●小口泰與
かげろうに瀞の魚の夕まずめ★★★
きちこうや山の紫紺と湖の紺★★★
ひぐらしや同胞(はらから)集う大広間★★★
●桑本栄太郎
追い越して秋の野を往く新幹線★★★
秋雷の降るとも見えず曇りけり★★★
秋驟雨わが家の上の空だけに★★★
●多田有花
迷い込みし蝶逃がしやる秋の朝★★★
川に水重々しかり秋黴雨★★★
秋雨の時おり激し夜に入る★★★
●古田敬二
輝けり木曽の棚田に夕日射す★★★
露地奥に揺れるコスモス宿場町★★★
葛の花旧国道の壁に咲く★★★
●高橋秀之
長雨の途切れし空に秋夕焼け★★★
食卓に弁当ふたつ休暇明け★★★★
休暇が明け、今日からは、いつもの秩序で学校や業務が始まる。弁当が二つ、きりりと包
まれて食卓に置かれて、気分もあらたに出発である。(高橋正子)
軒先に雀の鳴き声秋の朝★★★
コメント
お礼
高橋正子先生
食卓に弁当ふたつ休暇明けの句に★★★★とコメントをいただきありがとうございました。
何気ない光景ですが、夏休みが終わって日常が戻ってきたと感じた一こまでした