※当季雑詠3句(春の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※好きな句の選とコメントを<コメント欄>にお書き込みください。
※お礼などの伝言も<コメント欄>にお書きください。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。
主宰:高橋正子・管理:高橋信之
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★瀬の落つるよどみに番う残り鴨/桑本栄太郎
廣田洋一
桑本栄太郎
廣田洋一
桑本栄太郎
廣田洋一
桑本栄太郎
古田敬二
廣田洋一
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★初つばめ朝日に翼きらめかせ/多田有花
初つばめが見られた。朝日に翼をきらめかせ、さっそうと飛ぶ姿に、なつかしささえ覚える。ずいぶん暖かくなった。(高橋正子)
★自転車の集結したり春休み/桑本栄太郎
「集結したり」が青春らしく面白い。春休みになり、自転車をもって集まった生徒たち。これから大勢で出かけようというのだ。青春真っただ中のさわやかさがいい。(高橋正子)
3月14日(2句)
★浅間燃え襞黒黒と雪解かな/小口泰與
今なおA級活火山として噴煙をあげる浅間山は、燃える山と言えよう。雪解けに山の地熱が関係するかどうか知らないが、この句からは、山の熱が雪解けを促している印象だ。「襞黒黒」が実感。(高橋正子)
★じゃが芋の芽を温めて畝静か/古田敬二
じゃが芋を地中深く植えて、そのあとは、芽が地上に出るのを待つばかり。今は土が芽を静かに温めている時。静かな畝は生きている。(高橋正子)
3月13日(1句)
★茎立ちや独り暮らしの峡の家/小口泰與
山峡の集落。独り暮らしの家もあって食べ余した畑の菜は茎立っている。薹が立ったり花をつけたりして峡の村に春が確かに来ている。(高橋正子)
3月12日(2句)
★春の湖画布いっぱいの色使い/小口泰與
春の湖の色あいを見れば、絵心が誘われるというもの。春の湖を思い切り描いている人がいるのだろう。画布いっぱいの色使いに、春の色を見た。(高橋正子)
★白れんの今日は飛び翔つ日差しかな/桑本栄太郎
白れんがほぼ満開となり、日差しを受けると花びらが開き空へ飛び翔つような姿勢になる。
「飛び翔つ日差し」に実感があって、上手。(高橋正子)
3月11日(2句)
★永き日の仏舎利塔に猫二匹/多田有花
「永き日」がよく効いている。永き日だからこそ、二匹の猫も釈迦のほとりにいたがる。極楽にも似た雰囲気がある。(高橋正子)
★歩みゆく丘の田道や春帽子/桑本栄太郎
なんでもないような句だが、「春帽子」に味わいがあっていい。春帽子をかぶるのは少々年取った男性がいい。風に寒さはあるもののあたたかい丘の田道が快い。(高橋正子)
小口泰與
小口泰與
蕗味噌を当てに独りの宴かな★★★
かたかごや遺跡の丘へなだれ咲き★★★
水草生ふ水の惑星太古より★★★★
廣田洋一
青空にひらひら舞へる辛夷かな★★★★
枝垂桜見上げる花の一二輪★★★
山裾の光を染めし桜の芽★★★★
多田有花
<大谷本廟三句>
円通橋ハクモクレンに迎えられ★★★
花で描く和顔愛語や彼岸寺★★★
彼岸会の読経聞くなり無量寿堂★★★
桑本栄太郎
山と言う名前あれども初桜★★★
春潮のはるか遠くに隠岐の島★★★★
3月18日(4名)
小口泰與
薇の三和土に干され婆の顔★★★
かたかごや万葉集の三毳山★★★
春蘭や源流の水光りける★★★★
廣田洋一
芽を出せと声掛け蒔きぬ種袋★★★
誕生日の記念にかざす種袋★★★★
金星に座布団舞はぬ春場所かな★★★
桑本栄太郎
目まといの早やも出でたる川辺かな★★★
春泥の轍のままに乾きけり★★★★
歩数伸ぶ春の日差しや万歩計★★★
多田有花
犬と子を連れて梅見の夫婦かな★★★
梅散るや風吹くたびに鈴が鳴る★★★
3月17日(4名)
小口泰與
草の芽や運動靴の高く跳ね★★★
ばらの芽の朱き衣をほぐしけり★★★
てんからの釣り人遡上初わらび★★★★
廣田洋一
彼岸来る行くのは未だと呟けり★★★
姪甥と会うのも久し彼岸かな★★★★
多田有花
初花やこの地に何が起これども★★★
青空に憧れて咲くはくれんは★★★★
料峭の頂に立ち沖を見る★★★
桑本栄太郎
枝先の赤く色めき木の芽吹く★★★★
青空に紅の矜持や梅古木★★★
山茱萸の垣根明るく日差しけり★★★
3月16日(4名)
小口泰與
春宵や源氏の君の立ち居にて★★★
声を出し椅子から立つや老いの春★★★
還らざる人次次や草青む★★★★
廣田洋一
暖かや口を開けたる鯉二匹★★★
春の風邪癒えたる友よ暖かし★★★
園児らのままごとの声暖かし★★★★
桑本栄太郎
うかつにもこんな時間や朝寝人★★★
日照雨降る買物途次や冴え返る★★★
冴え返る嶺の入日や風の声★★★★
古田敬二
花屋から春の色と香溢れ来る★★★
忙しげ風に揺られて初黄蝶★★★★
3月15日(4名)
小口泰與
坂東を横切る春の太郎川★★★
明るさは榛名の空や春の朝★★★★
春昼やラクビーボール飛び跳ねて★★★
廣田洋一
窓を打つ雨音消えて春の雪★★★★
雨空に淡き紅色江戸彼岸★★★
満開の彼岸桜に春の雪★★★
多田有花
春雨に午後のコーヒーの香り★★★
春の雨書類仕事を片付ける★★★
炒り卵茹でし分葱と味噌和えに★★★
桑本栄太郎
うつうつと夢のつづきや朝寝人★★★
歩みゆく程に雨雲春ならひ★★★
自転車の集結したり春休み★★★★
「集結したり」が青春らしく面白い。春休みになり、自転車をもって集まった生徒たち。これから大勢で出かけようというのだ。青春真っただ中のさわやかさがいい。(高橋正子)
3月14日(5名)
小口泰與
榛名湖の霞より出づ小舟かな★★★
浅間燃え襞黒黒と雪解かな★★★★
今なおA級活火山として噴煙をあげる浅間山は、燃える山と言えよう。雪解けに山の地熱が関係するかどうか知らないが、この句からは、山の熱が雪解けを促している印象だ。「襞黒黒」が実感。(高橋正子)
あえかなる朱きばらの芽ほどきける★★★
廣田洋一
白き枝ぱつと差し出す雪柳★★★
雪柳やはき風にも雪崩れけり★★★★
白皙の友思ひ出す雪柳★★★
桑本栄太郎
朝寝人二度寝の夢の果てしなく★★★
子供等の遊び見えざる菜種梅雨★★★
休園の塀に添いたりチューリップ★★★★
多田有花
春山路遠くで光る播磨灘★★★
春の谷囲む稜線を歩く★★★
下り来て八重紅梅に迎えられ★★★
古田敬二
じゃが芋の芽を温めて畝静か★★★★
じゃが芋を地中深く植えて、そのあとは、芽が地上に出るのを待つばかり。今は土が芽を静かに温めている時。静かな畝は生きている。(高橋正子)
春耕す分葱がこぼす土黒し★★★
引き寄せて故郷の梅の香かすかなり★★★
3月13日(4名)
古田敬二
四阿へ青きを踏んで十五段★★★★
四阿から見下ろす池に残り鴨★★★
道のべに木蓮光る昼餉時★★★
廣田洋一
白き花天を突きたる木蓮かな★★★
木蓮の反り返りたる花弁かな★★★
老舗にて馴染みし味や鶯餅★★★
小口泰與
駄菓子屋の子らの顔かおつくしんぼ★★★
遠き日の餓鬼大将や父子草★★★
茎立ちや独り暮らしの峡の家★★★★
山峡の集落。独り暮らしの家もあって食べ余した畑の菜は茎立っている。薹が立ったり花をつけたりして峡の村に春が確かに来ている。(高橋正子)
桑本栄太郎
溝川の早瀬となりぬ春の丘★★★
山里の崩れ土塀や桃の花★★★★
春なれやけぶり棚引く山の里★★★
3月12日(5名)
小口泰與
群雀翔つや裏庭諸葛菜★★★
さびき釣りに掛かる魚や華鬘草★★★
春の湖画布いっぱいの色使い★★★★
春の湖の色あいを見れば、絵心が誘われるというもの。春の湖を思い切り描いている人がいるのだろう。画布いっぱいの色使いに、春の色を見た。(高橋正子)
廣田洋一
春満月の浩々と照る曙かな★★★
手をかけて年を越したるシクラメン★★★
シクラメンワインレッドのあふれをり★★★★
古田敬二
蒲公英の丈をたがえて風に揺れ★★★★
蒲公英の丈は短くて皆同じように思えるのもあるが、野原をよく見れば、高低いろいろある。風が吹きすぎて蒲公英を揺らす。春の歌のような句。(高橋正子)
ぺんぺんと鳴らずナズナの風に揺れ★★★
夕暮れの池中央に残り鴨★★★
桑本栄太郎
追悼の祈りに合はせ春の虹★★★
白れんの今日は飛び翔つ日差しかな★★★★
白れんがほぼ満開となり、日差しを受けると花びらが開き空へ飛び翔つような姿勢になる。
「飛び翔つ日差し」に実感があって、上手。(高橋正子)
春風のあゆみ来たれば”南茶屋”★★★
多田有花
いっぱいにミモザ咲かせしカフェに入る★★★
春昼や壁一面の大時計★★★★
アーモンドトーストかりっと春の昼★★★
3月11日(4名)
廣田洋一
線路沿ひ街灯潤む町朧★★★
待ち人のなかなか見えぬ朧かな★★★★
女川の街思ひ出す朧月★★★
小口泰與
楓の芽ほぐるる刹那光りける★★★★
枸杞の芽や支流も利根も激つける★★★
楤の芽や渓流釣りの竹の魚籠★★★
多田有花
春の夕仏舎利塔より城眺む★★★
麗かや傾く陽を浴び仏舎利塔★★★
永き日の仏舎利塔に猫二匹★★★★
「永き日」がよく効いている。永き日だからこそ、二匹の猫も釈迦のほとりにいたがる。極楽にも似た雰囲気がある。(高橋正子)
桑本栄太郎
歩みゆく丘の田道や春帽子★★★★
なんでもないような句だが、「春帽子」に味わいがあっていい。春帽子をかぶるのは少々年取った男性がいい。風に寒さはあるもののあたたかい丘の田道が快い。(高橋正子)
さざ波の田面となりぬ春驟雨★★★
鳴き声の薮を占めたる初音かな★★★
●3月月例ネット句会入賞発表●
下記アドレスの「月例ネット句会」ブログに入賞発表をしています。ご確認ください。
https://blog.goo.ne.jp/kakan02d/
▼伝言・お礼等の投稿は、3月9日(月)正午~3月5日(木)午後6時
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3月10日(1句)
★兄弟の競いて春の丘登る/多田有花
まだ幼い兄弟であろうか。二人で競争して草萌える丘を登る。競い合う遊びが春の丘を通して読むものに明るい輝きをくれる。(高橋正子)
3月9日(1句)
★フェンスには鴎の形風光る/多田有花
白く塗られたフェンスに鴎の形を切り抜いた板などを風見鶏のように取り付けられているのをよく目にする。それを思い浮かべた。光る風に、鴎は羽をひろげ、いきいきと飛んでいるように思える。おしゃれな風景。(高橋正子)
3月8日(2句)
★ごうごうと谿の流れや花辛夷/小口泰與
谿に咲く辛夷。雪解水を集めてごうごうと音を立てる谿川のほとりの辛夷は自然の花。花びらを振るわせていることだろう。(高橋正子)
★流木の薪を焚きたる磯開き/廣田洋一
磯開きは、一般的には、遠く潮の引いた磯辺で一日を過ごす行楽の風習で、陰暦3月3日(今年は3月26日)がそれにあたる。また翌日の4日を雛祭りの後祭りとして山や磯に遊ぶ地方もある。
まだ浜辺は寒いので、流木を拾い焚火をして暖をとったりする。みんなが囲む焚火に心を癒される。たのしい磯開きである。(高橋正子)
3月7日(2句)
★一斉に鳥の飛び來る初桜/小口泰與
桜が咲いた。蜜を求めて、鳥たちが一斉にやって来た。絵になる光景だ。(高橋正子)
★いま一度春の海へと浮きを投げ/多田有花
釣りが楽しめるのどかな春の海。釣り糸を垂らしている間も釣り人はたのしいのだが、釣れなくて、もう一度挑戦で浮きを投げた。その浮きの行方を目で追うのも面白い。臨場感が楽しめる句だ。
3月6日(1句)
★白梅や潮騒届く庭に咲く/多田有花
白梅と潮騒の取り合わせが新鮮だ。実際、潮騒の届く家々の庭にも白梅が植えられ楽しまれているが、それが、俳句に取り上げられているのは、めったに見ない。明るく、爽快な句だ。(高橋正子)
3月5日(1句)
★人形と共に仕舞へる紙雛(かみひひな)/廣田洋一
雛人形を仕舞うときに、紙の雛も一緒に仕舞った。紙雛とは言え、雛は形代。思いも大切にしまわれたのだ。(高橋正子)
3月4日(1句)
★北風の金具音立て校旗かな/桑本栄太郎
寒い春の北風が吹く空へ掲げられた校旗。風の寒さに校旗の金具がポールに当たって鳴る音が
卒業期と重なる料峭の感覚をよく伝えている。(高橋正子)
3月3日(1句)
★立子忌の夕のおさいは花菜和え/桑本栄太郎
立子の親しまれている句に、「まゝ事の飯もおさいも土筆かな」があって、それを踏まえた句。今日のおさいは花菜和え。花菜も土筆も春の香りいっぱいのもの。立子の句を追体験するようなしのぶ句となった。(高橋正子)
3月2日(1句)
★踏んで行く春の夕日の伸ばす影/古田敬二
日が永くなり、夕日に映る影も、どこか、のどかに見える。伸びた影を踏んで行く心愉しさが読み取れる。(高橋正子)
3月1日(2句)
★風光る禁漁解ける里の朝/小口泰與
釣りの好きな人には待ちどおしい春の漁解禁。「里の朝」とあるので、その里にも渓流があり、雪代山女なども釣れるのだろう。風光るにあかるい気持ちが見える。(高橋正子)
★こぼこぼと小流れ聞こゆ春の丘/桑本栄太郎
春の丘には、目に萌え出た草の緑、おおいぬのふぐりの青と目を楽しませてくれるものも多いが、耳にも春を感じさせてくれる音がある。ごぼごぼと小さい流れも水が走っている。楽しい春の丘だ。(高橋正子)
3月10日(4名)
小口泰與
橅の木へ耳寄せ春の鼓動かな★★★
ふっくらと笑し紅梅青き空★★★
夕映えの川風の中柳の芽★★★★
廣田洋一
和菓子舗の売切れ御免鶯餅★★★
鶯餅飛び立ちさうに盛られけり★★★
春の風邪ちょっと風邪では済まされぬ★★★
多田有花
暖かな丘より望む遠き島★★★
兄弟の競い合い春の丘登る(原句)
兄弟の競いて春の丘登る★★★★(正子添削)
まだ幼い兄弟であろうか。二人で競争して草萌える丘を登る。競い合う遊びが春の丘を通して読むものに明るい輝きをくれる。(高橋正子)
春の夕仏舎利塔より城眺む★★★
桑本栄太郎
道風の斯く愛でたるや柳の芽★★★
目覚むれば小雨となりぬ菜種梅雨★★★
パンジーの羽ばたきそうな小鉢かな★★★
3月9日(4名)
小口泰與
連翹や長きすそ野の赤城山★★★
米爆ぜの吹き出づ音や雪柳★★★★
はくれんの同じ方へと咲きにけり★★★
廣田洋一
伊予柑や思ひ切り爪立てて剥く★★★
伊予柑のジュースを絞る昼下がり★★★
草の葉の雨に打たれて寒戻る★★★★
桑本栄太郎
<山里散策より>
歩み行く丘の田道や揚雲雀★★★★
ミモザ咲く母屋なれども人気なし★★★
立ちのぼりその侭花に茎立菜★★★
多田有花
埋め立て地蘇鉄並木に春の雲★★★
とりどりのヨット浮かべて春の海★★★★
フェンスには鴎の形風光る★★★★
白く塗られたフェンスに鴎の形を切り抜いた板などを風見鶏のように取り付けられているのをよく目にする。それを思い浮かべた。光る風に、鴎は羽をひろげ、いきいきと飛んでいるように思える。おしゃれな風景。(高橋正子)
3月8日(4名)
小口泰與
切岸の枝垂桜や隠れ里★★★
老二人揃いて畑へ花辛夷★★★
ごうごうと谿の流れや花辛夷★★★★
谿に咲く辛夷。雪解水を集めてごうごうと音を立てる谿川のほとりの辛夷は自然の花。花びらを振るわせていることだろう。(高橋正子)
廣田洋一
磯開き布海苔掻きたる親子かな★★★
流木の薪を焚きたる磯開き★★★★
磯開きは、遠く潮の引いた磯辺で一日を過ごす行楽の風習で、陰暦3月3日(今年は3月26日)がそれにあたる。また翌日の4日を雛祭りの後祭りとして山や磯に遊ぶ地方もある。まだ浜辺は寒いので、流木を拾い焚火をして暖をとったりする。みんなが囲む焚火に心を癒される。(高橋正子)
春寒や更新したる非常食★★★
桑本栄太郎
春ひとり田道を行くや村の辻★★★
山すその里の甍や風光る★★★★
嶺の端の入日となりぬ夕ひばり★★★
3月7日(4名)
小口泰與
釣竿を振るや顔へと虻の音★★★
小流れの艶めく波や落椿★★★
一斉に鳥の飛び來る初桜★★★★
桜が咲いた。蜜を求めて、鳥たちが一斉にやって来た。絵になる光景だ。(高橋正子)
廣田洋一
啓蟄や旅の予定を立ててみる★★★★
梅の花鶯鳴きて絵となれり★★★
産土の社に幽か鶯の声★★★
桑本栄太郎
家中のとぼそ立ちたる枝垂れ梅★★★
うぐいすの薮を占めたる初音かな★★★
揚ひばり高き天なるヘリコプター★★★★
多田有花
春荒れに並び運ばるシニアカー★★★
春の海隔て並びし工場群★★★
いま一度春の海へと浮き投げる(原句)
いま一度春の海へと浮きを投げ★★★★(正子添削)
釣りが楽しめるのどかな春の海。釣り糸を垂らしている間も釣り人はたのしいのだが、釣れなくて、もう一度挑戦で浮きを投げた。その浮きの行方を目で追うのも面白い。臨場感が楽しめる句だ。
3月6日(4名)
廣田洋一
紅き粒一つ際立つ春の星★★★
マンションの明かりの消えて春の星★★★
子供らの駆け回る声水草生ふ★★★★
小口泰與
初蝶や水琴窟の淡き音★★★★
手水鉢へ尾長来ておる春炬燵★★★
初蝶の風にそしられ竹林へ★★★
多田有花
春昼のテトラポットに磯鵯★★★
春昼や小舟を囲み光る海★★★
白梅や潮騒届く庭に咲く★★★★
白梅と潮騒の取り合わせが新鮮だ。実際、潮騒の届く家々の庭にも白梅が植えられ楽しまれているが、それが、俳句に取り上げられているのは、めったに見ない。明るく、爽快な句だ。(高橋正子)
桑本栄太郎
白木蓮の遂に微笑む日差しかな★★★
春風やとんび高舞う丘の空★★★★
稜線のほのと赤きや春の宵★★★
3月5日(4名)
小口泰與
勇み来て木戸に堰かれし梅の園★★★
溶岩原の砂を咥えて蟻出づる★★★
初蝶や千里を越ゆる力とか★★★★
廣田洋一
壺焼や富士を背にして売られけり★★★
壺焼の汁溢れ出て炎立つ★★★
人形と共に仕舞へる紙雛かな(原句)
人形と共に仕舞へる紙雛(かみひひな)★★★★(正子添削)
雛人形を仕舞うときに、紙の雛も一緒に仕舞った。紙雛とは言え、雛は形代。思いも大切にしまわれたのだ。(高橋正子)
多田有花
三月の沖に家島小豆島★★★
春きざす港を巡り歩くかな★★★
突堤の春陽のなかでお弁当★★★★
桑本栄太郎
三月や君を振り切り上京す★★★
春北風の風雨まじりの一日果つ★★★
竜天に登ると見たり日矢のさす★★★★
3月4日(4名)
小口泰與)
アイフォンを傾け菫撮る少女★★★★
夕映えの梅の秀枝に群雀★★★
白鳥の帰りし沼の広びろと★★★
廣田洋一
北の空明るく見えて鳥帰る★★★★
小さき池跡を残さず鳥帰る★★★
春灯の点りて臨時休業日★★★
多田有花
島ありて大船小舟春の沖★★★★
春空へ奇岩屹立小赤壁★★★
春空をゆったり旋回パラグライダー★★★
桑本栄太郎
春風やけむり棚引く山の畑★★★
春北風の金具音立て校旗かな★★★★
寒い春の北風が吹く空へ掲げられた校旗。風の寒さに校旗の金具がポールに当たって鳴る音が
卒業期と重なる料峭の感覚をよく伝えている。(高橋正子)
のどけしや天空高くヘリコプター★★★
3月3日(4名)
小口泰與
川風に和蘭芥子哄笑す★★★
啓蟄や湖へボートの並び居り★★★★
どどどどと強き羽音やスワン引く★★★
桑本栄太郎
街の子のコロナ疎開や春寒し★★★
芽柳の見上ぐる天や昼の月★★★
立子忌の夕のおさいは花菜和え★★★★
立子の親しまれている句に、「まゝ事の飯もおさいも土筆かな」があって、それを踏まえた句。今日のおさいは花菜和え。花菜も土筆も春の香りいっぱいのもの。立子の句を追体験するようなしのぶ句となった。(高橋正子)
古田敬二
種芋を買って昼餉はうどんとする★★★
春の水吸い上げている森静か★★★★
春の木をコゲラがたたく森静か★★★
3月2日(4名)
小口泰與
黄水仙の群川風に哄笑す★★★
陽炎や忘する友の数多居り★★★
春繭の生糸を神に捧げける★★★★
廣田洋一
庭先に黄金の光り花山茱★★★
弘道館多彩にしたる山茱萸の花★★★
白き井筒据えて吐き出す春の水★★★★
桑本栄太郎
いつせいに蜂起と見たる桜芽木★★★
犬ふぐり昨日の夜の夢見かな★★★
パンジーのハンギングとや洋館に★★★★
古田敬二
公園の子らにぎやかに春夕べ★★★
今年また離れて一つクロッカス★★★
踏んで行く春の夕日の伸ばす影★★★★
日が永くなり、夕日に映る影も、どこか、のどかに見える。伸びた影を踏んで行く心愉しさが読み取れる。(高橋正子)
3月1日(4名)
小口泰與
風光る禁漁解ける里の朝★★★★
釣りの好きな人には待ちどおしい春の漁解禁。「里の朝」とあるので、その里にも渓流があり、雪代山女なども釣れるのだろう。風光るにあかるい気持ちが見える。(高橋正子)
小流れの瀬尻に釣し諸子魚かな★★★
雪代山女提灯釣の見事さよ★★★
廣田洋一
観梅や着物の似合ふ二人連れ★★★
みつしりと連なり咲きし八重の梅(原句)
切れを入れると句が締まります。
みつしりとつらなり咲けり八重の梅★★★★(正子添削例1)
みつしりと連なり咲けり梅は八重(正子添削2)
松の木の際立たせをる梅の花★★★
多田有花
申告の準備整え春の昼★★★
片付けに明けて暮れたり二月尽く★★★★
延期中止連なる中に三月来★★★
桑本栄太郎
くいくいと青空恋いぬ桜芽木★★★
紅梅の枝垂れ咲きたる売家かな★★★
こぼこぼと小流れ聞こゆ春の丘★★★★
春の丘には、目に萌え出た草の緑、おおいぬのふぐりの青と目を楽しませてくれるものも多いが、耳にも春を感じさせてくれる音がある。ごぼごぼと小さい流れも水が走っている。楽しい春の丘だ。(高橋正子)