にしたり、油揚げとお総菜にたいたり。高橋家では代々、正月のお雑煮に水菜を入れる。水菜、里芋、人参、かまぼこ、ささみで東京風の味つけ。最近の水菜は生のままサラダに使われる。水耕栽培のようで、根元に土が噛んでいるいるよなことはない。畑に育った水菜は株も大き根元に土があって、これを落とすのに結構丁寧に冷たい水で洗わなければならなかった。上掲の句はその頃の句。
コメント
お礼・俳句鑑賞
高橋信之先生 正子先生
「今日の俳句」に「牡蠣揚がる瀬戸の潮(うしお)を零しつつ」の句をお取上げ頂き誠に有り難うございます。今の時期港では最盛期最中、活気に満ち溢れています。
【俳句鑑賞】
波立てば鴨の勇みて泳ぎけり 正子
海や川原などで波の意のままに穏やかに漂っている鴨の群れを良く見かけます。上げ潮でしょうか波が立つとその波に喜び勇んで泳ぎ、とても無邪気で可愛らしい鴨の動きを優しく見守っていらっしゃる作者の表情までも見えて参ります。