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7月20日(6名)
廣田洋一
サーファーのめげずに挑む土用波★★★
茄子漬の紺鮮やかに朝の卓★★★★
男の子日傘をたたむ投票所★★★桑本栄太郎
お早うと挨拶交わす木下闇★★★
木洩れ日の舗道行きつつ蝉しぐれ★★★
うつそうと木蔭の道の涼気かな★★★多田有花
田の上を群れて飛ぶなり夏あかね★★★
葉柳の橋越え酒蔵レストラン★★★夏深む酒蔵に桔梗咲き初めし(原句)
酒蔵に桔梗咲き初め夏深む(正子添削)小口泰與
翡翠の鳴き声止めて水中へ★★★
明け六つの日差しは強し茄子の花★★★
上州の風無き日より滝の音★★★土橋みよ
梅雨明けてブルーベリーのぷっくりと★★★★
「ぷっくりと」がいいです。(髙橋正子)
蝉じっと日陰の胡瓜の揺れる葉に★★★★
踏み入れば蜥蜴飛び出る朝の庭★★★上島祥子
蝉時雨大樹が続く朝の径★★★★
法会の経エアコン効かす本堂に★★★
朝涼や投票箱の空を見ぬ★★★7月19日(3名)
多田有花
<西国二十六番・法華山一乗寺三句>
千年の塔億年の山盛夏★★★★
見上げれば光重なる青楓★★★★
霊場の茂りを後に街に向かう★★★桑本栄太郎
木洩れ日を選び行き居りダンゴ虫★★★
蝉しぐれうねりとなりて伸びゆけり★★★
さぐり行くこの世の闇や道おしえ★★★上島祥子
夏の露二粍に宿る朝日かな★★★★白蓮の香慎ましく寺の朝(原句)
どう読ませているのでしょう。少し読みにくさを感じます。(髙橋正子)
白蓮の香の慎ましく寺の朝(正子添削①)
白蓮の香り慎まし寺の朝(正子添削)
「香り慎まし」の部分は、「香りの慎まし」の主格の助詞「の」の省略してあります。青天に荷葉の緑は濃さを増し★★★★
- 7月18日(4名)
- 小口泰與
- 手も足も透ける泉へ鳥の声★★★★
- 翡翠の停止飛行や一直線★★★
- 岩清水掬うもろ手や登山道★★★
- 桑本栄太郎
- 川風に浮かび群れ居り夏あかね★★★★
- 涼風の木陰に入りてひと休み★★★
シャワシャワと鳴けば汗噴く背筋かな★★★ - 多田有花
- <西国二十六番・法華山一乗寺三句>
- 常行堂真夏の光いっぱいに★★★
七月の空と山とに塔があり★★★★ - 水煙の彼方に湧けり夏の雲★★★
- 「夏の雲」の様子が分かると★4つです。(髙橋正子)
- 改作 水煙の彼方に湧き初め夏の雲
- 廣田洋一
- 梅雨明けの風よぎりたる法の庭★★★
- 鷺草や低く構えて法の池★★★
長嶋墓碑黒字となりて梅雨明けぬ★★★
7月17日(4名)
多田有花
蝉の声なき山寺の静けさよ★★★
<西国二十六番・法華山一乗寺二句>
境内に泰山木の咲く寺へ★★★
大緑陰見上げ石段へ向かう★★★
三句とも、句材、景色ともに申し分ないです。(髙橋正子)
廣田洋一
松落葉ふわりと踏みし石畳★★★★
涼風に波打つ如く土手の草★★★
夏野菜引売りを待つ人の列★★★
桑本栄太郎)
朝なれど白雨激しくなりにけり★★★
「朝なれど」の「なれど」が気になります。(髙橋正子)
ぼうぜんと雨を眺める返り梅雨★★★
田舎より二つの箱に夏野菜★★★
「二つの箱に夏野菜」はとてもいいです。(髙橋正子)
小口泰與
翡翠の咥えし魚の丸丸と★★★
青葦の揺れて水輪の広がりし★★★
老鶯や山の小沼へ声をはり★★★
7月16日(5名)
小口泰與
灼熱の清清しさや若葉風(原句)
「灼熱」と「若葉風」は温度感が違うの相いれるのは難しいと思います。若葉風が吹いているのに、なぜ灼熱なのでしょうか。(髙橋正子)
青葦に隠れる野鳥沼の風★★★
風薫るカメラが好きで鳥が好き★★★
多田有花
豆蔦を這わせ地蔵の緑陰に★★★
万緑に包まれ地蔵菩薩立つ★★★
青楓聖観音の立ちにけり★★★
桑本栄太郎
<鳥取の田舎より帰京への道>
山の端に峰雲そだつ中国道★★★
眼の前に稜線せまる雲の峰(原句)
切れが問題です。(髙橋正子)
目の前に稜線せまり雲の峰(正子添削)
赤瓦屋根の灼けおり米子道★★★
川名ますみ
ハンカチを項にあてて僧過ぎぬ★★★
陽が差して都市の医大に揚羽蝶★★★
百日紅花の重さを持て余す★★★
上島祥子
着飾って蛍の庭の闇に入る★★★
向日葵の日の出の向きに咲き揃う★★★★
木槿咲く碧の勢い増す朝に(原句)
「碧」が何の「碧」が示されていないので、はっきりさせるのがいいです。(髙橋正子)
木槿咲く碧の勢い増す空に(正子添削)
7月15日(3名)
多田有花
山門へ続く道なり苔青し★★★
青苔とひとつになりぬ石仏★★★
改作「青苔と化す参道の石仏」
表現として「青苔とひとつになり」がぴったりとしていないです。出来れば、表現は正確なのがいいです。「青苔と化す」の言い方もできます。(髙橋正子)
睡蓮や深閑として山の寺★★★
桑本栄太郎
送電線の嶺より里へ雲の峰★★★
青田波市街地過ぎるモノレール★★★
ハイウェイの山山山や夏木立★★★
川名ますみ
夾竹桃咲いて大樹を顕にす★★★
大笹を傾けて置く星祭★★★★
道渡る灰毛の猫や青葉雨★★★
「灰毛」と「青葉」の色彩感覚がいいです。(髙橋正子)
7月14日(2名)
小口泰與
大利根の淵に集いし鮎の群★★★
集魚灯使いて夜釣り雑魚数多★★★
カ-テンを吸い込む窓や夏の夕★★★
多田有花
パソコンも熱暴走の酷暑なり★★★
玄関に転がされている甜瓜★★★★
期日前投票の人喜雨の中★★★
7月13日(2名)
小口泰與
炎昼や川は退き音変わる★★★
宴席や尻からげして舞いにくる
季語はありますか。(髙橋正子)
浅間より退く雲や田水沸く★★★★
多田有花
入浴をしつつ夜立の音を聞く★★★
夏大根おろして納豆と食す★★★
明日開く蕾隣に蓮開く★★★★
7月12日(3名)
廣田洋一
涼風やテニスラリーの音高し★★★
市役所前直売される夏野菜★★★
餌求め鴎寄り来る船遊★★★
具体的な描写が欲しいです。(髙橋正子)
小口泰與
夏沼の日の退くや鳥去りぬ★★★
山巓は早や土肌や夏の暁★★★
大利根の岸のしりえの青田かな★★★
多田有花
釘を打つ作業の続く夏真昼★★★
「作業」ではなく、五感でとらえた方がいいです。(髙橋正子)
釘を打つ音の続けり夏真昼(正子添削)
ここに咲く野菜畑の隅の百合★★★
ハワイアン聴いて寛ぐ夏夕べ★★★
これだと「ああそうですか」で終わります。具体的な様子がいります。(髙橋正子)
7月11日(3名)
小口泰與
河骨を掻き分け小亀泳ぎたり★★★
昇り来る強き夏月上つ枝越ゆ★★★★
翡翠を待つ間床几に身をまかせ★★★
桑本栄太郎
昼前の山の端早やも雲の峰★★★
日盛りや鳴くもの鳴かず静寂に★★★
「鳴くもの鳴かず」は「静寂に」をあらわしているので、「静寂に」のところに工夫がいります。(髙橋正子)
荷造りの忙しきかな夏の午後★★★
多田有花
草刈の音高らかに夏の朝★★★
茄子焼いてめんつゆに浸し食べにけり★★★
並列のし過ぎです。(髙橋正子)
グラジオラスマリア像の足元に★★★★
コメント
自由な投句箱
★翡翠の咥えし魚の丸丸と
★青葦の揺れて水輪の広がりしい
★老翁や山の小沼へ声をはり
お礼
正子先生
「青苔とひとつになりぬ石仏」に添削をいただきありがとうございます。
「青苔と化す参道の石仏」としました。
赤穂藩浅野家の菩提寺が加西市の山の中にあります。
そこの参道脇の石仏なのですが、形から石仏だろうなという程度まで摩耗していて苔に覆われていました。
Unknown
お礼
正子先生
7/16の句に星のご指導と添削をありがとうございました。
自由な投句箱
★手も足も透ける泉へ鳥の声
★翡翠の停止飛行や一直線
★岩清水掬うもろ手や登山道
お礼
正子先生
「水煙の彼方に湧きおり夏の雲」にご指導をいただきありがとうございます。
「水煙の彼方に湧き初め夏の雲」としました。
一乗寺は兵庫県加西市にあります。
内陸の平野部で、昼頃から周囲の山々に雲が湧き始めます。
積乱雲の子どもがこれから成長を始めるところです。
Unknown
お礼
正子先生
7/19の句に星のご指導と添削をありがとうございました。