5月6日(5名)
小口泰與
春の日の心浮き立つ茶柱よ★★★
気持ちの良い句です。(髙橋正子)
春風に誘われ出でし里言葉★★★
頬白の鳴き声耳に馴染みけり★★★
廣田洋一
初夏の街道抜ける法螺の音★★★
法螺の音がどこから聞こえてくるのか、はっきりするとレベルが一段とあがります。(髙橋正子)
芍薬の蕊は黄色き白き花★★★
鯉のぼり尾を揺らしたる子らのいて★★★
多田有花
立夏の野ドローン飛ばして訓練中★★★
「訓練中」が惜しい。(髙橋正子)
家々に薔薇咲く頃となりにけり★★★
若楓翼果を赤く光らせて★★★
川名ますみ
薔薇の鉢友の卒寿に譲らるる★★★
譲られし許多の鉢に風光る★★★
「許多の鉢」のイメージが立ちあがりにくいところが、惜しいです。(髙橋正子)
譲られし許多の鉢に薔薇鉢も(添削例)
授かりし鉢に何ぞ咲く木の芽風★★★
上島祥子
嫁入りの狐に行き会う春の夕★★★
「行き会う」が惜しい。(髙橋正子)
風潤む藤の匂いを運び来て★★★★
白鷺に距離を置かるる田一反★★★
「置かるる」に技巧が表に見えるのが惜しい。「田一反」もよいが「田一枚」として、読者に広さを想像させるのもよいと思います。(髙橋正子)
5月5日(2名)
多田有花
雨上がり風吹き渡り夏来る★★★
日ごと巣を作り上げたり夏燕★★★
わがうちのこども遊ばせこどもの日★★★
小口泰與
花びらに蘂の影あり二輪草★★★★
流れ行く雲や眼間たけかんば★★★
ふかふかの若葉の木木や鳥の声★★★
5月4日(4名)
多田有花
くっきりと晴れたり八十八夜かな★★★★
丁寧に床拭きあげて春送る★★★
行く春やいっそゆっくり寝てしまう★★★
廣田洋一
図書室を覗き見おるやえごの花★★★
葉陰より白さはみ出す山法師★★★
薔薇一輪高々咲きておりにけり★★★★
土橋みよ
朝日受けせいろに並ぶ柏餅★★★★
子燕の寄り来る影や軒仰ぐ★★★★
若葉風合格の知らせ来たりけり★★★
小口泰與
乙鳥の鳴きたる湖の穏やか(原句)
乙鳥の鳴き飛ぶ湖の穏やかに(正子添削)
葉の中に真っ赤な薔薇の一つ咲く★★★
黄牡丹の散りて狭庭を騒がせり★★★
5月3日(4名)
多田有花
音楽は音を楽しみ春深し★★★
顔上げて咲く紅白の春紫苑★★★
飛び来たるつがい着水残る鴨★★★
廣田洋一
白一輪紅一輪や皐月咲く★★★
大手毬空へこぼるる花の毬★★★
姫女苑畑の隅を飾りおり★★★
小口泰與
乙鳥の反転せしや利根河原★★★
佐保姫は雲もを脱ぎ捨て佐保山へ★★★
水温むほろほろ落ちる崖の水★★★★
土橋みよ
思い出の紫に咲くアイリスや(原句)
アイリスの思い出深き紫に(正子添削)
「アイリスや」がリズム的に落ち着きが悪いので添削しました。(髙橋正子)
豆植えし庭静かなり夜半の雨★★★★
ハワイからの手紙
椰子の間に揺るる夏月を映す海★★★
5月2日(2名)
小口泰與
うららかや長きすそ野の爽やかに
「うららか」は春の季語、「爽やか」は秋の季語です。これは、それぞれの季節に特有に感じられる情感がありますので、この二つを一句に重ねるには、情感の統一から見て無理があります。(髙橋正子)
さにつらう沼の夕日や春惜しむ(原句)
さにつらう夕日の沼や春惜しむ(正子添削)
猫の目や菊戴の鳴くたびに★★★
多田有花
跪きしろつめくさを近く見る★★★
葱坊主熊ン蜂をとまらせる★★★
交響曲たかまりゆきぬ春疾風★★★
5月1日(2名)
多田有花
栴檀の芽吹いて居りぬ枝の先★★★
雨一日降りてやみての木の芽冷★★★
春霖や育ちし家を売りに出す★★★★
小口泰與
さにつらう沼の夕日や春惜しむ
さにつらう夕日の沼や春惜しむ(正子添削)
「さにつらう」は頬が赤くなる様子を言う古語ですが、意味を考えて、修飾語は修飾する語の直ぐ近くに置くと効果的です。
谷川のさばしる流れ雪消かな★★★
乙鳥の鳴きたる湖に波立たず★★★