■5月ネット句会■
■清記/19名57句
01.みどり児を抱きしめ宮へ風五月
02.面影のすでに遠のく母の日よ
03.青き実を落とし卯の花腐しかな
04.ぼうたんのゆるるや朝日弾きおり
05.ゆで卵剥くや半熟青すすき
06.ビー玉の弾きあう音青嵐
07.列島の空晴れ渡り青山河
08.初夏の瀬戸しまなみ海道サイクリング
09.風に揺れワルツ踊るや柿若葉
10.海原を叩いて飛沫く夏の雨
11.岩影に何を待つやら鴨足草(ゆきのした)
12.雨水ため香りなお増す泰山木の花
13.紙兜かぶりしままの菖蒲風呂
14.傾きて蜆舟行く日は西へ
15.朱で描く鯛の魚拓や春惜しむ
16.夏初め店頭で舞う獅子二頭
17.水替えて目高の泳ぎ軽くする
18.溝浚帰る人らと出会う路地
19.初夏の月かかる生駒山近く
20.旅先の母はいずこかカーネーション
21.足元に蹴散らかされし夏蒲団
22.春雷やあめつち揺るがし遠ざかる
23.若葉風朝餉の匂い流れくる
24.荷を解けばカーネーションの色淡し
25.贈られし花の香りの母の日よ
26.炊きたての匂いの夕餉豆ご飯
27.さらさらと田水引く音足もとに
28.薔薇垣と薔薇のアーチに人の住む
29.夏来る空に湧く雲流るる雲
30.夏来たり流れる雲とカモミール
31.杜若の蕾がほぐれ濃き紫に
32.芍薬のひとつが咲きて満ち足れる
33.夏風邪に臥し天井と対面す
34,砂浜に影を連ねて五月鯉
35,夏つばめ宿と定めて道の駅
36,風荒き鎮守の杜の芽吹きかな
37.真っ青な空押し上ぐる山若葉
38.カーブして列車遠のく聖五月
39.部屋中を青く染めゆく若葉風
40,団体の子等の塊まる森薄暑
41,万緑や過ぎし日の疾くラファエロ展
42,薫風に吹かれテラスに喫茶する
43,群れ咲いてどこか寂しきしゃがの花
44,赤ん坊背負われ葉桜の下に
45,朝の風揺れて揺られて手鞠花
46,老鶯やせせらぐ音へ和して啼く
47,白象へ触れて幼児甘茶汲む
48,門前へ水打つ僧の墨衣
49,山影を追って植えゆく田植えかな
50,ゆったりと楽しみ多い春が去る
51,薔薇の花色を残して暮れていく
52,雲雀あがり野に静けさのいや増せり
53,窓からの風に身を置く五月かな
54,杣道の風の涼しさえごの花
55,白ワインそそぎ煮詰める夏蜜柑
56,香炉灰五月の風に篩いけり
57,母の日に母と手入れすお仏壇
◆互選のご案内◆
①選句は、清記の中から5句を選び、その番号のみをお書きください。なお、その中の1句にコメントを付けてください。
②選句は、5月12日(日)午後7時から始め、同日(5月12日)午後10時までに済ませてください。
③選句の投稿は、下のコメント欄にご投稿ください。
※1) 入賞発表は、5月13日(月)正午です。
※2) 伝言・お礼等の投稿は、5月13日(月)正午~5月14日(火)午後6時です。
※選句を開始してください。
コメント
選句
01.17.24.49.55
49,山影を追って植えゆく田植えかな
早稲の田ではもう田植が終わっています。山が迫る田での田植なのでしょう。
水が入った田に山の影が映り、そこに向かっていく如く田植機が進みます。
晴れた五月の空もそこに映っていることでしょう。
選句
17・35・38・43・49
43群れ咲いてどこか寂しきしゃがの花
晩春から初夏にかけて咲く、著莪の花はアヤメ科ながら草叢や木陰に咲いてひっそりとあまり目立たない花である。しかし、この花を見かければ夏の到来を実感する時でもある。初夏の鄙びた詩情が想われ、清々しい。
5月ネット句会選句
NO17 32 37 43 49
37真っ青な空押し上ぐる山若葉
真っ青な初夏の空を木々の初々しい新鮮でみずみずしい山の若葉が生い茂り、あたかも初夏の空をより青々と押し上げているようだ。
五月ネット句会選句
01 17 30 41 54
30夏来り流れる雲とカモミール
空に白い雲が耀き流れ、地には白いカモミールが一斉に群落をつくる。ああ時は夏だなあと、感じ入る情景です。
選句
17. 32. 47. 49. 57.
49. 山影を追って植えゆく田植えかな
陽のある限り、何時間もかけて苗を植えていく。まるで陽の動きに合わせ山の影を追うように。田と山々を含めた農村の風景全体が見渡せる、壮大な叙景詩です。
選句
01 17 30 32 46
01.みどり児を抱きしめ宮へ風五月
五月の清々しい風を感じながら、お宮参りをされた喜びが伝わってまいります。「抱きしめ」に、うれしさが込められています。
選句
17,27,30,37,48
17 ★水替えて目高の泳ぎ軽くする
大きな魚と違い、めだかには清涼感さえ感じられます。そのうえ新しい水の中で泳ぐめだか 爽やかですね。今の季節にぴったりです。
選句
13 21 39 47 57
13.紙兜かぶりしままの菖蒲風呂
紙兜をご家族と一緒に作ったのでしょうか。そのまま菖蒲風呂に入ってしまつた子、湿ってしまったことでしょうが。楽しかったことでしょう。
選句
01 17 30 43 49
43 群れ咲いてどこか寂しきしゃがの花
しゃがの花はいつも藪の中や山斜面など余り目立たない所にひっそりと咲いています。白色に紫色の斑な模様が有って花びらの淵が解れた所に涼やかさが有りますが何となく寂しく感じます。共感の御句です。
選句
24. 28. 37. 43. 55
43.群れ咲いてどこか寂しきしゃがの花
しゃがの花は一本一本見ると決して地味な花ではありませんが、そういえば、まとまって咲いている景はどこか寂しげとも。樹下などに咲くからでしょうか。印象に残る一句です。
選句
14.28.32.37.49,
28.薔薇垣と薔薇のアーチに人の住む
薔薇の咲き満ちる垣根に、蔓薔薇を這わせたアーチ。まるで舞台装置のようですが、それは薔薇を愛する人のお庭で、奥には、この季のために手入れをなさった方がお住まいです。「薔薇垣と薔薇のアーチ」が、日々の営みに添って咲いたことを思う時、あるいは舞台以上の物語が浮かぶかもしれません。
選句
01.10.28.32.46
10.海原を叩いて飛沫く夏の雨
広々とした海原を叩く大きな雨粒、飛沫くほどの夏の雨がことさら力強く爽快に感じ、明るい夏の到来を思います。
選句
01,14,25、43、49
01。みどり児を抱きしめ宮へ風5月
こどもの日のみどり児と風5月がぴったしで詠者の気持ちが伝わります。
選句
01,14,33,53,57
53)窓からの風に身を置く五月かな
爽やかな五月の風に心身を清められます。窓からの風がいいですね。
選句
03,22,35,49,53
22 春雷やあめつち揺るがし遠ざかる
大きな景です。今年の春は寒暖の入れ替わりの多い年でした。
雷がひとしきり騒いで遠ざかり静かに。世界の政治、経済の動きも暗示しているような句と思います。
選句
01.13.29.32.37
13.紙兜かぶりしままの菖蒲風呂
こどもの日は端午の節句でもあります。被った兜は紙であっても脱ぎたくないというこども心がこれからの日本を背負う世代の心意気になってくれることでしょう。
選句
01、07、15、20、37
20、旅先の母はいずこかカーネーション
親はいつでも子どものことを思い、子どもはいつも親のことを案じます。母親を思う優しい気持ちがうまく表現されていると思いました。
選句の時間を勘違いしていて遅くなりました。