自由な投句箱1月21日~31日


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※投句は、一日1回3句に限ります。
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今週の秀句/1月21日~31日


[1月31日]

★鬼やらいやられっぷりの練習す/廣田洋一
鬼やらいの鬼役は、役者とも言えて、やられっぷりが見せ所。練習の甲斐あって、楽しい鬼やらいとなること間違いなし。(高橋正子)

[1月30日]

★ぱっぱっと日ごと春待つ梅開く/多田有花
梅が開くのを「ぱっぱっと」とは、歯切れよく、梅の清潔感につながる。日ごとに梅が白い花を全開にする。春は「日ごと」近づくのだ。(高橋正子)

[1月29日]

★掌のひまわりの種に来る寒禽/多田有花
手のひらに小鳥が来て、驚くような嬉しさ。警戒心を解いた寒禽が可愛いい。もちろん、作者も。(高橋正子)

[1月28日]

★十能の燠を掻き混ぜ堀火燵/桑本栄太郎
懐かしい風景だ。昔はどこの家庭にも「堀火燵」があって、そこが家庭団欒の場であった。(高橋信之)

★カラフルなウィンドブレーカー持久走/上島祥子
「持久走」は70%ぐらいの力で5~30分間走ることであるが、学校現場では全力で走り競争を伴う長距離走と混同されていることが多い。長い距離を走ることは文科省の学習指導要領(小学校)では長距離走ではなく持久走として扱うこととしている。日本の小・中・高等学校ではしばしば持久走大会(もしくはマラソン大会)が行われる。私は、小・中・高を通じて、最も得意な競技は、持久走(マラソン)であった。(高橋信之)

[1月27日]

★群雀枯野を囃し忽と翔つ/小口泰與
蕭条とした枯野が雀の群れに一頻りにぎやかに囃されていた。と、思うと、雀らは忽然と飛び立って、枯野はもとの寂しい枯野に。稲雀とはまた違う雰囲気だ。(高橋正子)

★探梅や日射しに近き丘の上/桑本栄太郎
丘は太陽の日射しに近い。見晴らしもよく、暖かいところとなり、梅の花もまずこんなところから開く。探梅のころの日射しの明るさが嬉しい。
「日射しに近い」の表現に一瞬、戸惑ったが、「日射しに近い頭から帽子を冠り日射病を防ぐ」という例にあたった。(高橋正子)

[1月26日]

★群雀枯野を囃し忽と翔つ/小口泰與
蕭条とした枯野が雀の群れに一頻りにぎやかに囃されていた。と、思うと、雀らは忽然と飛び立って、枯野はもとの寂しい枯野に。稲雀とはまた違う雰囲気だ。(高橋正子)

★探梅や日射しに近き丘の上/桑本栄太郎
丘は太陽の日射しに近い。見晴らしもよく、暖かいところとなり、梅の花もまずこんなところから開く。
探梅のころの日射しの明るさが嬉しい。
「日射しに近い」の表現に一瞬、戸惑ったが、「日射しに近い頭から帽子を冠り日射病を防ぐ」という例にあたった。(高橋正子)

[1月25日]

★寒晴の日射し眩しきバスの窓/桑本栄太郎
特に珍しい風景ではないが、作者の実感が読み手に伝わってくる。私の好きな、いい句だ。(高橋信之)

[1月24日]

  法隆寺から松尾山登山
★振り向けば五重塔の春を待つ/多田有花
松尾山へ登り、振り返って五重塔を見れば、春はそこに来ているという光のある景色だ。五重塔が春を待つのも斑鳩の里の趣だ。(高橋正子)

★外つ国のお客もてなす敷松葉/廣田洋一
外国からのお客をもてなすときは特に、日本の風情を味わってもらいたいと思う心が働く。敷松葉は、苔の保護のため敷かれるが、「枯」の風情にもなっている。楽しんでもらえただろう。(高橋正子)

★寒梅や少年野球の河川敷/桑本栄太郎
「寒梅」に「少年野球」。いい風景だ。「寒」であれば、なお、いい風景だ。季語の「寒」が「季題」となった。(高橋信之)

[1月23日]

★二輪目は夕日へ向かい梅ひらく/川名ますみ
一輪目が開いたうれしさ。そして二輪目の梅の花を見たのは、夕日の中。夕日に花を向けて、夕日にあたたかく染まっている。二輪目の愛おしさ。(高橋正子)

★硝子戸の夜空美はし寒雷忌/桑本栄太郎
寒雷忌は、大須賀乙字の忌日で、1月20日。この日は大寒となった日であったから、厳寒の空気に夜空は美しく澄んでいた。(高橋正子)

[1月22日]

★探梅の里にもういいかいの声響く/上島祥子
探梅に出かけた里。思いかげず、子供の「もういいかいの声」。「もういいかい」に昭和の遊びがまだ残っているなつかしさ。探梅の里の昭和にタイムスリップしたような長閑さ。(高橋正子)

[1月21日]

★大寒の頂に立つ影法師/多田有花
季題を「大寒」とした、いい句だ。季節感がいい。(高橋信之)

1月21日~31日


1月31日(6名)

●多田有花
<千苅ダム放水>
寒の水ごうごうと我が眼前に★★★
<大岩岳登山二句>
春近き北摂の頂に立つ★★★
春隣る頂に茶をたてにけり★★★★

●谷口博望(満天星)
繊月に寄り添う星や冬夕焼★★★★
冬天や消失したる樗の実★★★
凍雲や干潟へ上る番鴨★★★

●小口泰與
有明のおとろう星や鶏つるむ★★★
句会済み外に出づるや日脚伸ぶ★★★★
夕暮のおとろう利根川(とね)や枯尾花★★★

●廣田洋一
鬼やらいやられっぷりの練習す★★★★
鬼やらいの鬼役は、役者とも言えて、やられっぷりが見せ所。練習の甲斐あって、楽しい鬼やらいとなること間違いなし。(高橋正子)

春を待ちきれず咲きたる花の有り★★★
明日もまた入試を受けて春を待つ★★★

●桑本栄太郎
雨雲の追いかけ行くや冬の虹★★★
雲途切れあおぞら覗く春隣り★★★
山すその田面のけぶる野焼かな★★★★

1月30日(6名)

●谷口博望(満天星)
万両の日向に立ちてビデオかな★★★
万両やゆるゆる泳ぐ池の鯉★★★
万両や道案内の尉鶲★★★★

●小口泰與
一筋の入日差しけり小白鳥★★★★
入日差す河やスワンの翔りける★★★
白鳥の羽霧り翔ける落暉かな★★★

●多田有花
新しきピークに座り春を待つ★★★
ぱっぱっと日ごと春待つ梅開く★★★★
梅が開くのを「ぱっぱっと」とは、歯切れよく、梅の清潔感につながる。日ごとに梅が白い花を全開にする。春は「日ごと」近づくのだ。(高橋正子)

春近し川波きらきらと光る★★★

●河野啓一
うす暗き狭庭の奥の水仙花★★★
隣屋の白うつくしき雪の庭★★★★
雪の色白く輝きとなり屋に★★★

●廣田洋一
春隣桜便りの届きけり★★★★
冬日和梅に椿に桜とは★★★
春節の踊り華やか春隣★★★

●桑本栄太郎
寒暁の仄と茜やビルの壁★★★★
部活子の雄叫び上ぐる春隣り★★★
寒晴の峰の白きや鞍馬山★★★

1月29日(5名)

●谷口博望(満天星)
浮島や春を待つなり鷺と亀★★★★
ひつそりと厠のそばの寒文目★★★
囲はれて遊女の二人冬牡丹★★★

●多田有花
大霜のなかをゆっくり車の列★★★
紅梅に寒青空のまぶしさよ★★★
掌のひまわりの種に来る寒禽★★★★
手のひらに小鳥が来て、驚くような嬉しさ。警戒心を解いた寒禽が可愛いい。もちろん、作者も。(高橋正子)

●廣田洋一
二股に割れし大根掘り出しぬ★★★
パック詰め鰤大根の売られけり★★★
日を浴びて紅梅開く植木鉢★★★★

●小口泰與
群の中エヘン顔なる大白鳥★★★
パン屑を競う白鳥入日かな★★★★
遅れたる白鳥一羽こうと啼く★★★

●桑本栄太郎
冬萌の稲株白き田面かな★★★
もくれんの雨に潤う冬芽どち★★★
枝先の赤き滲みや寒の雨★★★★

1月28日(6名)

●多田有花
マルビルの向こうに寒の朝日さす★★★★
真っ暗な空から雪の降ってくる★★★
コートにもベンチにも小さな霰★★★

●小口泰與
震動におづる小犬や雪起し★★★
寒鯉や白極まりし浅間山★★★★
初七日の友の遺影や花八つ手★★★

●廣田洋一
春節の旅人迎へ春間近★★★★
いそいそと旅支度する春近し★★★
用水路水量増えて春近し★★★

●満天星
うろうろとカメラ片手に梅見人★★★
探梅や鶲出てきてポーズとり★★★
白梅の蜜きらきらと蕊の奥★★★★

●桑本栄太郎
橡の芽のぬめり輝く冬芽かな★★★
ぽつこりと父を背中に掘火燵★★★
十能の燠を掻き混ぜ堀火燵★★★★
懐かしい風景だ。昔はどこの家庭にも「堀火燵」があって、そこが家庭団欒の場であった。(高橋信之)

●上島祥子
寒の朝雀の声の澄み渡る★★★
飼い猫の定位置となるファンヒータ★★★
カラフルなウィンドブレーカー持久走★★★★
「持久走」は70%ぐらいの力で5~30分間走ることであるが、学校現場では全力で走り競争を伴う
長距離走と混同されていることが多い。長い距離を走ることは文科省の学習指導要領(小学校)
では長距離走ではなく持久走として扱うこととしている。日本の小・中・高等学校ではしばしば
持久走大会(もしくはマラソン大会)が行われる。私は、小・中・高を通じて、最も得意な競技
は、持久走(マラソン)であった。(高橋信之)

1月27日(6名)

●多田有花
鴨浮かぶ斑鳩の里の池の朝★★★★
敬礼し車掌交代寒の朝★★★
六甲の山を煙らせ朝時雨★★★

●小口泰與
群雀枯野を囃し忽と翔つ★★★★
蕭条とした枯野が雀の群れに一頻りにぎやかに囃されていた。と、思うと、雀らは忽然と飛び立って、枯野はもとの寂しい枯野に。稲雀とはまた違う雰囲気だ。(高橋正子)

蒼天の銀杏並木や冬の禽★★★
心友の遺景の瞳冬菫★★★

●満天星
蠟梅や今年も主見ぬままに★★★★
曲り角蠟梅ほのと香りけり★★★
蠟梅や匂ひを放つ金の鈴★★★

●桑本栄太郎
探梅や日射しに近き丘の上★★★★
丘は太陽の日射しに近い。見晴らしもよく、暖かいところとなり、梅の花もまずこんなところから開く。
探梅のころの日射しの明るさが嬉しい。
「日射しに近い」の表現に一瞬、戸惑ったが、「日射しに近い頭から帽子を冠り日射病を防ぐ」という例にあたった。(高橋正子)

寒禽の小枝に潜む日射しかな★★★
白きもの峡にありけり寒の晴★★★

●廣田洋一
初句会折句を詠めど気付かれず★★★
初句会病持つ人多かりき★★★★
二次会はカラオケとなる初句会★★★

上島祥子
雪嶺の厳しさ吸い込む県境★★★
剥き出しの枝の先には冬の空★★★★
悴んだ手に靴紐のもどかしさ★★★

1月26日(5名)

●谷口博望(満天星)
雪景色行商の母まなうらに★★★★
いい句だ。風景がいいのだ。生活感がいいのだ。(高橋信之)

風花や観音様は母の顔★★★
風花や青桐の莢ざわめける★★★

●多田有花
山路ゆくあまたしずりを受けながら★★★★
駐車場に溶け残りたる雪だるま★★★
寒中の残雪踏んで山の道★★★

●小口泰與
長く伸ぶ飛行機雲の四温かな★★★
白鳥の毛衣に嘴をつつみける★★★
葉牡丹や富士山(ふじ)を見つけし園児達★★★★
季題の「葉牡丹」がいい。いい発見だ。大きな風景を引き締めている。(高橋信之)

●廣田洋一
週末は鋤焼き鍋の独り酒★★★
煮凝りや独り暮らしの残り物★★★★
鍋焼きの湯気に落ち着く昼の席★★★

●桑本栄太郎
冬ざれの農場跡の盛土かな★★★
冬の野や盛土を急ぐブルドーザー★★★
延々とコンテナ貨車や大枯野★★★★
私の好きな句だ。下五の季題「大枯野」がいい。その実感が読み手に伝わってくる。(高橋信之)

1月25日(5名)

●多田有花
<松尾山登山三句>
松尾寺厄除け願い寒詣★★★
春日山若草山も寒しぐれ★★★★
生駒山しぐれの雲に隠れたり★★★

●小口泰與
ほぐるるや紅をふふめる冬桜★★★
登校の始業のベルや霜柱★★★★
寒鯉の当りかすかや禽の声★★★

●廣田洋一
早梅や一輪咲きて勇みおり★★★
寒梅や二輪並びて人迎え★★★
寒梅を見に行く先に産土神★★★★

●谷口博望(満天星)
橋の名は雲霓(うんげい)橋や風花す★★★
イブ像へ風花一つ溶けにけり★★★★
麗しき観音様へ風花す★★★

●桑本栄太郎
寒晴の日射し眩しきバスの窓★★★★
特に珍しい風景ではないが、作者の実感が読み手に伝わってくる。私の好きな、いい句だ。(高橋信之)

送電線少し垂れいて山眠る★★★
冬ざるる農場跡の盛土かな★★★

1月24日(5名)

●多田有花
<法隆寺から松尾山登山三句>
法隆寺伽藍を抜けて寒の山★★★
振り向けば五重塔の春を待つ★★★★
軒先にしぐれを避けし松尾寺★★★

●小口泰與
瞬刻の東の空や冬の暁★★★
白雲の千切れし里の枯木立★★★★
大器開けて待ちけり大白鳥★★★

●谷口博望 (満天星)
探梅のリュックサックに電子辞書★★★★
冬桜ボルゾイ犬の細面★★★
残生のはらから遠き雪景色★★★

●廣田洋一
外つ国のお客もてなす敷松葉★★★★
寒肥や庭の枯葉を鋤き込めり★★★
白き粒溝に撒きける寒肥かな★★★

●桑本栄太郎
厳寒の早やも剪らるる幹の枝★★★
寒梅や少年野球の河川敷★★★★
「寒梅」に「少年野球」。いい風景だ。「寒」であれば、なお、いい風景だ。季語の「寒」が「季題」となった。(高橋信之)

兵隊の麦踏み征ける葦平忌★★★

1月23日(7名)

●多田有花
淡路島今日は近くに寒の晴れ★★★★
春を待つ川は蛇行して海へ★★★
寒の陽を背に浴び洗濯物を干す★★★

●小口泰與
一瞬の暁の攻防冬日かな★★★
寒暁の空や桃色桃源郷★★★★
ことさらに細きジーパン日脚伸ぶ★★★

●満天星
着ぶくれて上目づかいにイブの像★★★
冬空へ厳然として大銀杏★★★★
探梅や緋毛氈敷く野の茶店★★★

●廣田洋一
襷受け追いかく走者息白し★★★
寒稽古気合い鋭く三段突き★★★★
寒稽古終われば甘き汁粉かな★★★

●川名ますみ
二輪目は夕日へ向かい梅ひらく★★★★
一輪目が開いたうれしさ。そして二輪目の梅の花を見たのは、夕日の中。夕日に花を向けて、夕日にあたたかく染まっている。二輪目の愛おしさ。(高橋正子)

三つ目も四つ目も梅の開花云う★★★
梅ひらき残る莟の多さかな★★★

●桑本栄太郎
硝子戸の夜空美はし寒雷忌★★★★
寒雷忌は、大須賀乙字の忌日で、1月20日。この日は大寒となった日であったから、厳寒の空気に夜空は美しく澄んでいた。(高橋正子)

大阪府三島郡とや冬の原★★★
寒の雨天駆け走る天王山★★★

●上島祥子
花弁の鉢より溢れるビオラかな(原句)
花弁(はなびら)の鉢を溢れるビオラかな★★★★(正子添削)

倒れても色をとどめて水仙は★★★
桜草一段高きに鉢を置き★★★

1月22日(4名)

●上島祥子
冬雲のやがて無くなり掃き掃除★★★
雪嶺の静もり天と地の間★★★
探梅の里にもういいかいの声響く★★★★
探梅に出かけた里。思いかげず、子供の「もういいかいの声」。「もういいかい」に昭和の遊びがまだ残っているなつかしさ。探梅の里の昭和にタイムスリップしたような長閑さ。(高橋正子)

●小口泰與
昇り来る無辜の光や雪浅間★★★
冬菊の同じ方へと傾きぬ★★★
朝晩の赤城は美し囲炉裏端(原句)
朝晩の赤城美し囲炉裏端★★★★(正子添削)

●谷口博望 (満天星)
大寒の安芸路を駆ける襷がけ★★★
広島を走るアンカー風花す★★★★
手袋を外しボルゾイ犬を撫でにけり★★★

●桑本栄太郎
水禽の浅瀬に集う番かな★★★
四条よりはるか鞍馬や雪化粧★★★
木蓮の冬芽ときめく日差しかな★★★★

1月21日(2名)

●多田有花
大寒の頂に立つ影法師★★★★
季題を「大寒」とした、いい句だ。季節感がいい。(高橋信之)

大寒の梅に日差しのやわらかし★★★
大寒にはや啄木鳥のドラミング★★★

●小口泰與
笹鳴や里の社へ朝日差す★★★★
「朝日の笹鳴」だ。「笹鳴」は冬の季語だが、「笹子鳴く」ともいい、春を想う、いい季語だ。(高橋信之)

発条のブリキ玩具や寒卵★★★
毛糸編む妻は時おば違えおり★★★

自由な投句箱1月11日~20日/2017年


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今週の秀句/1月11日~20日


[1月20日]

★履き初めしスケート靴の尖りかな/上島祥子
(スケートは趣味で習っています。)
私の生まれは大阪だが、物心がついた頃は、旧満州の大連に家族と居た。住まいの近くに、当時東洋一と言われた陸上競技場があって、そこが私の遊び場であった。冬には、小学入学以前からスケートを履いて遊んでいた。スケートには、幼少のころの懐かしい思い出がある。アイスホッケーでは、学校代表の選手となって、市内小学校22校の頂点に立ったこともある。当時のメンバーで、アイスホッケーの日本代表選手になった者もいる。(高橋信之)

[1月19日]

★探梅や五戸より増えぬ峡の里/小口泰與
探梅に出かけたのは、毎年訪ねる峡の里なのだろう。五戸以上には増えない。ずっと昔のそのままが残されている。そんな小さな里にも梅がちらほら咲き始めるころがきた。(高橋正子)

[1月18日](3名)

★凍て防ぐために蛇口を少し開け/多田有花
いい生活俳句だ。何気ないところを詠んで、佳句となった。(高橋信之)

★重厚な雲は頭上に冬すみれ/小口泰與
「冬すみれ」は印象深い花だ。「冬」であれば、なお印象深い花だ。(高橋信之)

★一頻り凍雪踏みて登校生/桑本栄太郎
生まれは大阪だが、父の勤めが変わって、旧満州の大連に移り住んだ。冬は寒かった。「凍雪踏みて登校」には、懐かしい思い出がある。(高橋信之)

[1月17日](2名)

★雪時雨いま沖合いに陸を出て/多田有花
陸に降っていた雪時雨が、陸から去って沖合に出て行った。ここに降った雪時雨が今沖合にという、雪時雨の動きに、変化の面白さ、自然の姿を見せられる思い。(高橋正子)

★寒風に向かいて真白烏骨鶏/上島祥子
寒風に立ち向かう烏骨鶏の様子に迫力がある。寒風にあたり、白い羽毛はますます白く凄みさえ帯びてくる。(高橋正子)

[1月16日](2名)

★新刊書手に初雪の中へ出る/多田有花
新刊書を手にした心の弾み、初雪のうれしさが重なって、初雪が匂うように思える。(高橋正子)

★風花の自由に舞い飛ぶ青い空/上島祥子
風花が自由に舞う青い空。風花の雪片のはかなさが、冷たい青空を背景に美しい景色となっている。(高橋正子)

[1月15日](4名)

★枯蓮や平和の鐘の響きおり/谷口博望(満天星)
「平和の鐘」の「平和が」ことさらに「平和」を強めていないのがいい。枯の景色に自然に溶け合っている。(高橋正子)

★風さらに寒晴の空を磨きおり/多田有花
寒晴れの珠のような青色をさらに風が磨く。寒さの厳しさも快し思える。(高橋正子)

★蝋梅や一輪咲きて陽を透かす/廣田洋一
「一輪」が効いている。蝋梅の透明感が貴重だ。(高橋正子)

★初雪や幾度と窓に駆け寄れり/上島祥子
初雪のうれしさは、幼子でなくても。どんな具合が、幾度も窓によって見てみる。寒波に見舞われたここ二日であった。(高橋正子)

[1月14日](3名)

★一月の沖に希望の光あり/多田有花
作者の率直な言葉がいい。「希望」そして「光」といった言葉がいい。「一月」に相応しい言葉なのだ。(高橋信之)

★垣へだて風の中なる福寿草/小口泰與
「垣へだて」いても、「福寿草」であれば嬉しい。新年に相応しい「福」であり、「寿」である。(高橋信之)

★寒の窓開いてジャズの音もれ来たり/桑本栄太郎
日常の室内での写生句だが、いい句だ。季題の「寒」が効いたのだ。「ジャズ」が効いたのだ。(高橋信之)

[1月13日](2名)

★いつもより少し奥まで初掃除/川名ますみ
静かに過ごした正月も終わり、日脚が伸びた感じの室内。今年初めての掃除は、いつもより奥まで、奥の塵まできれいにしたい気持ち。心のすみまで清々しい。(高橋正子)

★寒晴や木々の枝先色付ける/桑本栄太郎
はるかまで冴え冴えと澄み渡る厳寒中の晴天。木々の枝先は、寒さに却って色付き、萌えだす気配が感じられる。
(高橋正子)

[1月12日](2名)

★くっきりと長き裾野や冬赤城/小口泰與
赤城山の裾野は、富士山に次いで長いと言われている。冬の赤城山がくっきりと裾野を引いて、その姿を明らかにしている。誇らしき雄姿である。(高橋正子)

★餅花や美容院の鏡に揺れ/佃 康水
美容院の鏡に餅花が映っているのだろう。髪をきれいにしてもらっている間、目には華やいだ餅花が揺れている。新年の華やぎが実生活のなかにもある。(高橋正子)

[1月11日](2名)

★小豆煮る匂い立ち込む鏡開/廣田洋一
「小豆」と「餅」は、日本人の昔からの食べ物で、私の好きなものだ。健康にいいとも思っている。(高橋信之)

★車窓より土手に早くも寒紅梅/桑本栄太郎
嬉しい風景だ。下五の「寒紅梅」がいい。句のおさまりがいいのだ。(高橋信之)

1月11日~20日


1月20日(5名)

●谷口博望(満天星)
冬曙鵤(いかる)の声に誘はれて★★★★
淑やかに寒菊永く庭の隅★★★
故郷の人里遠く雪景色★★★

●小口泰與
壁際へ集う雀の日向ぼこ★★★
群雀名の木の枯木囃しおり★★★
山風のからむ枯木や夕まずめ★★★★

●多田有花
大寒の地表を覆う薄き雪★★★
頬染めて少女真冬のテニスコート★★★
冬深しライト揺らして夜のランナー★★★★

●廣田洋一
大寒や紫陽花の花乾涸びし★★★
大寒のプールに励むウヲーキング★★★
大寒の最中に集ふ俳句大会★★★★

●上島祥子
髪切って頭は軽し初滑り★★★
膝充てを今年は止めし初滑り★★★
履き初めしスケート靴の尖りかな★★★★
(スケートは趣味で習っています。)
私の生まれは大阪だが、物心がついた頃は、旧満州の大連に家族と居た。住まいの近くに、当時東洋一と言われた陸上競技場があって、そこが私の遊び場であった。冬には、小学入学以前からスケートを履いて遊んでいた。スケートには、幼少のころの懐かしい思い出がある。アイスホッケーでは、学校代表の選手となって、市内小学校22校の頂点に立ったこともある。当時のメンバーで、アイスホッケーの日本代表選手になった者もいる。(高橋信之)

●桑本栄太郎
大寒の宙にきらめく機影かな★★★★
屋根の雪しづり走るや路線バス★★★
久女忌のものみな狂う憂き世とも★★★

1月19日(5名)

●谷口博望(満天星)
ポエムこそ人間のもの月冴ゆる★★★
紅椿踏めとばかりに雪ン中★★★★
イブの像見上げながらに白き息★★★

●多田有花
珍しや三日続きの雪となる★★★
晴れし朝遠く雪嶺を望みけり★★★★
松過ぎや日ごと日差しの明るさに★★★

●小口泰與
探梅や五戸より増えぬ峡の里★★★★
探梅に出かけたのは、毎年訪ねる峡の里なのだろう。五戸以上には増えない。ずっと昔のそのままが残されている。そんな小さな里にも梅がちらほら咲き始めるころがきた。(高橋正子)

寒梅や我が影はやも過ぎにける★★★
里は風赤城榛名は吹雪けり★★★

●廣田洋一
冬の川底を染めたる木の葉かな★★★
冬の川泳ぐ魚の丸見えに★★★★
川幅を拡げられたる冬の川★★★

●桑本栄太郎
四阿の屋根の現る雪解かな★★★
暁闇のエンジン噴かす眼下かな★★★★
山陰の育ちなればや寒やいと★★★

1月18日(5名)

●満天星
白き息観音様の前に立つ★★★★
人ごみの石垣行けば笹鳴けり★★★
読み初めに伊勢物語恋の歌★★★

●多田有花
凍て防ぐために蛇口を少し開け★★★★
いい生活俳句だ。何気ないところを詠んで、佳句となった。(高橋信之)

冠雪の稜線の上朝の月★★★
雪晴の真青な空を仰ぎけり★★★

●小口泰與
反り返るダムの地肌や枯木立★★★
重厚な雲は頭上に冬すみれ★★★★(信之添削)
「冬すみれ」は印象深い花だ。「冬」であれば、なお印象深い花だ。(高橋信之)

山頂へ朝日差しけり寒椿★★★

●廣田洋一
日を浴びて鳥の群飛ぶ寒の朝★★★★
寒桜枝を拡げて小鳥呼ぶ★★★
寒桜満開なれど華やがず★★★

●桑本栄太郎
一頻り凍雪踏みて登校生★★★★
生まれは大阪だが、父の勤めが変わって、旧満州の大連に移り住んだ。冬は寒かった。「凍雪踏みて登校」には、懐かしい思い出がある。(高橋信之)

凍晴れのエンジン噴かす未明かな★★★
転がさる未完だるまや雪まろげ★★★

1月17日(6名)

●小口泰與
後ろより風の吹きくる冬田かな★★★
屈折の冬夕焼の浅間かな★★★★
七色に変る放水四温かな★★★

●多田有花
陸を出て雪時雨いま沖合いに(原句)
雪時雨いま沖合いに陸を出て★★★★(正子添削)
陸に降っていた雪時雨が、陸から去って沖合に出て行った。ここに降った雪時雨が今沖合にという、雪時雨の動きに、変化の面白さ、自然の姿を見せられる思い。(高橋正子)

陽の中へ雪きらきらと光り降る★★★
雪雲は山の姿を隠しおり★★★

●谷口博望 (満天星)
まさおなる空へ九輪の雪化粧★★★
雪やんで鶲の歩く石畳★★★★
屋根の雪ピンポンカンと水の音★★★

●廣田洋一
雪祭此処にも有りと小岩井農場★★★
雪祭氷の像も有りますよ★★★
かまくらや雪祭のしんがりなりと★★★★

●桑本栄太郎
暁闇のあの日あの時阪神忌★★★
吹雪とて止まぬ日はなし主に祈る★★★
ひと頻り凍雪踏みて登校生★★★★

●上島祥子
寒風に向かいて真白烏骨鶏★★★★
寒風に立ち向かう烏骨鶏の様子に迫力がある。寒風にあたり、白い羽毛はますます白く凄みさえ帯びてくる。(高橋正子)

溶け残る瓦の雪は陽を返す★★★
寒晴れや鳥居の奥の白き嶺★★★

1月16日(7名)

●満天星
初雪や長靴出して山を行く★★★
赤い橇三人乗つて女の子★★★★
手の長き案山子のやうな雪だるま★★★

●多田有花
どんど焼知らせる朝の町内放送★★★
新刊書手に初雪の中へ出る★★★★
新刊書を手にした心の弾み、初雪のうれしさが重なって、初雪が匂うように思える。(高橋正子)

降りしきる雪の底から電車の音★★★

●小口泰與
山風の夕轟きや達磨市★★★★
次次に子豚生まれし枇杷の花★★★
夢もてリ風の中なる冬木の芽★★★

●佃 康水
親鸞忌鍋一杯に煮ごめ炊く★★★
*煮ごめ=広島県の郷土料理

降りしきる雪掻く僧を白く染め★★★★
積雪の深さ云い合う昼下がり★★★

●廣田洋一
霜焼や幼き日々の痛痒し★★★
霜焼に息をかけつつ書を読めり★★★★
耳たぶに霜焼起こす風強し★★★

●桑本栄太郎
足跡をたどり歩むや雪の朝★★★★
一頻り凍雪踏むや登校生★★★
きらきらと山河煌めく深雪晴れ★★★

●上島祥子
風花の自由に舞い飛ぶ青い空★★★★
風花が自由に舞う青い空。風花の雪片のはかなさが、冷たい青空を背景に美しい景色となっている。(高橋正子)

雪だるま二日ばかりの命かな★★★
解け残る雪を避けつつ病院へ★★★

1月15日(6名)

●谷口博望 (満天星)
雲早き仏兵墓地に風花かな★★★
雪虫や展望台に風荒ぶ★★★
枯蓮や平和の鐘の響きおり★★★★

●多田有花
風さらに寒晴の空を磨きおり★★★★
寒風にじっと佇み測量士★★★
寒風の激しかれども梅開く★★★

●小口泰與
電飾の水面へ映ゆる四温かな★★★★
電飾や折からの雪きらめきぬ★★★
電飾へあがる歓声冬帽子★★★

●廣田洋一
蝋梅や一輪咲きて陽を透かす★★★★
寒空に早くも咲きし白き梅★★★
神籤ごと枝切り落とす小正月★★★

●桑本栄太郎
寒林のもろ手短きバス通り★★★
さざ波の青空ゆらぐ寒の池★★★
雪晴や日差しきらめく野に山に★★★★

●上島祥子
幼子の手を引いて行くどんど焼き★★★
初雪や幾度と窓に駆け寄れり★★★★
拭きあげた窓に大きく冬西日★★★

1月14日(6名)

●谷口博望(満天星)
雪道へ消えたる母の眉のうえ★★★
川岸の栴檀の実や冬の月★★★★
神棚を下りて三体鏡餅★★★

●多田有花
光る枝寒青空をさして立つ★★★
一月の沖に希望の光あり★★★★
作者の率直な言葉がいい。「希望」そして「光」といった言葉がいい。「一月」に相応しい言葉なのだ。(高橋信之)
寒晴や風に鋭さ兆しおり★★★

●廣田洋一
雪の降る砂丘見に行く友の有り★★★★
天気予報懐炉貼る場所勧めけり★★★
探梅の積りが既に咲きてをり★★★

●小口泰與
左義長や朝日に染まる雪浅間★★★
垣へだて風の中なる福寿草★★★★
「垣へだて」いても、「福寿草」であれば嬉しい。新年に相応しい「福」であり、「寿」である。(高橋信之)

霜畳畷へ鍬を置き忘れ★★★

●桑本栄太郎
寒林の青空慕う背伸びかな★★★
寒波来る何かを耐える閑居かな★★★
寒の窓開いてジャズの音もれ来たり★★★★
日常の室内での写生句だが、いい句だ。季題の「寒」が効いたのだ。「ジャズ」が効いたのだ。(高橋信之)

1月13日(6名)

●川名ますみ
挨拶のはや想い出に去年今年★★★
初笑つまらぬ話にまぎれおり★★★

いつもより少し奥まで初掃除★★★★
静かに過ごした正月も終わり、日脚が伸びた感じの室内。今年初めての掃除は、いつもより奥まで、奥の塵まできれいにしたい気持ち。心のすみまで清々しい。(高橋正子)

●谷口博望 (満天星)
磯鴫の波打つ岩を寒日和(原句)
磯鴫は波打つ岩を寒日和★★★★(正子添削)

シナプスの天空走る枯榎★★★
寒日和目白出てきて松かさへ★★★

●多田有花
照り返す光明るし寒椿★★★★
結ばれし枝のお御籤松の内★★★
静かなる寒の境内を歩く★★★

●小口泰與
冬の朝白鷺川辺動かざる(原句)
冬の朝白鷺川辺に動かざる★★★(正子添削)

朝日差す霜の若菜を摘みにける★★★★
おしなべて風の中なる冬芽かな★★★

●廣田洋一
池の揺らぎ映す天井冬晴日★★★★
冬帽子迎賓館の庭を行く★★★
文字通り三寒四温の天気予報★★★

●桑本栄太郎
寒晴や木々の枝先色付ける★★★★
はるかまで冴え冴えと澄み渡る厳寒中の晴天。木々の枝先は、寒さに却って色付き、萌えだす気配が感じられる。
(高橋正子)

寒林の青空慕う背伸びかな★★★
稜線の天の青空冬の嶺★★★

1月12日(6名)

●多田有花
寒の猪たどりし後をたどりけり★★★
白梅もまた咲き始む寒中に★★★★
頂に寒の日差しのあふれおり★★★

●小口泰與
すっぽりと歩行困難凍土かな★★★
くっきりと長き裾野や冬赤城★★★★
赤城山の裾野は、富士山に次いで長いと言われている。冬の赤城山がくっきりと裾野を引いて、その姿を明らかにしている。誇らしき雄姿である。(高橋正子)

己の影の田居を越ゆるや雪浅間★★★

●谷口博望 (満天星)
裸木に鶲止まれば花びらに★★★
探鳥の植物園に紅冬至★★★
寒日和島動く如巨大船★★★★

●佃 康水
鉢植えの三粒みな摘み柚子湯かな★★★
梅冬芽解れ一片陽を透かす★★★

餅花や鏡に揺るる美容院(原句)
餅花や美容院の鏡に揺れ★★★★(添削①)
美容院の鏡に餅花が映っているのだろう。髪をきれいにしてもらっている間、目には華やいだ餅花が揺れている。新年の華やぎが実生活のなかにもある。(高橋正子)

餅花の鏡に揺るる美容院(添削②)

●廣田洋一
月登り明星光る寒の暮★★★★
迎賓館白く光れる四温晴★★★
錦鯉ゆるりと動く冬晴日★★★

●桑本栄太郎
残り福過ぎて浪花の商人(あきんど)に★★★★
真白なる穂絮畦占め枯尾花★★★
稜線のけぶり連なる寒の雨★★★

1月11日(5名)

●廣田洋一
パック詰め裂きて終わりぬ鏡割り★★★
水中で黴を落とせり鏡開★★★
小豆煮る匂い立ち込む鏡開★★★★
「小豆」と「餅」は、日本人の昔からの食べ物で、私の好きなものだ。健康にいいとも思っている。(高橋信之)

●小口泰與
虎落笛全身耳の化身なり★★★
寒木瓜や雨戸を鳴らす山の風★★★
戸を開けに出づや真丸冬の月★★★★

●多田有花
あいさつを交わす初打ちのテニスコート★★★
暖冬の素足に触れる畳かな★★★★
すき焼きを囲む明日東京へ発つ人と★★★

●桑本栄太郎
冬萌の田面一面溢れ占む★★★
叡山の黒雲覆う寒の雨★★★
車窓より土手に早くも寒紅梅★★★★
嬉しい風景だ。下五の「寒紅梅」がいい。句のおさまりがいいのだ。(高橋信之)

●谷口博望 (満天星)
冬空を編隊組んで川鵜行く★★★
餌もらう鴨を見ている鴉かな★★★
寒落暉飛行機雲の茜色★★★★

●自由な投句箱/1月1日~10日/2017年●


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今週の秀句/1月1日~10日


[1月10日]

★寒禽の寄りて啄ばむ木の実かな/多田有花
山に木の実が少なるなる季節。身近にやってきた寒禽は、寄り集まって木の実を啄む。寒禽たちは生きる元気に満ちている。「寄りて啄む」が見どころ。(高橋正子)

[1月9日]

★冬草や水の落ち合う本支流/小口泰與
本流へ支流が流れ込むところの「冬草」の存在感がいい。その季節感がいい。「俳句」が作者の生活にうまく取り込まれているのだ。(高橋信之)

[1月8日]

★飾納いつもの家に戻りけり/廣田洋一
結局、「いつもの家」が落ち着く。華やいで迎えた新年も、寒中となり、寒さを享受することに。「いつも」や「普段」のありがたさ。(高橋正子)

★背に日差し庫裏でいただく煮大根/多田有花
よく見かける冬の生活風景だが、季節感のある、いい句だ。下五の「煮大根」がいいのだ。(高橋信之)

[1月7日]

★少年の自我の目覚めや水仙花/谷口博望(満天星)
下五に置いた「水仙花」が季語であり、一句の季題となった。いい句だ。作者の日頃の精進の結果である。私の推薦句であり、私の好きな句である。(高橋信之)

[1月6日]

★ほつほつと蠟梅開く日本晴/谷口博望(満天星)
日本晴れの真っ青な空に蝋梅の黄色が澄んで、明るい年となったのがうれしい。晴れやかな心持にさせてくる句だ。(高橋正子)

1月5日(2名)

★初春の霞が隠す城下町/多田有花
城下の霞。いい風景だ。私が育った城下町伊予大洲の霞と霧を懐かしく思い出す。(高橋信之)

★酉年の鈴の音清き破魔矢かな/谷口博望(満天星)
破魔矢の鈴音に「酉年」の実感があるのだ。その実感が俳句と成る。(高橋信之)

1月4日(2名)

★みな揃うことこそ良けれ初写真/多田有花
みな揃うことは、誰もが「良けれ」と思うのだが、それでも「良けれ」という。読めば、それでも、「良けれ」と思う。いい句だ。(高橋信之)

★仕事始新入社員加わりぬ/廣田洋一
「仕事始」に加わった「新入社員」の新鮮な姿には、誰もが快い思いを抱く。新年のうれしい風景だ。(高橋信之)

1月3日(1名)

★髭剃りの一仕事有り初鏡/廣田洋一
身近な生活感が下五の季題「初鏡」とうまく合って、いい句となった。作者の姿がありありと浮かんで、個性がある佳句だ。(高橋信之)

1月2日(3名)

★青空に雲もなかりき今朝の春/小口泰與
よく見掛ける風景だが、下五の「今朝の春」がいい。季節感がいいのだ。(高橋信之)

★元旦の青空背負う竜馬像/多田有花
高知桂浜の、昔尋ねたことがある風景。和服姿に懐手,ブーツ姿の龍馬は,はるか太平洋の彼方を見つめていた。(高橋信之)

★亡き妻の誕生日とて初墓参/廣田洋一
「初墓参」の「初」が効いた。いい句だ。「亡き妻」であるが、湿ったところを感じさせない。。(高橋信之)

1月1日(1名)

★初明り妻のエプロン真新し/小口泰與
初明かりに輝いて、真新しいエプロンに妻の新年が始まる。今年もまた、かいがいしく働いてくれる妻への感謝に、エプロンが眩しい。(高橋正子)

1月1日~10日


1月10日(5名)

●小口泰與
ラクビーの球の行方や利根河原★★★★
冬落暉昌昌として山に落つ★★★
夕暮の書肆に駆け込む時雨かな★★★

●多田有花
正月の小雨の中を宅配夫★★★
寒禽の寄りて啄ばむ木の実かな★★★★
山に木の実が少なるなる季節。身近にやってきた寒禽は、寄り集まって木の実を啄む。寒禽たちは生きる元気に満ちている。「寄りて啄む」が見どころ。(高橋正子)

鳥避けの袋をかぶり実南天★★★

●廣田洋一
成人の日昼間のプール独り占め★★★
成人式茶色のショール目立ちたる★★★
成人の日晴着溢れる改札口★★★★

●桑本栄太郎
鬼の手のような並木や寒の闇★★★
ワイパーの頻りに擦る寒の雨★★★★
宝恵籠(ほいかご)や新町芸者の粋どころ★★★

●谷口博望(満天星)
枯紅葉花鶏(あとり)しばらく遠眼鏡★★★★
花鶏(あとり)群る花の咲きたる枯紅葉★★★
一斉に飛翔の花鶏(あとり)枯紅葉★★★

1月9日(4名)

●多田有花
蝋梅の匂いし枝を松に添え★★★
わが頭上枝差し渡し寒の梅★★★★
寒ぬくし毛布一枚除き寝る★★★

●廣田洋一
展覧の初場所淡々と進めり★★★
初場所や白鵬強さ新たにす★★★
初場所や初三役を応援す★★★★

●小口泰與
冬草や水の落ち合う本支流★★★★
本流へ支流が流れ込むところの「冬草」の存在感がいい。その季節感がいい。「俳句」が作者の生活にうまく取り込まれているのだ。(高橋信之)

寒暁の噴煙南へ流れけり★★★
早梅や日の落つ山の雲一朶★★★

●桑本栄太郎
寒風や幟はためくコンビニ店★★★
もどかしく裾押さえ居り成人日★★★
寒雷や灘の闇なる伯耆国★★★★

1月8日(5名)

●満天星
原爆の古傷露は枯梧桐★★★★
原爆に耐えて幾年枯梧桐★★★
枯梧桐被爆に耐えて子とともに★★★

●多田有花
紅梅の咲くよき日和松の内★★★
背に日差し庫裏でいただく煮大根★★★★
よく見かける冬の生活風景だが、季節感のある、いい句だ。下五の「煮大根」がいいのだ。(高橋信之)

初買の腹筋ローラー転がしぬ★★★

●小口泰與
薺粥昨日のままの夫婦仲★★★★
帰り来て乾布摩擦や薺粥★★★
料亭の食事を食むや万年青の実★★★

●廣田洋一
特賞をあげて終わりぬ初句会★★★
飾納いつもの家に戻りけり★★★★
結局、「いつもの家」が落ち着く。華やいで迎えた新年も、寒中となり、寒さを享受することに。「いつも」や「普段」のありがたさ。(高橋正子)

晴天の続きし日々や鳥総松★★★

●桑本栄太郎
鴨川の桜冬芽や堰の水★★★★
南座の大屋根光る寒の空★★★
着ぶくれの重き飛翔やすずめどち★★★

1月7日(5名)

●小口泰與
蝋梅や榛名吹雪て里は風★★★★
夕映えの山や焚火のおごるなり★★★
夢に見し胸の奥処や帰り花★★★

●多田有花
小豆一升鏡開きの善哉に★★★
門松の上を走りし鳥の影★★★★
寒の梅ぽつりぽつりと咲き初めし★★★

●満天星
水仙や昼月ほのと日本晴★★★
水仙花モンローウォーク懐しく★★★
少年の自我の目覚めや水仙花★★★★
下五に置いた「水仙花」が季語であり、一句の季題となった。いい句だ。作者の日頃の精進の結果である。私の推薦句であり、私の好きな句である。(高橋信之)

●廣田洋一
七草や一つづつ洗ひ刻みたり★★★★
朝まだき七草粥に火を点ける★★★
七草や朝帰りの子に提供す★★★

●桑本栄太郎
チチカカと尾灯点滅寒に入る★★★
手に取ればまだぬくもりや寒卵★★★
七草のひとつ大根葉の粥に★★★★

1月6日(5名)

●小口泰與
空風や猫の欠伸の猫ちぐら★★★
木枯や梢(うれ)をついばむ雀五羽★★★
二羽翔ちて三羽翔けくる枯木かな★★★★

●廣田洋一
黄色き花をつけたり冬の草★★★
休耕の畑に萌ゆる冬の草★★★★
川べりに点々と萌ゆ冬の草★★★

●多田有花
干支の絵馬買い求めたる初詣★★★
靴紐を結ぶ小寒の朝★★★
頂に今日は風あり寒の入★★★★

●桑本栄太郎
裏白の乾び来たりし馬日かな★★★★
ドッヂボールの子等中庭や寒風に★★★
冬日さす緋色垂るるやピラカンサ★★★

●谷口博望(満天星)
ほつほつと蠟梅開く日本晴★★★★
日本晴れの真っ青な空に蝋梅の黄色が澄んで、明るい年となったのがうれしい。晴れやかな心持にさせてくる句だ。(高橋正子)

寒の入日本晴れなる昼の月★★★
緋鳥鴨ピューイと鳴いて五羽が行く★★★

1月5日(4名)

●多田有花
金星と月の寄り添う二日かな★★★
初詣客の行き交う山路かな★★★
初春の霞が隠す城下町★★★★
城下の霞。いい風景だ。私が育った城下町伊予大洲の霞と霧を懐かしく思い出す。(高橋信之)

●小口泰與
すざまじき音や霰のとたん屋根★★★
湯豆腐や山懐の風の音★★★
三山の山容異なる氷柱かな★★★★

●満天星
直筆の添書嬉し年賀状★★★ 
狛犬の頭を撫でて初詣★★★
酉年の鈴の音清き破魔矢かな★★★★
破魔矢の鈴音に「酉年」の実感があるのだ。その実感が俳句と成る。(高橋信之)

●桑本栄太郎
枯芝を歩む足裏やふうはりと★★★
こつ然と鳰かづきたる静寂かな★★★
うす暗き藪の風聞き笹子鳴く★★★★

1月4日(4名)

●多田有花
みな揃うことこそ良けれ初写真★★★★
みな揃うことは、誰もが「良けれ」と思うのだが、それでも「良けれ」という。読めば、それでも、「良けれ」と思う。いい句だ。(高橋信之)

新年の瀬戸大橋の灯を見上ぐ★★★
頂にたたずみ初東風を受ける★★★

●小口泰與
四日はや次次客の列をなし★★★
白足袋や呉須手の椀を眼間に★★★
朝日差す浅間の白や花八つ手★★★★

●廣田洋一
仕事始新入社員加わりぬ★★★★
「仕事始」に加わった「新入社員」の新鮮な姿には、誰もが快い思いを抱く。新年のうれしい風景だ。(高橋信之)

捨畑を青く覆へり冬の草★★★
日溜りの光散らせる冬の草★★★

●桑本栄太郎
四日早や句材を求め外に出る★★★
山茶花の一枝折りゆく媼かな★★★
濃き紅の枝先空へ淑気満つ★★★★

1月3日(4名)

●多田有花
元朝や誰の胸にも志★★★
路面電車新春の街をゆく★★★
初晴の水平線を望みけり★★★★

●小口泰與
眼間の長き裾野の淑気かな★★★★
露天湯を出でし広間の淑気かな★★★
愛犬に作りし服やお正月★★★

●廣田洋一
髭剃りの一仕事有り初鏡★★★★
身近な生活感が下五の季題「初鏡」とうまく合って、いい句となった。作者の姿がありありと浮かんで、個性がある佳句だ。(高橋信之)

顔のシミ広がりをらず初鏡★★★
初鏡一筆入れて別人に★★★

●桑本栄太郎
青木の実斑入りの赤の淑気かな★★★★
寝積や布団カバーの崩れ居り★★★
三日早や籠に溢れし濯ぎもの★★★

1月2日(5名)

●川名ますみ
初富士の近しと云いまた遠しとも★★★★
六つ目のピンを挿し切り初暦★★★
押しピンに傾きし癖初暦★★★

●小口泰與
青空に雲もなかりき今朝の春★★★★
よく見掛ける風景だが、下五の「今朝の春」がいい。季節感がいいのだ。(高橋信之)

旧冬の畑へ忘れし猫車★★★
娘らを駅へ迎えやおらが春★★★

●多田有花
白味噌のあん餅雑煮をいただきぬ★★★
初春の波おだやかに桂浜★★★
元旦の青空背負う竜馬像★★★★
高知桂浜の、昔尋ねたことがある風景。和服姿に懐手,ブーツ姿の龍馬は,はるか太平洋の彼方を見つめていた。(高橋信之)

●廣田洋一
亡き妻の誕生日とて初墓参★★★★
「初墓参」の「初」が効いた。いい句だ。「亡き妻」であるが、湿ったところを感じさせない。。(高橋信之)

白き雲ふわふわ浮かび二日かな★★★
寝転びて富士山望む初湯かな★★★

●桑本栄太郎
早梅の道のすがらや教会に★★★★
会堂の賛美歌充てる淑気かな★★★
たおやかな着物姿や初詣★★★

1月1日(4名)

●廣田洋一
見渡せば青青々と初御空★★★★
初富士に切り取られたる青き空★★★
青空に紅梅咲きし初詣★★★

●小口泰與
日の昇り白極まるや初浅間★★★
初浅間噴煙すくと垂直に★★★
初明り妻のエプロン真新し★★★★
初明かりに輝いて、真新しいエプロンに妻の新年が始まる。今年もまた、かいがいしく働いてくれる妻への感謝に、エプロンが眩しい。(高橋正子)

●桑本栄太郎
東雲の仄と茜や初明かり★★★
スマホ手に走る少女や元日に★★★★
元日の特急電車や女子運転★★★

●川名ますみ
初富士の近しと云いまた遠しとも★★★★
六つ目のピンを挿し切り初暦★★★
押しピンに傾きし癖初暦★★★