4月20日(土)

●藤田裕子
朝晴れし稜線宙に山霞む★★★
鍋に入れ緑うるわし生若布★★★
山風の街筋やさしつつじ咲く★★★

●小口泰與
爆ぜ菓子や蘇枋ふくらむ夕まぐれ★★★
青空へ鬨声あげし名の木の芽★★★
摘みてきて蕨三和土にひろげあり★★★★
三和土(たたき)に広げられた蕨にこの時期のほどよい「湿り」を感じる。三和土のある家の薄暗がり、蕨の色とその湿り具合は、日本の湿潤な古くからの暮らしの象徴のようだ。(高橋正子)

●河野啓一
春は行く川の流れのそのように★★★
朝の日に背中のぬくみ春惜しむ★★★
夏隣り艶めいて今樹々の色★★★

●桑本栄太郎
菜の花の天井川の黄明かりに★★★
白壁の土塀つらなり柿若葉★★★
暮れ残る夕日に高きすいばかな★★★
夕日が斜めから差して、すっくと伸びた、赤いすいばの花を染めている。すいばの花が郷愁を感じさせて、やさしく詠まれている。(高橋正子)


コメント

  1. 小口泰與
    2013年4月22日 10:52

    御礼
    高橋信之先生、正子先生
    「蕨」の句に★印のご指導を賜わり、その上、正子先生には素晴らしい句評を頂き、有難う御座いました。

  2. 桑本栄太郎
    2013年4月23日 18:33

    御礼
    高橋信之先生、正子先生
    「すいば」の句に★印のご指導を賜り、嬉しいコメントも頂戴しまして大変有難うございます。あちこちで見かけますすいばの穂も背丈がかなり伸び、晩春の情緒を覚えます。