NEW■10月月例ネット句会清記■

■10月月例ネット句会清記■
2025年10月12日
39句(13名)

01.釣上げし木の葉山女の錆の色
02.木犀の香に包まるる四畳半
03.髪も眼も雨に襲われしむ身かな
04.雲の共なくて孤光や月今宵
05.お隣のグランド今日は体育祭
06.バスを待つ間にも揺れ居り萩の風
07.中秋と知らず見上げた空冴える
08.リビングにすだちの香り夕餉待つ
09.コスモスや一両列車がやって来る
10.秋空に薄煙立ち里近し

11.秋彼岸小豆の煮ゆる音閑か
12.心晴れまた歩く道に鰯雲
13.供花挿せば竹春の風吹きわたる
14.瑠璃の光空にゆらして野ぶどう垂る
15.お食い初め秋潮の紺窓に流れ
16.露草の青点々と立ち上がる
17.バス降りてすぐ数本の曼殊沙華
18.木の実捨つわが手にありし温もりも
19.掛け声の空へ竿立つ秋祭り
20.新藁の残るみどりに幟立つ

21.新刊書積み上げ揃う帯さやか
22.強風の一夜の過ぎて秋晴れに
23.鹿の声長く響いて更けゆく夜
24.屋台ゆく刈られし稲の香る道
25.松手入れ鋏の音の歯切れ良く
26.秋晴れや大リング行く人の列
27.仏壇の母子に供えし栗ご飯
28.さざ波に砂のさざめく秋の浜
29.陽が沈む稲架の垂れ穂を赤く染め
30.みかん摘む鋏の音もみかん香に

31.べビーカー押して軽やか秋の空
32.秋の夜ラジオの唄で寝かしつけ
33.朝日浴び親子揃ってくしゃみする
34.秋晴れの高みを目指し一番機
35.断崖に溢れる蜻蛉や日本海
36.白馬より降り来る歩荷や秋日影
37.蜻蛉浮く大病院の棟の間に
38.秋夕焼富士を映せしビルの窓
39.朝顔の後ろ姿のすっきりと

※互選をはじめてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。

 


コメント

  1. 多田 有花
    2025年10月12日 17:56

    01.13.19.28.35.

    01.釣上げし木の葉山女の錆の色
    渓流の女王と呼ばれるヤマメ。
    警戒心が強く難易度が高いそうですね。
    俊敏な動きに素早くあわせて釣り上げた瞬間の醍醐味が感じられます。

  2. 上島祥子
    2025年10月12日 18:25

    11.13. 14. 19. 22.

    13.供花挿せば竹春の風吹きわたる
    竹林に吹き渡る風の音の中、静かに花を備えてお参りする姿が対象的で、秋の物寂しさを感じます。

  3. 土橋みよ
    2025年10月12日 18:47

    14, 18, 23, 35, 38
    38.秋夕焼富士を映せしビルの窓
    空気の澄んだ秋の夕暮れに、見事な富士山がビルの窓に映った。それはもう消えてしまっているけれど、その面影が目に焼き付いている。都会の秋の静寂と時の流れを感じました。

  4. 吉田 晃
    2025年10月12日 20:28

    11 13 18 19 23
    18.木の実捨つわが手にありし温もりも
    公園を散歩の途中、落ちている木の実が目に留まり、懐かしさを覚えて拾い上げたのだろう。少し青味の残る木の実は、昔の事、特に我が子の幼い頃の出来事を思い出させてくれる。暫く思いに浸っていたが、温もった木の実を踏まれぬように戻した。「手にありし温もりも」捨てたのであるが、掌には木の実の感触と思い出した懐かしさが残されていた。

  5. 柳原美知子
    2025年10月12日 21:44

    18. 21. 23. 29. 38

    29.陽が沈む稲架の垂れ穂を赤く染め
    秋の落日の牧歌的な景に、静けさと充実感、明日
    への祈りを感じます。じっと見ていたい光景です。

  6. 藤田洋子
    2025年10月12日 21:48

    11.13.18.29.38
    11.秋彼岸小豆を煮ゆる音閑か
    ことことと小豆を煮るゆっくりとした時の流れ。その閑けさに、秋彼岸ならではの季節感、故人を偲ぶ心情がしみじみと感じられます。

  7. 髙橋正子
    2025年10月12日 22:21

    西村友宏
    1.10.15.29.35

    29夕日の光が秋の収穫を祝しているような美しい情景が浮かびました。

  8. 高橋秀之
    2025年10月12日 22:22

    12.15.23.27.34
    34.秋晴れの高みを目指し一番機
    早朝なのでしょうか。1番機という響きがいいです。
    晴れ渡る秋空に向かって飛び立つ1番機。
    すごく素敵な旅を予感させてくれます

  9. 桑本栄太郎
    2025年10月12日 23:31

    花冠10月月例ネット句会選句
    08・11・19・25・38
    <特選>
    08)リビングにすだちの香り夕餉待つ
    日毎に秋も深まり、そろそろ鍋料理の時季ですね?夕餉を待つリビングに、
    すだちの香りがして来ます。

  10. 川名ますみ
    2025年10月12日 23:33

    10. 14. 18. 23. 28.

    23.鹿の声長く響いて更けゆく夜
    音が響いているにもかかわらず静けさを覚える、美しい句と思います。この季節、牡鹿の声は哀れを催すと云われます。遠くからそれが響く中、夜が深まってゆく。晩秋の寂しさと澄んだ空気を感じます。