●小口泰與
川風の起ちて影増す蜻蛉かな★★★★
「影増す」の観察がよい。涼しい川風が吹くと、強い日差しを受けてだろう、蜻蛉の飛ぶ影が稲の上に、道にと、あちこち見える。残暑のなかにも、さわやかさが感じ取れる。(高橋正子)
朝靄の中に聞こゆや木の実落つ★★★
露草や忽と消えたり赤城山★★★
●古田敬二
残照の中に涼しき風気配★★★
信号の赤の向こうの百日紅★★★
猫じゃらし全てが風にカーブする★★★
●桑本栄太郎
<高速道の深夜走行にて京都へ>
出発は星の涼しき米子道★★★★
昼間の暑さや混雑を避けて深夜高速道路を走る。故郷へ帰省を済ませた安堵に、星の涼しい高速道路を走るのは、気持ちのよいものであろう。(高橋正子)
ほしづく夜はるか眼下に里灯り★★★
新涼の夜気に背伸びや仮眠あと★★★
●多田有花
鮮やかな夕焼け明日も残暑の日★★★
ときおりは雲に隠れて盆の月★★★
燕去る空に高さの加わりぬ★★★★
いつの間にか燕が去ってしまった空。がらんとした空に、そういえば高さが加わった感じだ。秋空の高さになりつつある。(高橋正子)
●小西 宏
真っ白に花たかく澄み百日紅★★★
丸刈に夏の終わりの優勝旗★★★
残雲や西の明かりの法師蝉★★★
コメント
御礼
高橋信之先生、正子先生
8/22の投句に★印のご指導を賜わり、その上、正子先生には素晴らしい句評を頂き大変に嬉しく感謝申し上げます。有難う御座いました。
今後ともよろしくご指導の程お願い申し上げます。
御礼
高橋信之先生、正子先生
「出発は星の涼しき米子道」の句に★印のご指導を賜り、素晴らしいご句評も賜り大変有難うございます。高速道路の深夜走行は意外に空いていてスムーズでした。京都へ着いてからは、昼過ぎまで爆睡でした。