5月13日(月)

小口泰與
青き空青き滝落つ朝ぼらけ★★★
老鶯や朝の赤城の紫紺なり★★★
折敷の口を開きしつばめの子★★★

河野啓一
空晴れて茶摘の里を訪れぬ★★★
煌めける新芽を摘みて一番茶★★★
葱坊主二本並んで元気よく★★★

多田有花
<兵庫県立フラワーセンター三句>
石楠花の数多に酔える木陰かな★★★★
鯉のぼり池を跨いで花に舞う★★★
芍薬の玉の蕾が開き初む★★★

黒谷光子
城跡へ過ぎる竹林著莪の花★★★
城跡の山に見下ろす初夏の湖★★★
城址下り木香薔薇の垣根沿い★★★

桑本栄太郎
チチチチとすずめ窓辺の夏日かな★★★
竹林にひかり透き込み竹落葉★★★
新緑の影の瀬波や高瀬川★★★

小西 宏
一本のカーネーションを手に家路★★★★
「一本の」に心境というか、物語があって惹かれる。商店街を歩いていて、母の日のプレゼントでもらった一本か、また自分で買った一本か。一本で足りる感謝の十分な気持ちというのがいい。(高橋正子)

薫風の部屋透き抜けて犬の背に★★★
父と子の小さきバケツ蛇苺★★★


コメント

  1. 小西 宏
    2013年5月14日 18:17

    お礼
    高橋正子先生
    「一本のカーネーションを手に家路」に素敵なお言葉をお贈りくださり、たいへんありがとうございました。一本だけ買ったものものかどうか分かりませんが、ノーネクタイではあってもこざっぱりとした服装の青年が住宅街のほうへ歩いていきました。ちょっと照れくさそうな愛情が感じられて、花束よりももっと素敵に見えました。