●デイリー句会投句箱/2月19日~28日●

※当季雑詠3句(春の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※好きな句の選とコメントを<コメント欄>にお書き込みください。
※お礼などの伝言も<コメント欄>にお書きください。

◆俳句日記/高橋正子◆は、下記のアドレスです。
http://blog.goo.ne.jp/kakan02

今日の秀句/2月19日~28日

[2月28日]
★芽柳とわれ川風に吹かれいる/小川和子
やわらかに柳が萌え、川風がやさしく吹く。川風にやさしく吹かれる「芽柳」も「われ」も同じ存在。「われ」は、芽柳にでもなったような、緩やかで、やさしい季節だ。(高橋正子)

[2月27日]
★園庭の青きを踏んで一輪車/古田敬二
木々が芽吹き、草が萌えると園庭の仕事も一気に増える。枯草や枯葉を集めたり、徒長した枝を剪定したり。作業用の一輪車が活躍する。園庭の作業に弾みが付くのは、「青きを踏んで」であること。季節の新鮮さがい。(高橋正子)

桜の芽越してまっすぐ陽の来たる/川名ますみ
桜の芽の向こう側から太陽が差してくる。力強い光だ。桜の芽が光を力強くさせる。桜が咲くころも、同じようにまっすぐに陽が差すだろう。(高橋正子)

[2月26日]
★雨上がり梅のきりりとなお白し/福田ひろし
雨上がりの梅の花は、雨に散るどころか、雨に洗われていっそう白さ、清潔さを増している。きりりとした姿は梅の花の魅力だ。(高橋正子)

[2月25日]
★春の草風の中なる明るさよ/小口泰與
少し草丈の伸びた春の草が、風にそよぎ、光りを返している。風が吹けば光る春の草があたりに明るさを広げているよい季節だ。(高橋正子)

★青き香に天ぷら揚げて蕗のとう/河野啓一
蕗のとうは春の到来を告げるもの。「青き香」には、蕗のとうの生き生きとした香りはもちろん、作者の生き生きとした暮らしの喜びが表現されている。(高橋正子)

[2月24日]
★山焼いて後の黒から芽が動く/迫田和代
山焼きのあと、いくたびか雨が降り、黒々とした焼けあとから、草の芽が出始めた。「芽が出る」ではなく、「芽が動く」。芽の力強さに驚く季節だ。(高橋正子)

★初音して後は静かな山の中/多田有花
初音を聞いたあと、また聞こえるかと耳を澄ますけれど、それきり。山の中の静かさが一層思われるが、山はもう春の匂いがし始めているのだろう。(高橋正子)

★芽柳やバス待つ風のゆるび居り
梅が香の香りほのかに教会へ/桑本栄太郎
教会への道すがら、梅のほのかな香りが漂っている。礼拝へ向かう気持ちも梅の香りに清められている。(高橋正子)

[2月23日]
春野菜散らして寿司の昼餉かな/河野啓一
春は寿司が美味しい季節。寿司に散らした春野菜には、菜の花などもあるのだろう。春野菜の華やいだ寿司に明るいたのしい昼餉となった。(高橋正子)

[2月22日]
★蕗の薹利根の流れのごうごうと/小口泰與
利根川が雪解け水を集め、ごうごうと流れるほとりに蕗の薹が顔を出す。蕗の薹と利根川の関係に自然の摂理が感じられる。(高橋正子)

★梅日和里から里へ歩きけり/福田ひろし
「里から里へ歩く」がいかにも梅日和らしい。里に咲く梅を訪ねてというのも、何かの用事で里から里を歩いたというのもいい。(高橋正子)

[2月21日]
★春日浴び妙高山(みょうこう)ぐいと迫り来る/内山富佐子
雪の妙高山が春の日を力強く反射し、「ぐいと迫り来る」のだ。曇りがちな、雪がちな日々の妙高山とは違って、春の日に生き生きと有様を突き出している。(高橋正子)

★六甲を登れば春の汽笛かな/多田有花
春といえばのどかさ。六甲の山に登り、はるか海から汽笛が聞こえてくる。「春の汽笛」は「のどか」そのもの。人の心に郷愁をも呼んで鳴る汽笛だ。(高橋正子)

[2月20日]
★菜の花や海あおあおと響きける/小口泰與
菜の花の黄色と海のあおの色彩的な美しさに加え、「あおあおと響く」の詩情が素晴らしい。「海のあお」に海の音が聞こえる。(高橋正子)

[2月19日]
★シクラメン靴紐結べば花近し/上島祥子
靴紐をしっかりと結んで出かけるところ。靴紐を結びながら、足元のシクラメンが目に入る。どきっとするほどシクラメンの花が自分に近い。靴とシクラメンが大きくクローズアップされた。若々しい句。(高橋正子)

★山焼きていよよ目覚める阿蘇の里/福田ひろし
雄大な阿蘇が山焼きによって、それを区切りに「いよよ目覚める」。焼きあとから草が萌え出る春もすぐそこまで来ている。人間生活にも良いことがあり、よい春が来そうな予感がする。(高橋正子)

2月19日-28日

2月28日(4名)

●小口泰與
参拝の拍手打つや二月尽★★★
眼間の榛名十峰霞立つ★★★
雲版を打つ作務衣の僧や若緑★★★★

●古田敬二
 紀見峠を歩く
人住まぬ家の戸に触れ咲く紅梅★★★
春寒し一人も会わぬ峠道★★★
走り根の春の大地をしかと掴む★★★★

●小川和子
芽柳とわれ川風に吹かれいる★★★★
やわらかに柳が萌え、川風がやさしく吹く。川風にやさしく吹かれる「芽柳」も「われ」も同じ存在。「われ」は、芽柳にでもなったような、緩やかで、やさしい季節だ。(高橋正子)

風に揺れ柳遠目に青みけり★★★
草光る川辺一面いぬふぐり★★★

●桑本栄太郎
梅が香の木々のときめく丘の風★★★★
さざ波のわらわら光る春の池★★★
腰痛の不意に来たるや二月尽★★★

2月27日(7名)

●小口泰與
利根川のあまねく水や犬ふぐり★★★★
揚雲雀一羽翔ちけり数羽翔つ★★★
谷川岳(たにがわ)の岩もろ共に雪崩けり★★★

●河野啓一
山里の友の便りや麦青む★★★★
二月尽冬水仙の満開に★★★
ジャスミンの白い蕾が顔を出し★★★

●古田敬二
園庭の青きを踏んで一輪車★★★★
木々が芽吹き、草が萌えると園庭の仕事も一気に増える。枯草や枯葉を集めたり、徒長した枝を剪定したり。作業用の一輪車が活躍する。園庭の作業に弾みが付くのは、「青きを踏んで」であること。季節の新鮮さがい。(高橋正子)

色づいて芽吹きの予感紀伊の山★★★
県境は桜の蕾まだ固し★★★

●小西 宏
老農の休んではまた畑を打つ★★★
鍬ひとつ梅咲く下で畝起こす★★★★
白梅の夕暮淡き雪のごと★★★

●桑本栄太郎
日輪と云う明かりかなよな曇り★★★
芽木蓮の曰くありそにときめける★★★
遠野火や瓦の屋根の遠くより★★★★

●多田有花
竹林に囲まれ静か梅を見る★★★★
春の夢困ったところで目が覚める★★★
春の夜や繕い物をふたつする★★★

●川名ますみ
椎の葉のつやに等しき桜の芽★★★
桜の芽越してまっすぐ陽の来たる★★★★
桜の芽の向こう側から太陽が差してくる。力強い光だ。桜の芽が光を力強くさせる。桜が咲くころも、同じようにまっすぐに陽が差すだろう。(高橋正子)

白梅と石垣映す壕の水★★★

2月26日(4名)

●小口泰與
赤城嶺へあまねく朝日揚ひばり★★★★
受験子へ阿弥陀唱えし翁かな★★★
あめつちの神に願うや受験生★★★

●桑本栄太郎
春風のテラスのカフェに憩いけり★★★★
映画果て新京極の遅日かな★★★
地下を出で阪急電車の春入日★★★

●多田有花
いかなごのくぎ煮の季節始まりぬ★★★
遠い日のこと思い出す風車★★★★
春雨にパソコン相手の家居かな★★★

●福田ひろし
雨上がり梅のきりりとなお白し★★★★
雨上がりの梅の花は、雨に散るどころか、雨に洗われていっそう白さ、清潔さを増している。きりりとした姿は梅の花の魅力だ。(高橋正子)

コンビニの幟ばたばた春一番★★★
卒業式浅葱の風の吹き抜けし★★★

2月25日(5名)

●小口泰與
春の草風の中なる明るさよ★★★★
少し草丈の伸びた春の草が、風にそよぎ、光りを返している。風が吹けば光る春の草があたりに明るさを広げているよい季節だ。(高橋正子)

遠山は今だ白きや揚雲雀★★★
山風の今だ硬きや葦の角★★★

●河野啓一
若ごぼう生駒山麓盛りかな★★★
お水取り若狭の水は二月堂★★★

青き香に天ぷら揚げて蕗のとう★★★★
蕗のとうは春の到来を告げるもの。「青き香」には、蕗のとうの生き生きとした香りはもちろん、作者の生き生きとした暮らしの喜びが表現されている。(高橋正子)

●桑本栄太郎
せせらぎの木の芽雨降る高瀬川★★★★
芽柳の川端通りの細枝(ほそえ)かな★★★
リール巻く水面まぶしき春日かな★★★

●上島祥子
日脚伸ぶ散歩の距離も伸ばしたり★★★★
辞書を繰る部屋の静けさ春の夜★★★
流行歌流れる混んだスケート場★★★

●小西 宏
金縷梅(まんさく)にならび梅咲く日の明かり★★★
白梅の開き初めたる日和かな★★★★
樹洞ありて空に小さな梅の花★★★

2月24日(5名)

●迫田和代
春の花胸一杯に揺れている★★★
山焼いて後の黒から芽が動く★★★★
山焼きのあと、いくたびか雨が降り、黒々とした焼けあとから、草の芽が出始めた。「芽が出る」ではなく、「芽が動く」。芽の力強さに驚く季節だ。(高橋正子)

窓叩く激しい音の春時雨★★★

●小口泰與
支流より水集いけり蕗の薹★★★★
青空へ飛行機雲や未開紅★★★
しじみ汁鳥語に眼覚む朝かな★★★

●多田有花
梅が枝を携え坂を下る人★★★
山隠し海も隠してよなぐもり★★★

初音して後は静かな山の中★★★★
初音を聞いたあと、また聞こえるかと耳を澄ますけれど、それきり。山の中の静かさが一層思われるが、山はもう春の匂いがし始めているのだろう。(高橋正子)

●桑本栄太郎
芽柳やバス待つ風のゆるび居り★★★
梅が香の香りほのかに教会へ★★★★
教会への道すがら、梅のほのかな香りが漂っている。礼拝へ向かう気持ちも梅の香りに清められている。(高橋正子)

礼拝を終えてふたたび梅見かな★★★

●古田敬二
春の陽の白き水底まで届く★★★
縁側に優しき光江戸の雛★★★★
春の海島へ寄せ来る波の音★★★

2月23日(4名)

●小口泰與
菜の花や青空深く鳶の笛★★★
榛名富士今朝むらさきや水温む★★★★
麦踏の翁の影の長きかな★★★

●河野啓一
春野菜散らして寿司の昼餉かな★★★★
春は寿司が美味しい季節。寿司に散らした春野菜には、菜の花などもあるのだろう。春野菜の華やいだ寿司に明るいたのしい昼餉となった。(高橋正子)

枝挿して開き切ったる白い梅★★★
春雨にけぶりて河内平野かな★★★

●小川和子
日を抱き向き気ままなる紅椿★★★
料峭や球根の芽の尖り出ず★★★★
余寒なお友読み止しのソローの書★★★

●桑本栄太郎
一間の川幅占めて春の鴨★★★★
下萌の句帳片手の車窓かな★★★
高槻の駅ビル跨ぎ春の虹★★★

2月22日(6名)

●小口泰與
蕗の薹利根の流れのごうごうと★★★★
利根川が雪解け水を集め、ごうごうと流れるほとりに蕗の薹が顔を出す。蕗の薹と利根川の関係に自然の摂理が感じられる。(高橋正子)

里山の社へ集う百千鳥★★★
クロッカスここのみ日矢の芝生かな★★★

●河野啓一
春大根白く輝くその太さ★★★★
雛あられ並ぶ店先袋詰め★★★
野良猫も路傍に伸びして春の朝★★★

●小西 宏
うたた寝の犬の顔ある春日かな★★★
早春の枝を過ぎゆく白い雲★★★★
妻と呑み腹ゆらゆらと浅き春★★★

●福田ひろし
麦踏や大地に緑の縞模様★★★
主人なき庭に今年も梅白し★★★

梅日和里から里へ歩きけり★★★★
「里から里へ歩く」がいかにも梅日和らしい。里に咲く梅を訪ねてというのも、何かの用事で里から里を歩いたというのもいい。(高橋正子)

●桑本栄太郎
<六甲アイランド埠頭>
港湾のクレーンゆるく春の海★★★★
岸壁の荷揚げクレーンや春の波★★★
台船のコンテナ満載春の海★★★

●多田有花
早春の沖に並びしコンビナート★★★
水菜入れ山頂で作るラーメン★★★
誕生日春の苺のホールケーキ★★★★

2月21日(4名)

●小口泰與
冴返る寺の廊下の蹠かな★★★
観梅や常に写真機首にかけ★★★
下萌や乾ぶる畑の風の道★★★★

●内山富佐子
春日浴び妙高山(みょうこう)ぐいと迫り来る★★★★
雪の妙高山が春の日を力強く反射し、「ぐいと迫り来る」のだ。曇りがちな、雪がちな日々の妙高山とは違って、春の日に生き生きと有様を突き出している。(高橋正子)

水鳥のそれぞれの舞春の濠★★★
軒先の雪解雫の速さかな★★★

●桑本栄太郎
<神戸六甲アイランド埠頭>
さざ波の河口を遡る春の潮★★★
台船の揺るぎも見せず春の波★★★
ぎらぎらと春日煌めく運河かな★★★★

●多田有花
紅梅に白梅に陽の当たりたる★★★
紅梅の匂う六甲縦走路★★★

六甲を登れば春の汽笛かな★★★★
春といえばのどかさ。六甲の山に登り、はるか海から汽笛が聞こえてくる。「春の汽笛」は「のどか」そのもの。人の心に郷愁をも呼んで鳴る汽笛だ。(高橋正子)

2月20日(3名)

●小口泰與
菜の花や海あおあおと響きける★★★★
菜の花の黄色と海のあおの色彩的な美しさに加え、「あおあおと響く」の詩情が素晴らしい。「海のあお」に海の音が聞こえる。(高橋正子)

紅梅や竹林空を奪いあい★★★
湯煙とともに香りし夜の梅★★★

●佃 康水
梅の香や少女茶席へ髪を結い★★★
春火鉢据えて籠編む竹工房★★★
竹林の弧を描き撓う春疾風★★★★

●桑本栄太郎
菜の花や乙訓郡の黄明かりに★★★
冴返る風に降り立つバス路かな★★★
雨音を聞きつつ午後の目借時★★★★

2月19日(7名)

●多田有花
播磨灘沖には春の光満つ★★★★
冬物のシーツを洗う雨水かな★★★
山の端より雲流れ出る雨水かな★★★

●小口泰與
梅園や人の集いし鳥の声★★★
伊豆に居り南ざくらの睦月かな★★★
そよ風や南ざくらとせせらぎと★★★★

●上島祥子
遠望の鈴鹿の峰は春の青★★★
自らの起す波間に鴨の居ぬ★★★

シクラメン靴紐結べば花近し★★★★
靴紐をしっかりと結んで出かけるところ。靴紐を結びながら、足元のシクラメンが目に入る。どきっとするほどシクラメンの花が自分に近い。靴とシクラメンが大きくクローズアップされた。若々しい句。(高橋正子)

●桑本栄太郎
ふり仰ぐ天王山の霞みけり★★★★
遠霞はるか彼方へ摂津峡★★★
嶺の端の仄と赤きや春しぐれ★★★

●小西 宏
春浅き朝の布団を繭のごと★★★
雨止んで小鳥揺らせる梅蕾★★★★
駅頭の風に書を抱く二月かな★★★

●福田ひろし
山焼きていよよ目覚める阿蘇の里★★★★
雄大な阿蘇が山焼きによって、それを区切りに「いよよ目覚める」。焼きあとから草が萌え出る春もすぐそこまで来ている。人間生活にも良いことがあり、よい春が来そうな予感がする。(高橋正子)

高々と枝に一輪ヤブツバキ★★★
春雨を越して越されて田舎道★★★

●川名ますみ
整いし樹形二月の空に立つ★★★★
冴返る朝よ樹形の正確に★★★
細き樹の二月の窓の正しさに★★★

●デイリー句会投句箱/2月8日~18日●

※当季雑詠3句(春の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※好きな句の選とコメントを<コメント欄>にお書き込みください。
※お礼などの伝言も<コメント欄>にお書きください。

◆俳句日記/高橋正子◆は、下記のアドレスです。
http://blog.goo.ne.jp/kakan02

今日の秀句/2月8日~18日

[2月18日]
★走りつつ凧ふり返る大野原小西 宏
「凧揚げ」は新年の季語となっているが、単に「凧」と言えば春の季語。凧揚げは地方の行事でもあったので、地方行事として四月や五月に行うところも多い。そういった行事とは別に、遊びで、広い野原で凧の糸をもって走りつつ揚げると、凧は風に乗って、ぐんぐん糸を伸ばしてゆく。凧の上がり具合をふり返りながら走るのは、やはり小学生の中・高学年ぐらいであろう。凧揚げの少年を活写。(高橋正子)

[2月17日]
★菜の花や信濃川(しなの)の流れほんわかと/小口泰與
日本一長い信濃川。流域の雪解水を集めて延々と流れる。その雄大な信濃川も菜の花に彩られれば、ほんわかとやさしい流れに変わる。信濃川の水と菜の花の親和力が素晴らしい。(高橋正子)

[2月16日]
★春浅き笹薮にふと動くもの/小西 宏
春浅いころ笹薮を通りすがると、動くものがいることに気付く。小鳥であろう。雀か、鶯か。小さな音、小さな影に、カサカサと動くものを認めた。いかにも、早春の笹薮らしい。(高橋正子)

[2月15日]
★春きざす快晴の阿蘇正面に/多田有花
快晴の空の下で阿蘇と向き合う。その姿に対峙すれば、胸を張るような気分だ。阿蘇の草原らしき所に心なし緑が見える。自然の素晴らしさだ。(高橋正子)

[2月14日]
★白梅の花と香りと青い空/迫田和代
青空を背景に咲く白梅は、花の姿がくっきりと見え、清潔感があって、香りが気高い。それを表すように、句がシンプルなのがよい。「青空」と「白梅」の二つがあれば十分だ。(高橋正子)

★菜園の早やもときめき豆の花/桑本栄太郎
豆の花が咲くと「春はすでに」という気持ちになるものだ。菜園は冬野菜も終わりに近いが、豆の花が咲くと菜園はうきうきと、ときめいてくる。(高橋正子)

[2月13日]
★エンジン始動白波立てて春の旅/古田敬二
エンジンを始動させ、エンジン音も快調に海へ乗り出してゆく。春寒いころは、このエンジンの音がよく響き、船も白波を立てて軽やかに進んで行く。楽しい春の旅。(高橋正子)

[2月12日]
★日を浴びて雪合戦の砦跡/内山富佐子
雪合戦の踏みしだかれた砦の跡が、きらきらと日を浴びている。存分に戦った雪合戦の跡が明るくて、子どもたちへのあたたかい眼差しが読み取れる。(高橋正子)

★雲雀野を些事に憂いて行き過ぎし/福田ひろし
空からは雲雀の声がほがらかに降ってくる野だというのに、些細なことに気が病んで、それを心底楽しむことができないで行き過ぎた。世の中些事に、心は常に動いて揺れる。それにしても、雲雀野の明るいことよ。(高橋正子)

[2月11日]
★礼拝を終えて隣家の梅見かな/桑本栄太郎
礼拝を終え、さやかな気持ちで隣家の梅の花を楽しむ。遠出の梅見でなはく、日常生活のなかでの梅見に、梅により親しい気持ちが寄せられている。(高橋正子)

★蕗の薹摘み採る土の温さかな/佃 康水
蕗の薹を摘み採るとき土に触れた手が、思わず土の温かさを感じ取った。日当たりのよいところに出た蕗の薹であろう。この柔らかな日が蕗の薹を育てたと思える。(高橋正子)

[2月10日]
★早春の朝日鉢花いきいきと/河野啓一
鉢植えの花に朝日が刺すと、花は一度に輝く。早春の朝日となれば、空気は冷たくても、光の明るさは増して人の気持ちまで明るくしてくれる。花々の表情が見えるようだ。(高橋正子)

★おはようの声も大きく今日受験/高橋秀之
子どもの受験には、親は子ども以上に心配かもしれない。受験の日、元気よく「おはよう」の声が聞けたことは、体調もよくて、緊張しすぎていないと、安心だ。よい結果が待っているのは確か。(高橋正子)

[2月9日]
★二月来る庭の光りの濃くなりぬ/古田敬二
二月は暦の上だは春。気温が低いけれど、日の光は真冬よりも明るく強くなって「春」を真っ先に思わせてくれる。「光の濃さ」が思われる。この句の問題は、「二月来る」と「濃くなりぬ」と一句に切れが2か所にあること。これは解消していただきたい。(高橋正子)

★残雪の凹凸に影松林/川名ますみ
松林の残雪が美しいイメージで詠まれている。急に小動物が出てきそうで、楽しい雰囲気がある。(高橋正子)

[2月8日]
★膨れくる潮や河口に春の鴨/佃 康水
「膨れくる潮」が春らしい。河口や港に立っていると、穏やかな日には、潮が膨れるように満ちてくるのがわかる。河口にはまだ帰らない鴨が生き生きと泳いでいる。春への期待が高まる。(高橋正子)

★今朝赤城山(あかぎ)良く見え畦の犬ふぐり (小口泰與)
遠くに赤城山、足元を見れば小さな紫、いぬふぐり。私の畑の畔にも2~3週間前からいぬふぐりが咲き始めています。間違いなく春が近づいています。(古田敬二)

2月8日-18日

2月18日(5名)

●河野啓一
春浅き狭庭の草を踏みて立つ★★★★
春近し和泉山脈黒々と★★★
春めいて朝日優しく森の辺に★★★

●小口泰與
菜の花や嫗にお茶を賜りし★★★★
天霧らう榛名山(はるな)や湖の春の波★★★
天離る風の上州遠蛙★★★

●多田有花
梅林にある青空と風の音★★★
春の川きらきら蛇行して海へ★★★
春めきぬ揺れる梢の上の空★★★★

●桑本栄太郎
降りつつも天(そら)の明るき雨水かな★★★★
下萌の色濃くおもう雨の土手★★★
あちこちを向いて木蓮」ときめきぬ★★★

●小西 宏
ブランコの鎖に映る余寒かな★★★
梅枝に薄き緑の蕾立つ★★★

走りつつ凧ふり返る大野原★★★★
「凧揚げ」は新年の季語となっているが、単に「凧」と言えば春の季語。凧揚げは地方の行事でもあったので、地方行事として四月や五月に行うところも多い。そういった行事とは別に、遊びで、広い野原で凧の糸をもって走りつつ揚げると、凧は風に乗って、ぐんぐん糸を伸ばしてゆく。凧の上がり具合をふり返りながら走るのは、やはり小学生の中・高学年ぐらいであろう。凧揚げの少年を活写。(高橋正子)

2月17日(5名)

●小口泰與
利根川を煽ぐ山風蕗の薹★★★
鳶舞いし長き裾野の雪間かな★★★

菜の花や信濃川(しなの)の流れほんわかと★★★★
日本一長い信濃川。流域の雪解水を集めて延々と流れる。その雄大な信濃川も菜の花に彩られれば、ほんわかとやさしい流れに変わる。信濃川の水と菜の花の親和力が素晴らしい。(高橋正子)

●桑本栄太郎
下萌の京大農場うすみどり★★★
春めいて河川コートのテニスかな★★★
下萌やジャージー走るグランドに★★★

●多田有花
列島の春の灯りの上を飛ぶ★★★★
春めきて歩く人やら走る人★★★
音も無く降りだしやみぬ春の雨★★★

●小川和子
早春のオレンジに照る入日かな★★★
笹鳴の頭上を過ぐる森閑か★★★★
回想
野蒜摘むことも遊びの一つとて★★★

●高橋秀之
潮風も頬に優しく春の朝★★★★
春の海光る日差しが明るくて★★★
春浅し船は行き交い鳥は舞う★★★

2月16日(6名)

●小口泰與
夕ぐれの榛名十峰斑雪かな★★★★
山風に対うばらの芽あえかなり★★★
青空を奪いあいたる揚雲雀★★★

●古田敬二
里言葉優しく夫婦若布干す★★★
佐久島の夫婦自慢の若布干す★★★
若布干す光りを揺らす浜の風★★★★

●河野啓一
春めきて箕面の山も青くなり★★★
春浅し北海道バターをパンに塗り★★★
かいつぶり一直線に泳ぎけり★★★★

●桑本栄太郎
しつとりと路面濡れ居り春の雪★★★★
山裾の白亜のビルや春寒し★★★
春霞かさね彼方へ摂津峡★★★

●小川和子
愛餐の卓に添えらる雪割草★★★★
愛餐とはキリスト教の教会内での食事会の事。兄弟姉妹達が一緒に食事を摂りながら、お互いに交わりのひと時を持つことですね?その卓上花として雪割草が飾られている光景を想えば、主の豊かな恵みにより春の訪れを心から実感している作者です。 (桑本栄太郎)

苗木市に百合の球根選るすがら★★★
二ン月の空の淡さよ枝垂れ梅★★★

●小西 宏
浅春の風に寄り来る池の紋★★★

春浅き笹薮にふと動くもの★★★★
春浅いころ笹薮を通りすがると、動くものがいることに気付く。小鳥であろう。雀か、鶯か。小さな音、小さな影に、カサカサと動くものを認めた。いかにも、早春の笹薮らしい。(高橋正子)

空き部屋に見る空少し春の色★★★

2月15日(4名)

●小口泰與
春風や小犬は我と歩を合せ★★★★
ばらの芽と棘を甚振る雨の糸★★★
晩酌はうぐいす餅を頬張りて★★★

●河野啓一
春浅く朝の会釈も雪のこと★★★★
手作りのバレンタインや縁結び★★★
牡丹雪消えず狭庭の模様かな★★★

●多田有花
春きざす快晴の阿蘇正面に★★★★
快晴の空の下で阿蘇と向き合う。その姿に対峙すれば、胸を張るような気分だ。阿蘇の草原らしき所に心なし緑が見える。自然の素晴らしさだ。(高橋正子)

二月の高原阿蘇がしだいに近く★★★
振り向けば九重連山春の雪★★★

●桑本栄太郎
駅前に菜の花飾り菜の花忌★★★★
紅梅の紅のふくらみ蕾みけり★★★
春めくやスマホ自撮りの女子高生★★★

2月14日(6名)

●迫田和代
春雪の朝厚着厚着の食堂や★★★
草萌える道のあちこち食べた跡★★★

白梅の花と香りと青い空★★★★
青空を背景に咲く白梅は、花の姿がくっきりと見え、清潔感があって、香りが気高い。それを表すように、句がシンプルなのがよい。「青空」と「白梅」の二つがあれば十分だ。(高橋正子)

●小口泰與
御朱印の墨痕淋漓風光る(信之添削)★★★★
足裏に芝火を踏みし戯れに★★★
ばらの芽や妙義山(みょうぎ)の奇岩眼間に★★★

●桑本栄太郎
背伸びせし首の青さや春大根★★★

菜園の早やもときめき豆の花★★★★
豆の花が咲くと「春はすでに」という気持ちになるものだ。菜園は冬野菜も終わりに近いが、豆の花が咲くと菜園はうきうきと、ときめいてくる。(高橋正子)

春耕のマルチ手繰れる老夫婦★★★

●多田有花
肥後名物馬刺しを食ぶや春の宵★★★
黒川の湯より仰ぎし春の星★★★
早春の日の出を待ちぬ露天風呂★★★★

●福田ひろし
宇宙まで見ている春の夕焼かな★★★
野を焼けば里には草の灰が降る★★★
冴え返る会議室から白き峰★★★

●小西 宏
山風の送れる花か春の雪★★★
白壁に身を屈め行き蕗の薹★★★
早春の谷透き通る竹の青★★★★

2月13日(3名)

●古田敬二
エンジン始動白波立てて春の旅★★★★
エンジンを始動させ、エンジン音も快調に海へ乗り出してゆく。春寒いころは、このエンジンの音がよく響き、船も白波を立てて軽やかに進んで行く。楽しい春の旅。(高橋正子)

白波の水脈引き島へ春の旅★★★
落椿蕊まだ新しき島の道★★★

●小口泰與
さえずりや浅間山(あさま)夕日を近づけず★★★★
犬ふぐり朝日を乗せし波頭★★★
あな白き浅間山(あさま)や裾野未紅梅★★★

●桑本栄太郎
蝋梅の訪なう人なき門扉かな★★★
下萌や草の香いまだ調わず★★★★
竹幹の楽を奏すや余寒風★★★

2月12日(9名)

●小口泰與
大利根の岩打つ波や揚雲雀★★★★
山風に影も揺れけり黄水仙★★★
早春の露天湯の床渇きおり★★★

●内山富佐子
雪解風瓦の屋根を市松に★★★
日を浴びて雪合戦の砦跡★★★★
雪合戦の踏みしだかれた砦の跡が、きらきらと日を浴びている。存分に戦った雪合戦の跡が明るくて、子どもたちへのあたたかい眼差しが読み取れる。(高橋正子)

ほろ苦き蕗の芽天下一品なり★★★

●上島祥子
現より優しい仕草春の影★★★
餅を焼く転んだ膝をかばいつつ★★★
針仕事終えて座敷に寒気満つ★★★★

●河野啓一
シンフォニー春を奏でるデイの午後★★★
水取りの行事を思い春を待つ★★★
さわらびを探さむ小川の音聞けば★★★★

●多田有花
梅が香の中に一歩を踏み入れる★★★★
夕陽浴び今まどろみの春の山★★★
春の雪抜けてやまなみハイウェイ★★★

●桑本栄太郎
校庭のブラスマーチや建国日★★★
犬ふぐり尖りて強き土手の風★★★
振り込みのルアー伸びゆく春の池★★★★

●小西 宏
ジムに泳ぎ二月の風に火照り帰る★★★
早春の堅く芽を張る枝々よ★★★★
ひかり跳ぶ空の青さや辛夷の芽★★★

●福田ひろし
雲雀野を些事に憂いて行き過ぎし★★★★
空からは雲雀の声がほがらかに降ってくる野だというのに、些細なことに気が病んで、それを心底楽しむことができないで行き過ぎた。世の中些事に、心は常に動いて揺れる。それにしても、雲雀野の明るいことよ。(高橋正子)

初午のセピアの写真父若し★★★
落ちてなお赤く輝く椿かな★★★

2月11日(6名)

●河野啓一
庭に立ち春の浅きを嘆きけり★★★
一輪の椿八十路の誕生日★★★★
春の雨待たるる頃や薄日差す★★★

●小口泰與
太鼓打つ半被のおみな風光る★★★★
湯煙の磴の斑雪の夕べかな★★★
鍋割山(なべわり)の在るべき所霞けり★★★

●多田有花
稜線を走る春雪舞う中を★★★★
風花や日ごとに開く坂の梅★★★
窓ガラスかたかた鳴らし寒戻り★★★

●桑本栄太郎
針供養今日は木綿の豆腐買う★★★
礼拝を終えて隣家の梅見かな★★★★
礼拝を終え、さやかな気持ちで隣家の梅の花を楽しむ。遠出の梅見でなはく、日常生活のなかでの梅見に、梅により親しい気持ちが寄せられている。(高橋正子)

山河早やうすきみどりの建国日★★★

●小西 宏
早春に堅く芽を張る枝々よ★★★★
ひかり跳ぶ空の青きに辛夷の芽★★★
ジムに泳ぎ初春(しょしゅん)の風に火照り帰る★★★

●佃 康水
一輪へ日差して雨後の梅真白★★★ 
飛び交える鳥へ紅白梅ひらく★★★
 
蕗の薹摘み採る土の温さかな★★★★
蕗の薹を摘み採るとき土に触れた手が、思わず土の温かさを感じ取った。日当たりのよいところに出た蕗の薹であろう。この柔らかな日が蕗の薹を育てたと思える。(高橋正子)

2月10日(5名)

●小口泰與
摘草や貨車過ぎ行ける足尾線★★★
あけぼのの畷を駆ける雉子かな★★★★
釣人を襲いし虻の唸りかな★★★

●河野啓一
春雪は止まず列島冴え返る★★★
早春の朝日鉢花いきいきと★★★★
鉢植えの花に朝日が刺すと、花は一度に輝く。早春の朝日となれば、空気は冷たくても、光の明るさは増して人の気持ちまで明るくしてくれる。花々の表情が見えるようだ。(高橋正子)

恐竜の化石も埋まる春の雪★★★

●桑本栄太郎
春障子二度寝の夢の目覚め居り★★★
せせらぎの枝に降り積む春の雪★★★
高槻のうすきみどりの春田かな★★★★

●古田敬二
菜を洗う蛇口の水も温みけり★★★
竹鳴らす風に乗り来て梅香る★★★★
白木蓮蕾踊らす青空に★★★

●高橋秀之
早朝のバスに受験の中学生★★★
受験の子表情普段と変わりなく★★★

おはようの声も大きく今日受験★★★★
子どもの受験には、親は子ども以上に心配かもしれない。受験の日、元気よく「おはよう」の声が聞けたことは、体調もよくて、緊張しすぎていないと、安心だ。よい結果が待っているのは確か。(高橋正子)

2月9日(7名)

●小口泰與
あけぼのの手に掬いたる春の水★★★
春霜や噴煙南(みな)へ流れける★★★
上州の三山笑う朝かな★★★★

●多田有花
山走る春北風の吹く中を★★★★
風よけて座す早春の頂に★★★
枝々の間に浅き春の空★★★

●桑本栄太郎
グランドの部活の声や春きざす★★★
十字架の峰に日差しや春の山★★★
菜園の採りあと白く茎立ちぬ★★★★

●河野啓一
白きもの被りて門辺の紅椿★★★
冴え返る昭和の軍歌を声揃え★★★
春雪は止まず畿内の過ごし良さ★★★★

●福田ひろし
春の雪触れる間もなくやみにけり★★★
湯けむりにふわりと消ゆる春の雪★★★★
ランナーを待ちわびる子の冷たき手★★★

●古田敬二
二月来る庭の光りの濃くなりぬ★★★★
二月は暦の上だは春。気温が低いけれど、日の光は真冬よりも明るく強くなって「春」を真っ先に思わせてくれる。「光の濃さ」が思われる。この句の問題は、「二月来る」と「濃くなりぬ」と一句に切れが2か所にあること。これは解消していただきたい。(高橋正子)

見上げれば木蓮蕾の踊りけり★★★
青空の主役つぼみの白木蓮★★★

●川名ますみ
残雪の凹凸に影松林★★★★
松林の残雪が美しいイメージで詠まれている。急に小動物が出てきそうで、楽しい雰囲気がある。(高橋正子)

春隣女僧侶の声たゆたう★★★
七七日障子に過ぎる猫の影★★★

2月8日(5名)

●小口泰與
今朝赤城山(あかぎ)良く見え畦の犬ふぐり★★★★
異例なき鍋割り山も春の雨★★★
たんぽぽや榛名山(はるな)の上の根無し雲★★★

●小西 宏
立春の空に橙色月上る★★★
春風に行く道犬の主張する★★★
朝からの雨が形に春の雪★★★★

●古田敬二
黒牛の乳房揺らして青き踏み来る★★★★
牛の背の春の光りに黒光り★★★
放牧の牛の足跡薄氷★★★

●桑本栄太郎
春北風を真夜に聞き居る寝床かな★★★
白梅を見上げ青空どこまでも★★★★
さざ波の岸を小打ちや春の池★★★

●佃 康水
膨れくる潮や河口に春の鴨★★★★
「膨れくる潮」が春らしい。河口や港に立っていると、穏やかな日には、潮が膨れるように満ちてくるのがわかる。河口にはまだ帰らない鴨が生き生きと泳いでいる。春への期待が高まるころだ。(高橋正子)
 
木の芽吹く丘やせせらぐ音高し★★★
和服着る人らそぞろに梅見かな★★★

●デイリー句会投句箱/2月1日~7日●

花冠発行所は、現在、活動を休止していますが、<デイリー句会>は、従来通りに活動を続けていますので、ご投句などをお願いいたします。高橋正子(主宰)・高橋信之(管理)◆

※当季雑詠3句(冬の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※好きな句の選とコメントを<コメント欄>にお書き込みください。
※お礼などの伝言も<コメント欄>にお書きください。

◆俳句日記/高橋正子◆は、下記のアドレスです。
http://blog.goo.ne.jp/kakan02

今日の秀句/2月1日~7日

[2月7日]
★街の灯に雪の生まれて広がり降る/小西 宏
夜の雪は、灯りに照らされたところから降ってくるように見える。雪は、「街の灯」に生まれるのだ。そして、灯りがある広がりに小止みなく降る。「街の灯に雪の生まれ」に都会の雪がよく描写されている。(高橋正子)

★花すみれ一番咲きは食卓に/河野啓一
秋に植えたのだろうか。すみれが咲いた。一番最初に咲いたすみれを食卓に飾ると、食卓に一度に春が来た。一番咲きの花、特にすみれは、可愛くてうれしい。(高橋正子)

[2月6日]
★犬ふぐり利根の瀬音の高々と/小口泰與
犬ふぐりが咲き始めると、春が来たと思う。奥山の雪解水を集め、利根川も瀬音高らかに流れている。春の輝きがある句。(高橋正子)

★芽吹き前箕面の森の水の音/河野啓一
芽吹く気配に満ちた森。耳を澄ませば、水の音がする。箕面の森の春の息吹が親しく読み取れる。(高橋正子)

[2月5日]
★手袋をぬいで歌集のページ繰る/上島祥子
外出先に歌集をもって出かけたのだろう。手袋をはめたまま歌集を読み始めたが、ページをめくるときになって、手袋を脱いだ。手袋をはずしたしなやかな指が、歌集をめくるところがクローズアップされ、気品のある場面となった。(高橋正子)

[2月4日]
★寒明けの夕影伸びし水面かな/小口泰與
水面に夕影が長く伸び、寒明けの今日は、日の永さが感じられる。夕べにも残る寒明けのほのかな明るさが春の兆しと受け止められる。(高橋正子)

[2月3日]
★二月の山遠くに海の光りおり/多田有花
二月となれば、風は冷たいものの、日の輝きが強くなる。明るさも増してくる。山に登れば、遠くの海も光っている。引き締まる空気、早春の海の眺めが快い。(高橋正子)

★居酒屋の突き出し今日は年の豆/小西 宏
たまたま寄った居酒屋であろうが、今日は節分ということで、突き出しに「年の豆」が出された。客ともども、節分を祝う気持ちで、鰯が出されるより粋。(高橋正子)

[2月2日]
★落ちるものなくして明るき冬木立/古田敬二
枯葉もすっかり落として枝だけになった冬木立。風の冷たさとは別に、日の光が降り注ぎ、明るい景色を見せている。明るい冬木立に春遠からじと思う。(高橋正子)

[2月1日]
★銀紙のチョコ割り枯れた野に座る/小西 宏
吟行に出かけた折、枯れた野原に座り、チョコレートを食べることは、たまに経験することの一つだ。「銀紙」「チョコレート」「枯れた野」の色彩のイメージが、瀟洒で、そんものの中に置かれた作者も絵になっている。(高橋正子)

2月1-7日

2月7日(6名)

●迫田和代
梅白く香り白々陽も白い★★★
梅日和香りに惹かれた車椅子★★★★
草燃える流れる水や音もなし★★★

●小西 宏
寒月に厳しき風の坂のぼる★★★
朝よりも寒さの募り雪催い★★★

街の灯に雪の生まれて広がり降る★★★★
夜の雪は、灯りに照らされたところから降ってくるように見える。雪は、「街の灯」に生まれるのだ。そして、灯りがある広がりに小止みなく降る。「街の灯に雪の生まれ」に都会の雪がよく描写されている。(高橋正子)

●小口泰與
しゃぼん玉ぴかっと光消ゆるなり★★★
青ぬたや同胞(はらから)つどう父の忌よ★★★★
扉掻く犬や朝寝のきりも無し★★★

●桑本栄太郎
料峭の枝葉さざめく丘の風★★★
さざ波の耀やき走る春の池★★★
水底の光りゆらぐや蘆の角★★★★

●河野啓一
花すみれ一番咲きは食卓に★★★★
秋に植えたのだろうか。すみれが咲いた。一番最初に咲いたすみれを食卓に飾ると、食卓に一度に春が来た。一番咲きの花は、特にすみれは、可愛くてうれしい。(高橋正子)

伴奏に合わせ歌声早春賦★★★
北国の春や歌声デイの窓★★★

●多田有花
大橋の彼方に春の入日かな★★★★
ため池がそれぞれ映す春の夕暮れ★★★
クレーン立つ春加古川の夕暮れに★★★

2月6日(5名)

●小西 宏
待春の光たゆたう伊豆の海★★★
日に輝く枯れ野を分けて快走す★★★
空大し水仙かおる海の崖★★★★

●小口泰與
犬ふぐり利根の瀬音の高々と★★★★
犬ふぐりが咲き始めると、春が来たと思う。奥山の雪解水を集め、利根川も瀬音高らかに流れている。春の輝きがある句。(高橋正子)

ちろちろと夕日に染まる芝火かな★★★
蕗味噌やたっぷり積めし魚の腹★★★

●河野啓一
陽の光ふと見つけたる蕗のとう★★★
芽吹き前箕面の森の水の音★★★★
芽吹く気配に満ちた森。耳を澄ませば、水の音がする。箕面の森の春の息吹が親しく読み取れる。(高橋正子)

春待ちて飾るパンジー食卓に★★★

●佃 康水
寒あやめ開くや朝の雨しずく★★★
女生徒の傘差しくるる春時雨★★★★
土塊に雀群れ来る春の雨★★★

●桑本栄太郎
白梅や硬きつぼみの丘の風★★★
頑なにつぼみ閉じ居り丘の梅★★★
青空を見上げひと枝梅ひらく★★★★

2月5日(4名)

●小口泰與
根無し雲映す榛名湖春浅し★★★★
永き日や利根奔流の水の嵩★★★
春遅しごうごうと吹く欅風★★★

●桑本栄太郎
<早春の桂川>
早春の中洲に光る湾処かな★★★
桂川の上流(かみ)の嶺々残雪に★★★★
菜の花の川風に揺れ河川畑★★★

●上島祥子
手袋をぬいで歌集のページ繰る★★★★
外出先に歌集をもって出かけたのだろう。手袋をはめたまま歌集を読み始めたが、ページをめくるときになって、手袋を脱いだ。手袋をはずしたしなやかな指が、歌集をめくるところがクローズアップされ、気品のある場面となった。(高橋正子)

針仕事晴れ着広げぬ冬座敷★★★
残酷なニュースで始まる二月かな★★★

●高橋信之
葉牡丹の白一色の華やぎを★★★★
一月快晴空の青さを仰ぎ見る★★★
春近きボールを小さき子らが蹴る★★★

2月4日(4名)

●小口泰與
寒明けの夕影伸びし水面かな★★★★
水面に夕影が長く伸び、寒明けの今日は、日の永さが感じられる。夕べにも残る寒明けのほのかな明るさが春の兆しと受け止められる。(高橋正子)

早春や長き裾野の雲迅き★★★
早春や硬き風吹く利根川原★★★

●桑本栄太郎
細枝の雪のしずりや京の路地★★★
礼拝の果て青空に寒紅梅★★★★
ヨルダンの砂漠寒きと想いけり★★★

●祝恵子
枯れ木によりランナーの足音を待つ★★★★
着ぶくれて声援仲間吾れもまた★★★
加湿器の湯気にかすかに揺れるラン★★★

●高橋信之
節分の余りし豆が袋に透く★★★★
東の峰を見る立春の曙よ★★★
戸を出でて今日立春と思う吾よ★★★

2月3日(7名)

●小口泰與
大寒の乾きし庭や群雀★★★★
乾びたる里の大地や水仙花★★★
あな白き浅間山(あさま)や梅の佐久平★★★

●内山富佐子
寒行の太鼓静寂にとけてゆく★★★
霰には三角四角拳固あり★★★★
節分や福は内山春よ来ひ★★★

●多田有花
二月の山遠くに海の光りおり★★★★
二月となれば、風は冷たいものの、日の輝きが強くなる。明るさも増してくる。山に登れば、遠くの海も光っている。引き締まる空気、早春の海の眺めが快い。(高橋正子)

節分や太鼓の音がこだまする★★★
忘れ物思い出したり冬尽きぬ★★★

●桑本栄太郎
雪晴れの天の青さや比叡山★★★★
雪止めば四条大橋濡れ光る★★★
雪しずる京の町家でありにけり★★★

●高橋秀之
節分の我が家の食卓手巻き寿司★★★★
港から吹く風冬木の揺れる枝★★★
冬晴れて西からの波も穏やかに★★★

●小西 宏
背(せな)の子の前が見えないニット帽★★★
枯山に陽がいっぱいの黄金色★★★

居酒屋の突き出し今日は年の豆★★★★
たまたま寄った居酒屋であろうが、今日は節分ということで、突き出しに「年の豆」が出された。客ともども、節分を祝う気持ちで、鰯が出されるより粋。(高橋正子)

●古田敬二
春を待つ梢を渡る風の音★★★
枝先に紅尖る冬芽かな★★★
色々と楽しげな形冬の雲★★★★

2月2日(5名)

●小口泰與
庇よりあだに落ちたる氷柱かな★★★
山茶花や上州風の荒き国★★★
露天湯に脛を預けし日脚伸ぶ★★★★

●桑本栄太郎
救急車の音の近づく雪の朝★★★
部屋干しの竿の支度やしまき風★★★
遠き地のテレビニュースや冬座敷★★★★

●川名ますみ
梅ひとつ今年も同じ枝につき★★★★
梅一輪いつもの枝にはじまりぬ★★★
しだれ梅初めの一輪そっと咲く★★★

●福田ひろし
こたつ舟竿高々と弧を描く★★★
スマホする雪降りしきる朝なれど★★★
冬天や湯は滔々とあふれおり★★★★

●古田敬二
落ちるものなくして明るき冬木立★★★★
枯葉もすっかり落として枝だけになった冬木立。風の冷たさとは別に、日の光が降り注ぎ、明るい景色を見せている。明るい冬木立に春遠からじと思う。(高橋正子)

風の道行けば落ち葉に追い越され★★★
寒風が吹けども竹はまっすぐに★★★

2月1日(5名)

●内山富佐子
高田瞽女の門付け芸を再現するイベントにて二句
雪の町に瞽女の三味の音豊かなり★★★★
三味を弾く瞽女のうなじや六花★★★
玉葱の芽伸びやかに春を待つ★★★

●小口泰與
里山の寒紅梅の鮮らけき★★★★
日を乗せて白鳥嘴を隠しけり★★★
白鳥の映ろう水面夕日影★★★

●小西 宏
炭焼きのけむり香のする雑木山★★★
探梅や一つ見つけて香の仄か★★★

銀紙のチョコ割り枯れた野に座る★★★★
吟行に出かけた折、枯れた野原に座り、チョコレートを食べることは、たまに経験することの一つだ。「銀紙」「チョコレート」「枯れた野」の色彩のイメージが、瀟洒で、そんものの中に置かれた作者も絵になっている。(高橋正子)

●多田有花
春隣日差しと雪が交差する★★★
池の辺に人影は無し冬深し★★★
強霜や朝日を浴びて山へ行く★★★

●桑本栄太郎
天辺のはがれ欠片や雪の花★★★
風雪の傘を斜めや図書館へ★★★★
ヨルダンの砂漠哀しき寒暮かな★★★