5月1日(水)

●小口泰與
桷散るや沼の小魚ライズせり★★★
産土の山つらなりて霞かな★★★
海棠のしべに雫や朝ぼらけ★★★

●多田有花
空青く地に赤く咲きチューリップ★★★
囀りの途切れず続き森陰に★★★
トレイルランナー木陰に休み夏近し★★★

●河野啓一
レンゲ畑青きを覆い淡い雲★★★
白い雲耀く空や五月来る★★★
今日よりは五月愉快に日々のこと★★★★

●黒谷光子
鯉のぼり程よき風をはらみおり★★★
川沿いに竿を並べて鯉のぼり★★★
笑う山迫りて列車トンネルへ★★★★

●小西 宏
水満てる春田ふくらみ白き雲★★★★
水が満たされ、苗代作りが始まろうとする春田。水を満たして春田はゆたかに膨らんで見える。空には白い雲が浮き、春の過ぎ行く田園は、豊作を予感させて麗らかである。(高橋正子)

孫等みな五月生まれよハナミズキ★★★
紫のほのかに敷くや藤の花 ★★★

●下地 鉄
浜百合や手をふる母の遠きかな★★★
葉桜の揺れて美空の数のゆれ★★★
【原句】道端の雫の美しき昼顔花
【添削】道端の雫の美しき花昼顔★★★

●川名ますみ
首都高に車次々風光る★★★
山吹と石垣を越え小さき社祠★★★
おぼろ月散歩の丘をあざやかに★★★