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6月10日(5名)
小口泰與
翡翠の葦より忽と飛び込みし★★★
牛蛙鳴きて小沼を支配せり★★★
 - がうがうと蝦蟇鳴く声や沼奪う★★★
 - 多田有花
 - 梅雨空や「にちりん」はメタリックグレー★★★
 - 夏浅きみかんのベンチの津久見駅★★★
親族が集いて食すところてん★★★ - 桑本栄太郎
 - 雨脚の予想ならずや梅雨の朝★★★
荒梅雨や雨脚ついて買い出しに★★★
堰水のうねり怒涛の梅雨入りかな★★★ - 廣田洋一
 - 山道の碑文字くっきり額の花★★★★
 - 入梅やタイミン竹の小さき花★★★
雨しとどいよよ色濃く七変化★★★ - 上島祥子
 - 千歳経る御木曳祭や令和夏★★★
雨音に目覚める朝や梅雨に入る★★★
早苗田の水を湛えて梅雨に入る★★★★ - 小口泰與
 - 翡翠の写真閲する事多し★★★
 - 山の沼あ向きこ向きに翡翠よ★★★
翡翠の木隠る天に大鳥よ★★★ - 多田有花
 - 宿に入り途端に降り出す驟雨かな★★★
 - 梅雨入や日向国の雨の朝★★★★
 - 「にちりん」で梅雨の日向を後にする★★★
 - 廣田洋一
 - 雑賀屋の白壁光る夏の朝★★★
 - 紫陽花の上に聳ゆる五重塔★★★
 - 山紫陽花夫々名乗り法の山 ★★★
 - 多田有花
 - <観光列車36ぷらす3三句>
 - 旅人が降り立つ初夏の無人駅★★★★
ハンバーガー銀杏若葉の下で食ぶ★★★
日向夏のポストのありし駅に着く★★★ - 廣田洋一
 - ぽろぽろと坂道に降る桜の実★★★
 - 鷺草や飛び立つ姿保ちおり★★★
 - 雨続き濁流となる夏の川★★★
 - 廣田洋一
 - 柏葉紫陽花白き花弁連ねおり★★★
 - 半裸にてランニングせる外国人★★★
 - 丸窓の向こうに見ゆる花菖蒲★★★
 - 多田有花
 - <観光列車36ぷらす3三句>
 - 田の神のおわす広場に楝咲く★★★★
 - 田の神のおわす広場に花楝 としてもいいかも知れません。
 - 石楠花や人の姿はなけれども★★★
そぞろ歩けば川べりに花空木★★★ - 小口泰與
 - 賑やかな鳴き声さやか夏鶯★★★
 - 十本の牡丹薫ずる庭真中★★★
山険し碓氷湖のある夏の径★★★ - 桑本栄太郎
 - 堰水の怒涛となりぬ走り梅雨★★★
 - 真夏日の木蔭に憩う散歩かな★★★
午後よりの雨の予報や花南天★★★ - <観光列車36ぷらす3三句>
 - 集落より見上ぐ列車と山若葉★★★★
はつなつの無人駅にあるギャラリー★★★
石竹を咲かせ静かな村里に★★★ - 小口泰與
 - 袷着て連れ合いと飲む酒の味★★★
 - 雨の中匂爽やかスイトピー★★★
 - あけぼのの古りたる森の夏鶯★★★★
 - 桑本栄太郎
 - 木洩れ日の涼風来たる散歩かな★★★
 - 植込みの花ひとつずつ揚羽蝶(原句)
 - 元の句は、「ひとつずつの花が揚羽蝶」の意味になります。
 - 植込みの花ひとつずつに揚羽蝶(正子添削)
 - チャイム鳴り朝の始業や夏日さす★★★
 - 廣田洋一
 - 老鶯や声澄み渡る法の庭★★★
 - 青空に紅く縁取り額の花★★★★
紫の苑に際立つ白菖蒲★★★ - 上島祥子
朝涼のラジオ体操声軽し(原句) - 朝涼のラジオ体操声軽く(正子添削)
 - 「軽し」終止形にするより、「軽く」のほうが、軽さが出ると思います。(髙橋正子)
 - 水筒に音の生まれる氷水★★★★
 - 季語としての「氷水」は、かき氷のこと。この句は、夏暑い時に水筒に氷を入れて冷たくした水の意味で使っている。現代の生活の言葉として、句意がはっきりしているので、許される使用範囲と思う。むしろ「氷水」をかき氷の意味で使う人は俳句以外ではほとんどいないのではと思われる。(髙橋正子)
 - 夏帽子インドリボンは蝶結び ★★★
 - 多田有花
 - <観光列車36ぷらす3三句>
 - 和太鼓の音のせていく若葉風★★★
新緑を映す車体が停車する★★★★
若葉が包む大隅大川原駅★★★ - 桑本栄太郎
 - Tシャツのサイズ大きめ夏きざす★★★★
真夏日や満艦飾の濯ぎもの★★★
沙羅咲くや風のうわさに耳澄ます★★★ - 上島祥子
 - 北窓に白く芒種の朝陽差す★★★★
透百合蕾解ける朝の陽に★★★★
塀を越す昼顔朝陽の正面に ★★★★ - 小口泰與
名を呼びて愛犬供養初夏の星★★★
上州の山見て暮らす西日かな★★★
日盛りに池の魚の浮にけり★★★ - 廣田洋一
 - 梅の実のぽろり転がる遊歩道★★★
 - 川べりの風にゆらゆら花ダチュラ★★★
夏暖簾軒先広き老舗かな★★★ - 多田有花
 - <観光列車36+3三句>
 - 新樹光大川組子の文様へ★★★
山若葉霧島神宮駅に着く★★★
緑さす子らの出迎えを受ける★★★ - 桑本栄太郎
 - こつ然と雲の湧き出で青あらし★★★
 - 前梅雨の暗雲刻と集いけり★★★★
 - 枇杷の実のほのと黄色や雨上がり★★★
 - 土橋みよ
 - 暖簾揺れ香りほのかな涼み蕎麦★★★
 - 夏帽子揃って踊る運動会★★★
 - 山法師ひとひらふたひら雨に散る★★★
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 - 上島祥子
 - 夏燕佰円ショップに居を定め★★★
十薬の刈られ香増す陰の庭★★★
落実の青梅草に紛れたり★★★★ - 雨の中木木に生えたる苔の森★★★
 - 白絣着てまた燗酒を聞し召す★★★
 - サングラスして段段畑耕せり★★★
 - 多田有花
 - <観光列車36+3三句>
 - 風薫る/ピアノブラック/金の星
 - この句は3段切れになっています。3段切れが悪いわけではないですが、句意にまとまりがないのがいけません。前書きがありますが、「金の星」がわかりにくいです。(髙橋正子)
 - 弁当や夏の車窓の小風呂敷
 - 「車窓の小風呂敷」の意味が不明です。(髙橋正子)
かれい川弁当新緑ながめつつ★★★ - 廣田洋一
 - 青嵐長嶋選手昇天す★★★
 - 夏料理皆で味わうクラス会★★★
 - 乾杯の声に合わせて生ビール★★★
 - 上島祥子
 - 雨垂れに花鞠弾む濃紫陽花★★★★
濃紫陽花カフェ開店の目印に★★★
夏の雨青傘続く通学班★★★ 
6月9日(3名)
6月8日(3名)
桑本栄太郎
<京都四条大橋界隈より>
外つ人のラーメン店へ夏日かな★★★
鴨川のはるか北山夏かすみ★★★
屋根被う風の行方や川床座敷★★★
6月7日(5名)
川名ますみ
青梅にまだ残りある陽のぬくみ★★★★
そっともぐ鉢の梅の実ぬくもれり★★★
梅実もぐときの軽さと実の重さ★★★
6月6日(5名)
多田有花
6月5日(3名)
6月4日(6名)
6月3日(4名)
小口泰與
6月2日(5名)
小口泰與
切岸に見え隠れする翡翠の巣★★★
鎌首を上げてくちなは泳ぎけり★★★
朽ちつつも若葉の中の無住寺★★★
廣田洋一
- 黒南風やビニールで覆う植木鉢★★★
 - 夏暖簾揃いてかかげ割烹店★★★
 - 垣越えてなだれ咲きたる濃紫陽花★★★
 
- 多田有花
 - かるかんや初夏の観光列車待つ★★★
 -   <観光列車36+3二句>
漆黒の車体薄暑のホームに入る★★★
グリーン車は畳敷なり夏浅し★★★ 
- 桑本栄太郎
 - 紫陽花の岸にカフェある高瀬川★★★
 - 日が差せば屋根付きなりぬ川床座敷★★★
 - 泰山木の花の妖艶なるが木に★★★
 - 上島祥子
 - 子と選ぶアウトレットや衣替★★★
 - 喪の明けて明るいシャツや衣更★★★★
 - 夏山を一望にして杖二本★★★★
 
6月1日(5名)
小口泰與
菓子好きが菓子屋に生まれ生ビール★★★
翡翠の綺羅らに光る眼かな★★★
利根川の波のきらめき五月かな★★★
- 多田有花
 - 夏の夕さすが薩摩の薩摩芋★★★
 - 短夜を市電に乗りて戻りけり★★★
 - 鶏飯の朝食薩摩の夏の朝★★★
 
- 廣田洋一
 - 黒南風や帆柱揺れる湘南港★★★★
 - 夏暖簾そよりと揺れて和菓子店★★★
 - 一斉に新樹の並木戦ぎけり★★★
 
- 桑本栄太郎
 - 風吹けば枝先躍る筒あじさい★★★
 - せせらぎの水面に浸かる四葩かな★★★
 - 外つ人の観光バスへ若葉寒む★★★
 
- 上島祥子
 - 朝涼やラジオニュースは隣家から★★★★
花殻の切り戻されて薔薇新緑★★★
黒南風や迫る和太鼓学舎から★★★ 
コメント
お礼
正子先生
「風薫るピアノブラック金の星」に添削をいただきありがとうございます。
金の星とは、観光列車36+3の車体のデザインを意味します。
ピアノブラックの艶やかな塗装に金色の星とエンブレムが施され、とても印象に残るのです。
この感じを表現したかったのですが、的を絞ればよかったかと思っています。
お礼
正子先生
「弁当や夏の車窓の小風呂敷」にご指導いただきありがとうございます。
観光列車36+3で出るお弁当はオリジナルの小風呂敷に包まれていました。
バンダナ程度の大きさで、食べた後はこれを持ち帰ることができます。
JR九州のアイデアがいいなあと思い、句にしたいと思いました。