5月24日(金)

●小口泰與
雲速し影におののく目高かな★★★
沛然や蟻の溺れる野路の昼★★★
雷鳴に藁を落とせし鴉かな★★★

●河野啓一
初夏の瀬戸入り江の白く輝きて★★★★
万緑を越えし谷間に湯の香り★★★
万緑やパラグライダーふわり浮く★★★

●下地鉄
野良猫の瞑りて休む浜海桐★★★
マーガレット激しくゆれるラッシュアワー★★★
梔子の花萎びるも香りかな★★★

●多田有花
快晴の谷に響きし不如帰★★★
飛行機雲青条揚羽の乱舞する★★★
【原作】青空や青葉若葉の下をゆく
【信之添削】青空や青葉若葉の下ゆけば★★★★
もとの句は、「や」と「ゆく(終止形)」で切れが二つあります。
青葉若葉の勢いに抗するかのように、青空に力がみなぎっている。(高橋正子)

●黒谷光子
緑陰に海上無事をと石地蔵★★★
神宮へ園児の列や緑さす★★★
御手洗のみどり揺らせて流れゆく★★★

●桑本栄太郎
バスでゆく青葉若葉や本通り★★★
山法師木陰の風のみどりかな★★★
緑青の出でし垣根や薔薇の花★★★


コメント

  1. 河野啓一
    2013年5月25日 21:49

    お礼
    いつもご指導を賜りお礼申し上げます。「初夏の瀬戸」の句に4★頂戴し、大変うれしく存じます。有り難うございました。

  2. 多田有花
    2013年5月26日 18:31

    お礼
    信之先生、正子先生、
    「青空や青葉若葉の下ゆけば」に添削ご指導いただきありがとうございます。切れについて勉強になりました。
    このところ、晴天続きで夏の日差しがあふれ、ご句評いただいたとおりの青空です。