■6月月例ネット句会清記■
2025年6月8日
48句(16名)
2025年6月8日
48句(16名)
01.夏燕くつがえる空の色
02.夏霧のたたよう朝の牧場かな
03.睡蓮や忽と水泡の沸き出でし
04.姫女苑の風のしがらみ断ち切れず
05.蜘蛛の囲や蜘蛛のゆすりて塵落とす
06.黒蟻のためらい走る日差しかな
07.雨音を透かして響く時鳥
08.残照の空へとあがる遠花火
09.水入れてひと日代田の澄みにけり
10.紫陽花や妻の笑顔と陽の光
11.真っ青な大空を背に夏の山
12.夏の雨合羽が全ての水弾く
13.あめんぼう水速ければ流れゆき
14.あかるき夜わが影踏みて蛍狩
15.青蛙煙れる月に鳴きとおす
16.肩に乗り伸びする子の手にさくらんぼ
17.老鶯に誘われ参る山の寺
18.境内の青梅成りて手を合わす
19.病窓に青嶺の迫り雲湧ける
20.病室へ初鮎の膳声ともに
21.網代籠にゼリーとりどり見舞いとて
22.鷺草や雨の合間に飛ぶ構え
23.俗世とは縁を切りたる花菖蒲
24.雨降りて空を取り込む紫陽花かな
25.朝の陽を受け透き通るさくらんぼ
26.紫陽花の彩(いろ)濃くなりぬ青き空
27.紫陽花の照らすいつもの散歩道
28.やわらかき足湯の音に浸る初夏
29.杜若水面に我のゆく影と
30.宅配の箱より新茶の香の嬉し
31.降り出して梅雨に入る日の雨の音
32.柿の花いつしか小さき青き実に
33.さくらんぼ置くテーブルに娘らの寄る
34.吾子の蹴り日に日に強く夏の夜
35.大仕事終えて仰げば若葉風
36.夏服を色とりどりに干す晴天
37.六月や魚類図鑑の塵祓い
38.御木曳や夏正装の運転手
39.鉢巻の汗滲む跡や木遣り歌
40.更衣小さな袖を洗う朝
41.紫陽花の星散らばせ花開く
42.時が止る朝の夏雲真っ白に
43.滴りの光彩いまも瞼(まぶた)かな
44.夏休み大人となりて何もせず
45.夏シャツの腕まくりあげ山手線
46.柳の芽濠辺にひかり揺らしたり
47.青梅にまだ残りある陽のぬくみ
48.実梅もぐ手応えかるし実の重し
※互選をはじめてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。
コメント
花冠6月月例ネット句会選句
03 09 13 28 31
<特選>
09)水入れてひと日代田の澄みにけり
代掻きが終わり、その後田に水を張ります。夕方ともなれば代田の水が澄み、夕日に映えて美しい水鏡となりますね?。さあ~!!、明日は田植えが始まりそうです。
6月ネット句会選句
7,13,19,42,46
42.時が止る朝の夏雲真っ白に
夏の朝、空を見上げた時の一瞬の爽やかな情景がまっすぐに詠われていて、強く印象に残りました。著者の明るい心持が伝わってくるようです。
6月ネット句会選句
03. 08. 15. 23. 36
08.残照の空へとあがる遠花火
まだ暮れきらぬ空に遠くで花火が上がっているのが見える。残照と、おそらく時間差で聞こえてくる花火の音の組み合わせが、より一層感傷的にさせる。
6月月例ネット句会選句
10.13.19.36.47
13.あめんぼう水速ければ流れゆき
水面を軽やかに動くあめんぼう、その観察眼に感じ入ります。水の流れの速さに応じて身を任すあめんぼうに、まるで生きる術を教えられるようです。
6月月例ネット句会選句
14.31.34.45.47.
14.あかるき夜わが影踏みて蛍狩
満月の夜、蛍狩りに出かけられました。地上に影ができる程の明るい月の光。
その中で無数に飛び交うのか、あるいはちらほらと飛ぶのか、蛍の光。
その取り合わせの情景が目に浮かびます。
6月月例ネット句会句会選句
08、08、28、31、47
08.残照の空へとあがる遠花火
入り日の明るさが残る空に小さく花火が見えた瞬間 全ての意識が夜空へと向けられる。美しい一瞬ですね。
6月月例句会選句
13 20 36 40 48
13.あめんぼう水速ければ流れゆき
高橋信之著「子規の写生論」で信之先生はこう述べておられる。俳句がリアリズムの文学であるとするならば、それは、ヨーロッパの社会的実証主義的リアリズムとは違い、俗世間を抜け切ったところのリアリズム(現実でありかつ真実である)世界、つまり個人の自由でひろぴろとした内面における真実を詠いあげるものなのである。
中略・・・・詩人の心の真実を詠いあげたものなのである。また臼田亜浪先生は、「まこと」と言っておられる。この句を見た時、このことを思い浮かべた。
選句
07. 14. 19. 40. 45.
19.病窓に青嶺の迫り雲湧ける
病室の窓のすぐ傍に、命が満ちる青々とした夏の山。そこから大きな白い雲が湧き上がっています。この力強い景色は、病躯に何よりの励みになることでしょう。ご快癒をお祈り申し上げます。
6月月例ネット句会選句
16.25.28.32.46
46.柳の芽濠辺にひかり揺らしたり
濠端といえば柳。
その柳の芽という小さな動きが濠の水に映る光を揺らすように見える。
夏の晴れの日の光景が浮かんできます
Unknown
7. 15. 29. 34. 40
40. 更衣小さな袖を洗う朝
赤ちゃんも早くも更衣の季節となり、可愛い夏衣に身を包み大きくなりました。これまでの小さな衣のいたいけな袖を洗いながら、成長を喜び、母としての万感の思いで迎える爽やかな夏の朝です。
Unknown
6,9,14,24,35
35.大仕事終えて仰げば若葉風
仕事に集中し一段落したあとに、若葉のきらめきを運ぶ風に気づく。屋外での大工仕事であろうか。夏が今日も近くまで訪れているのだ。
6月度月例句会選句
06 13 22 28 47
47梅にまだ残りある陽の温み
5月から6月に梅の実は急速に育ちます。その梅に夕方の日が射して温みのある梅をもぎ取る楽しさがあふれ出ています。素敵な御句です。
選句
06/08 23:20
08. 16. 19. 22. 40.
16 さくらんぼに心躍る子供の無邪気で微笑ましい素敵な日常の一コマが浮かびました。
特選句
08. 13. 18.26. 32.34.47
08.遠くから眺める花火のやわらかい光が感じられます。夏野始まりを感じます。
選句/訂正
(上島祥子)
08. 09、28、31、47、 34,
08.残照の空へとあがる遠花火
入り日の明るさが残る空に小さく花火が見えた瞬間 全ての意識が夜空へと向けられる。美しい一瞬ですね。