5月9日(木)

小口泰與
花桐や嶺に渦まく雲一朶★★★
朝日射す志賀高原の初夏の色★★★
嬬恋の星や風生む桷の花 ★★★

佃 康水
芹の花倒して堰の水速し★★★★。
堰の下に育っている芹は堰の水に押し倒されながらも、水の流れをやり過ごして咲いている。芹の花を押し倒した水はどんどんと流れる。どちらもがあって、初夏の清流と芹の花が生き生きとなった。(高橋正子)

大釜で筍茹でる通し土間★★★
葉隠の青梅つぎつぎ見つかりぬ★★★

藤田裕子
遠足の列の賑わい楠並木★★★★
葉桜の一木大きく窓を占め★★★
路地裏を人声透る風五月★★★

河野啓一
森青くしんと静まる空の下★★★
森の辺の萱葺き屋根の鯉のぼり★★★
柿若葉大きくなりて吾を招く★★★

桑本栄太郎
茅花咲く校舎の土手にチャイムかな★★★
窓よりの授業の声や若葉吹く★★★
みどり児を遠くに想い胡桃咲く★★★

下地鉄
向日葵の頭(こうべ)重たき日暮かな★★★
鶏頭の揺れて日の影重きかな★★★
母の日や海鳴り遠く過ぎゆけり★★★


コメント

  1. 佃 康水
    2013年5月14日 15:31

    お礼
    正子先生
    5/9日の句へ★印のご指導を有り難うございます。また「芹の花倒して堰の水速し」の句へ素晴らしい句評を頂き感謝申上げます。堰を落ちる水が豊かで何本かが倒されながらも流れに揺られて美しく咲いていました。これを励みに益々精進致したいと思います。