6月22日(土)

●小口泰與
わたすげや戦場が原雲も無し★★★★
戦場ヶ原は日光の高層湿原。雲もなく晴れた湿原にわたすげが咲き、男体山などの山々が見渡せる高層湿原の清々しい風景。その良さが句となった。(高橋正子)

新緑の龍頭の滝の荒きかな★★★
桷咲くや光徳沼へ牛の声★★★

●迫田和代
梅雨おして訪ねた人の優しさに★★★
海のもの防風探しで浜をゆく★★★
月見草ある人言った富士に合う★★★

●多田有花
夏至の朝三日続きの雨を聞く★★★
売られたる田に夏草の生い茂る★★★
花に深く入りて蜜吸う揚羽蝶★★★

●河野啓一
遺伝子を大事に詰めて枇杷実る★★★
取り出せば大きく堅い枇杷の種★★★
荒梅雨の去りて生駒の山青し★★★

●桑本栄太郎
高きもて天を開くや立葵★★★
見上げいる空せめぎ合い青楓★★★
うたた寝の樂となりけり夏至の雨★★★

●小西 宏
夏至の日のゴールキーパー遠く蹴る★★★
梅雨の朝ひかり差し来る窓の青★★★
旅客機の近づいていく梅雨の月★★★


コメント

  1. 小口泰與
    2013年6月24日 9:14

    御礼
    高橋信之先生、正子先生
    「わたすげ」の句に★印のご指導を賜わり、その上、正子先生には素敵な句評を頂き有難う御座いました。
    先日、日光へ行った時見たままを詠わせて頂きました。
    今後ともよろしくご指導をお願い致します。