自由な投句箱/2月11日~2月20日

※当季雑詠3句(冬の句・春の句)を<コメント欄>にお書き込み
ください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
※★印の基準について。
「心が動いている」句を良い句として、★印を付けていま

今日の秀句/2月11日~2月20日

2月12日(1句)
★石陰を蹴るセキレイや水温む/土橋みよ(正子添削)
「水温む石陰を蹴るハクセキレイ」が元の句。俳句は、上五から下五へと読み下すが、最初の印象、あるいは最後の印象が強くなるので、語順が大切。河原で石陰を蹴って移るセキレイがかわいらしく、「水温む」川が添い、春の気配をよく捉えている。(髙橋正子)

2月11日(句)
★夜の耳澄ませば春の雨の音/多田有花
「夜の耳」が魅力。夜の静けさの中で、自分の耳がふっと研ぎ澄まされる瞬間が立ち上がる。春雨の細い音が、途切れず続き、読者をその静かな世界へ誘っていく。(
髙橋正子)

2月11日~2月20日

2月13日(名)
作業中
多田有花
白梅や客ある家の庭に咲き
春淡きローズマリーの青紫色
葉牡丹にパンジーが添い二月早や

小口泰與
利根川の流れ衰え冬夕日
空風や妻と在所を同じうす
風やみて波のおさまる冬の湖

土橋みよ
芝付けて寝転ぶ犬や冬ぬくし
土起こし終えて酸っぱき冬苺
寒暁や目の端過ぐる鷺の影

2月12日(3名)
多田有花
ヒマラヤ杉剪られ春空の広し★★★
切り株に早春の松ぼっくり★★★

春未明一番列車の音がする(原句)
春未明一番列車の音遠し(正子添削①)
春未明一番列車の音動き(正子添削②やや前衛的)
「音がする」で終わることが問題です。ここをよく見極める必要があります。情景はよく見えているのに、最後が説明的な述語で締めくくられるため、読者の心に残る“余白”が生まれにくい。
• 叙述がそのまま事実説明になり、句が平板になる
• 読者の想像がそこで止まり、広がりが出にくい
• 季語「春未明」の柔らかい気配が、述語の説明性に押されてしまう。

小口泰與
上州の風おそろし二月かな★★★
夕暮れの雲の落ち合う雪浅間★★★
風強き雪の村落訪えり★★★

土橋みよ
雪赤城シラサギ一羽溶け行けり★★★
  渡良瀬川2句
春待つや盛り土てんでに河川敷★★★★

水温む石陰を蹴るハクセキレイ(原句)
この句で「ハクセキレイ」と特に種を言う必要はなく、セキレイとするほうが、句が軽やかになります。
石陰を蹴るセキレイや水温む(正子添削①)
切字「や」が古い印象を受けると思うなら、
石陰を蹴るセキレイに水温む(正子添削②)も可能で、叙景句としてまとまった句になります。やや説明的になります。(髙橋正子)

2月11日(4名)
上島祥子
白梅の一輪挿しに香の豊か★★★
「香の豊か」が説明になっているのが惜しいです。(髙橋正子)

白梅の香の華やぎて空碧し(原句)
「華やぎて」(強い感情)と「空碧し」(強い断定)が同じ強さなので、ぶつかりあっています。「華やぎて」の表現に工夫がいります。(髙橋正子)
白梅のつんと匂いて空碧し(正子添削例)
お寺様迎える朝の余寒かな★★★

廣田洋一
町内に日の丸見えず建国日★★★
春の雨残りたる雪流しけり★★★
スイートピー日を浴び風に羽搏けり★★★
「日を浴び風に羽搏けり」は、捉え方や感覚はいいですが、少しもたついているのが残念です。(髙橋正子)

小口泰與
空風の襲えり木木の奮い立つ★★★
炬燵にてうつらうつらと手を回し★★★
おしなべて三山雪に覆われし★★★

多田有花
雀三羽余寒の中を動かずに★★★
山向こう但馬は春の豪雪か★★★
夜の耳澄ませば春の雨の音★★★★

自由な投句箱/2月1日~2月10日

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今日の秀句/2月1日~2月10日

2月10日(1句)
★手あぶりの火鉢赤々一人酒/小口泰與(正子添削)
元の句は、「手あぶりの火鉢盛んや一人酒」だったが、「盛ん」は情景の説明にとどまるため、「あかあか」として火の存在感を前面に出した。手あぶりの火鉢の赤が、ひとり酒の時間を静かに照らしている。温もりと孤独が同居する、冬の夜の深い余韻が生まれている。(髙橋正子)

2月9日(1句)
★連なれる屋根の眩しく雪解かな/廣田洋一
「連なれる屋根」は雪が積んだ屋根。ただ連なっているだけではなく、生活の有り様、時間の層が読みとれる。その屋根が日に照らされて眩しく、雪解が始まっている。冬から春への動きが見られる美しい景色の句。(髙橋正子)

2月8日
※該当句無し

2月7日(1句)
★早春の枝にハンギングバスケット/多田有花
視線の高さが、春への期待感を感じさせて、句があかるく、心に動きがある。情景だけであるが、景の余白にバスケットの花の色は、空の色など早春の気配が読みとれるのがいい。(髙橋正子)

2月6日(1句)
★霜夜聴く少なき音のモーツァルト/土橋みよ
「少なき音」をどう読みとるかで、句の良さが変わってくる。モーツァルトはほかの作曲家に比べて少ない音で作曲していると言われている。この事を言いたいのなら、「少なき音の」は説明的になる。そうではなく、モーツァルトのなかでも少ない音の曲を聴いたのであれば、霜夜の静かな深さが印象に残る句となる。(髙橋正子)

2月5日(1句)
★春立つ日風受け馬車道修築碑/多田有花
「馬車道」は郷里の馬車道であろう。普段は気づかない修築碑であるが、春立つ日には、光を受けてその存在がよく見える。碑文も読みやすくなるだろう。人々の歴史に思いをはせたのだ。(髙橋正子)

2月4日(2句)
★節分や影絵のごとき宵の富士//川名ますみ
節分は冬に区切りをつけ次の日よりは春となる日。影絵のようなくっきりとした富士山が浮き上がっている。節分の宵が美しく詠まれている。(髙橋正子)

★立春のどこかでかすかに水の音/多田有花
立春は、春の気配が立ちのぼる日と言えるだろう。かすかに聞こえる水の音に、凍り付いたものが少しずつ解け、命が蘇るような気配がある。「かすかに」は徐々にでもある。しずかな春の気配を感じさせてくれる句。(髙橋正子)

2月3日(1句)
★節分の青空広く鈴鹿まで/上島祥子
節分の青空は夜空ではあるまいかと思った。今年の節分の夜空は満月に近く、明るく青かった。雲も白く浮かんでいた。それが、鈴鹿まで続いている。その遥けさを思う心が、春への期待と読めた。(髙橋正子)

2月2日(2句)
★もふもふの白木蓮の冬芽なり/多田有花
「もふもふ」の普段使いの擬態語が面白い。白木蓮の冬芽は、芽鱗が毛被に被われている。その毛被がもふもふ。ふわふわで、温かそうだ。人間味を感じて面白い。(髙橋正子)

★寒風に蝉の抜け殻動かざる/廣田洋一
寒風が吹くころになっても、蝉の抜け殻が残っていて、動かない。そのことへの驚きがまずあるが、それを衒いなく、そのままに単刀直入に詠んでおり、ここがよい。(髙橋正子)

2月1日(2句)
★紅梅を透かしカーテン真新し/川名ますみ(正子添削)
向こうのものを透かすカーテンはレースような透ける生地であろう。透けて見えるものの美しさ、紅梅の紅の美しさと、真新しい清潔なカーテンの取り合わせが春らしい。真新しさは心の刷新であり、新しい季節を迎えるわくわくした気持ちであろう。(髙橋正子)

★春隣運ばれていく競走馬/多田有花
どこへ運ばれて行くのか、競争馬は静かな立った姿。馬の体は日差しにかがやいている。その艶やかな姿を見ると、春がそこまで来ていることが実感される。疾走する馬の姿も美しいが、春と冬のあいだの光が目に見える。(髙橋正子)

 

 

2月1日~2月10日

2月10日(3名)
廣田洋一
雪のごと白く光れる猫柳(原句)
「ごと」は直喩という比喩の一つの方法ですが、この句では、比喩が直接過ぎるので添削しました。猫柳の質感と、猫柳=雪の関係がぼかされたと思います。(髙橋正子)
雪ほどに白く光れる猫柳(正子添削)
春風やこんと打ちたるゲートボール★★★
戸袋や椋鳥の巣に占められし★★★

小口泰與
手あぶりの火鉢盛んや一人酒(原句)
「盛ん」が説明的なので添削しました。様子を写す方が、読み手によく伝わります。(髙橋正子)
手あぶりの火鉢赤々一人酒(正子添削)

おさえねば雪は雪崩となりにけり★★★
屋根の雪おしなべて落ちにけり★★★

多田有花
二月の雪みなそろそろと橋渡る★★★
春雪が音消す朝の静けさよ★★★
朝日浴び輝く春雪増位山★★★

2月9日(3名)
小口泰與
熟寝して八十路の春を迎えけり★★★
空風に吹かれ叩かれ我が髪膚★★★
空風や喧嘩腰なる小学生★★★

多田有花
春雪を踏んで向いし投票所★★★
春の雪驚くほどに降り続く★★★
これはまた二日続きの春の雪★★★

廣田洋一
小さくも達磨を作る春の雪★★★
連なれる屋根の眩しく雪解かな★★★★
ぱしゃぱしゃと薄氷を割る登校児★★★

土橋みよ
冬の市北磯薫るアカザラ貝★★★
分水の冬サギに続くカモの列★★★
函館の気配ある朝春の雪(原句)
「気配ある」が説明になっており、句の中心が、「函館の気配」と「春の雪」が同じ比重になっています。添削句は、「春の雪」に焦点を絞りました。(髙橋正子)
函館の気配の朝や春の雪(正子添削)

2月8日(3名)
小口泰與
冬鳥や我が産土は風の国★★★
冬雉のひと声高く鳴きにけり★★★
冬翡翠長き嘴おば胸に埋め★★★

多田有花
これがまあ春の雪なり但馬より★★★
二月早やけじめをつけて先へゆく★★★
目覚めれば風音高き余寒かな★★★

廣田洋一
春の雪木の実啄む鳥のあり★★★
緑濃きアロエの葉にも春の雪★★★
上手に二羽下手に三羽春の鴨★★★

2月7日(3名)
小口泰與
埋火を探り出したる冬の真夜★★★★
空風に言葉奪はる妻の顔★★★
話声うばう空風上州路★★★

多田有花
早春の枝にハンギングバスケット★★★★
田の跡に新居建つなり春始★★★
水仙花日ごとに増えて春淡し★★★

廣田洋一
戸を開けてぱつと吹き込む余寒かな★★★
富士見ゆる坂を下りて梅の花★★★★
春光の波穏やかに由比ヶ浜★★★

2月6日(4名)
土橋みよ
霜夜聴く少なき音のモーツァルト★★★★
十年を隔て声聞く寒夜かな★★★
雪降るや電話の奥の子らの声★★★★

廣田洋一
魞挿せる堅田の湖の静まれり★★★★
堅田の湖の静けさはよく届くが、措辞の選択が伝統的な型に寄り、優れているが、独自の息づかいが欲しい惜しい句。(髙橋正子)

春の川緋鯉一匹遊びおり★★★
春風の吹き抜けて行く子らの列★★★★

多田有花
枯草を春の光が撫でてゆく★★★
枝すでに花咲くを待ち静かなり★★★★
空色の淡さに山の笑い初む★★★★

小口泰與
うち曇る雪の浅間や朝まだき★★★
うたかたの猫の命や冬の朝★★★
空風や畑打ち返す老一人★★★

2月5日(4名)
多田有花
春立つ日風受け馬車道修築碑★★★★
田の脇にいま三分咲き梅の花★★★
春耕や背にいっぱいの光浴び★★★

小口泰與
うたた寝の我もとび起き雪浅間★★★
空風や利根波立ちて川謡う★★★
隣家より聞ゆ謳いや雪浅間★★★★

廣田洋一
青空を白く染めたる梅の花★★★
春うらら残ると決めし鴨の群れ★★★
暖かき川原を跳ねる子らの声★★★

上島祥子
手を繋ぎスキップする子や春立つ日★★★
紅に雲の伸びゆく春立つ日★★★
紅の雲が、いつの時間帯の雲がわかると句に現実感が生まれ、印象s深くなるると思います。(髙橋正子)

曙や淡く広がる紅霞★★★

2月4日(4名)
多田有花
冬終わる焼杉塀の節々に★★★
立春のどこかでかすかに水の音★★★★
寒明けや昨日は昨日明日は明日★★★

小口泰與
うち曇る赤城鍋割白き雪★★★
入相の雪の浅間へ鳥帰る★★★
笹鳴きの声の沈みて入日かな★★★★

土橋みよ
七軒のしもつかれ食ぶ節分や★★★
福豆の粕にまみるる節分や★★★
冬の暮鮭頭横向くしもつかれ★★★

川名ますみ
節分の夜の上空はまだ蒼し★★★★
節分や影絵のごとき宵の富士★★★★
冬野菜を漉しコンソメに濁りなし★★★

2月3日(4名)
川名ますみ
節分の夜の上空はまだ蒼し★★★★
節分や影絵のごとき宵の富士★★★★
冬野菜を漉しコンソメに濁りなし★★★

土橋みよ
七軒のしもつかれ食ぶ節分や★★★
福豆の粕にまみるる節分や★★★
冬の暮鮭頭横向くしもつかれ★★★

小口泰與
うち曇る赤城鍋割白き雪★★★
入相の雪の浅間へ鳥帰る★★★
笹鳴きの声の沈みて入日かな★★★★

多田有花
冬終わる焼杉塀の節々に★★★
立春のどこかでかすかに水の音★★★★
寒明けや昨日は昨日明日は明日★★★

2月3日(5名)
小口泰與
眼間のうすずく頃の冬の蝶★★★
薄氷に乗りて羽ばたく雀かな★★★★
森歌い沼も歌いし空っ風★★★

多田有花
薄雲の中へ昇りぬ寒満月★★★
「薄雲の中へ昇りぬ」は、美しい情景ながら、既視感が強いので、句が平凡になりやすいです。「昇りぬ」を、自分の言葉で言う必要があります。
(髙橋正子)
寒犬や悠然と車列従えて★★★
冬行くや飯桐の実を残しつつ★★★★
作者の視線がそのまま句の個性になっているのがいい。(髙橋正子)

廣田洋一
隣家の子豆撒く声の響きけり★★★
「隣家の子」の後の切れが弱いので、句の立ち上がりが今少しですので、惜しいです。「響きけり」はとてもいいです。(髙橋正子)

拾いたる豆を分けたる隣の子★★★
西天に冴えたる光冬の月★★★

川名ますみ
春隣思い定めて模様替★★★
花刺繍のカーテン吊りて日脚伸ぶ★★★★
ベランダに三人小声で豆を撒く★★★

上島祥子
節分の青空広く鈴鹿まで★★★★
寒水に短くなりし榊丈★★★
買い物を終えて明るし寒茜★★★

2月2日(3名)
小口泰與
雲に入る友の多くや冬の虹★★★★
朝日出で雪の浅間の色めきぬ★★★
一瞬に冬翡翠の水中へ★★★

多田有花
もふもふの白木蓮の冬芽なり★★★★
書き続く日脚の伸びに誘われて★★★
日曜の大歳神社の年越祭★★★

廣田洋一
冬満月赤色残す西の空★★★
これは何と近寄りて見る琵琶の花★★★
寒風に蝉の抜け殻動かざる★★★★

2月1日(4名)
川名ますみ
紅梅を透いてカーテン真新し(原句)
紅梅を透かしカーテン真新し(正子添削)

新しきカーテン梅の紅を透く★★★
着ぶくれて長き友らと模様替★★★

廣田洋一
春近し小魚群れる池の底★★★
湯煙やゆらり溶け込む雪の山★★★
木の上で越冬したる猿の群れ★★★

多田有花
車輪梅の実の黒紫色寒厳し★★★
大根の引かれるを待つ畑かな★★★
春隣運ばれていく競走馬★★★★

小口泰與
山風にいらつ枯枝折れにけり★★★
寒月の流れに乗らず留まりし★★★
入相の利根の荒波空っ風★★★