4月7日(5名)
上島祥子
チューリップ独りの朝の窓に咲き
寄せ植えて春水仙の白々と
春河に風の生まれて鳥空へ
土橋みよ
大光山宝徳寺3句
花映す漆の床の揺らぎけり
市松の新しき畳や春日差
笠地蔵に桜散りゆく雨の朝
廣田洋一
ほっとして見上げる空や春の暮
花吹雪道を渡りて行きにけり
竹林の風さやさやと百千鳥
小口泰與
赤き葉の今朝は緑や春のばら
木木の芽のあふれ出でたる森の春
一斉に若葉走りて梅古木
多田有花
里桜山の桜と揃い咲く
<増位山随願寺二句>
開山堂染井吉野を従えて
石灯籠脇に香りぬ沈丁花
4月6日(3名)
多田有花
やや色を持ちて咲きおる山桜(原句)
やや色を持ちて咲きけり山桜(正子添削)
「けり」は詠嘆の意味がありますが、それは「気づき」の意味にもなります。(髙橋正子)
ぽっと咲く忘れられたるヒヤシンス★★★★
遠山は雨に煙りぬ山桜★★★★
小口泰與
春雨やこなから酒をたしなみし(原句)
春雨やこなから酒のほどよきに(正子添削)
ばらの葉の一糸まとわぬ雨の中(原句)
「ばら」は夏の季語ですが、「ばらの葉」は、季語とするには弱いです。(髙橋正子)
ばらの葉の一糸まとわず春の雨(正子添削)
枝枝に緑の若葉梅古木(原句)
梅古木緑の若葉枝枝に(正子添削)
語順をかえると、すっきりします。(髙橋正子)
廣田洋一
宿主の勧めるままに海雲汁★★★
花筏ゆるゆる流る街の川(原句)
街川をゆるゆる流る花筏(正子添削)
生垣のあたりを赤く椿散る★★★
4月5日(3名)
多田有花
堀をゆく和船よ今日は花見舟★★★★
花あればさらに華やぎ姫路城
花ありてさらに華やぎ姫路城(正子添削)
嵐来る復活祭を前にして★★★★
廣田洋一
雲のごと道を覆える桜かな★★★★
道端の一輪咲きし躑躅かな★★★
閉ざされし店を眺めつ花馬酔木★★★
川名ますみ
花冷の空に白さのひろがりぬ★★★★
花の雨寄り添い宿る山羊二頭★★★★
花のことばかり話せし週となり★★★★
4月4日(4名)
多田有花
倒れ伏すごとく咲きおる桜かな★★★★
愛犬と花見の宴や姫路城★★★
花見客妻と桜を写しおり★★★
廣田洋一
人気なき朝の公園緑立つ★★★★
膨らみて花びらこぼすチューリップ★★★★
母の声子の声混じる春の暮★★★
「母の声子の声混じる」がいいです。(髙橋正子)
川名ますみ
木の芽風遙かな空のひかりより★★★★
晴れずとも明るき空に木の芽雨(原句)
晴れずとも明るき空の木の芽雨(正子添削)
芽起こしの晴れざる空の明るさよ★★★
上島祥子
春祭神馬の瞳の潤むかな★★★★
春祭駒の蹄の音丸し★★★★
花残る枝に繋がる祭馬★★★★
4月3日(3名)
多田有花
花時の登城を待ちぬ人の列★★★
国際色さらに豊かな花見かな★★★
城仰ぎ桜を仰ぎ歩きけり★★★★
廣田洋一
夕日浴び赤く光れる桜花★★★★
三葉躑躅朝日を浴びて照渡り★★★★
庭の隅白さ際立つ花薺★★★
川名ますみ
まだ誰も踏まぬ花屑水たまり★★★★
新しき飛花ばかりなる水たまり★★★★
水たまり小さき花筏をなせる★★★
4月2日(4名)
川名ますみ
満天星を揺らさぬほどの雨の朝★★★★
山桜明るき雨にしらしらと★★★★
山桜明るき雨のしらしらと(正子添削)
元の句は、俳句としては良い句です。添削例としての句は、「雨のしらしらと」にすると、雨がしらしらしているのは、山桜の花の色のせいでもあると感じられます。山桜と雨が行き交うと「詩」が立ち上がります。これは詩の本質です。なぜ、こんな事を言うかといいますと、「雨に」が少し説明に感じられるからです。(髙橋正子)
花の雨ときに止めたる車椅子★★★★
土橋みよ
靴の音や満天星咲き初む庭の朝(原句)
満天星の咲き初む庭や靴の音(正子添削)
小さき蝶松蔭出でて寺の庭(原句)
松蔭を出できて蝶に寺の庭(正子添削)
水際の木刈りしあと春の庭(原句)
水際の木刈られて春の庭すがし(正子添削)
「刈られしあと」の「かられし」の「し(過去の助動詞きの連体形)」は、過去をあらわしているので、それはすでに「あと」のことなのです。
廣田洋一
ぱらぱらと雨で始まる四月かな★★★★
緑の葉共に開きて桜かな★★★
景をなす銀座の柳揺れており★★★
多田有花
花見弁当持って出かける姫路城★★★
五分咲きの桜天守に映えており★★★
それぞれに敷物敷いて花の下★★★
4月1日(2名)
上島祥子
一日の雨の終わりや虹かかる(原句)
一日の雨の終わりや春の虹(正子添削)
原句は、リズムが滑らかでよいのですが、「虹かかる」の「かかる」が、あることで、虹の像が立ちにくくなっています。「虹」は夏の季語です。(髙橋正子)
花の色沈めて雨に散り敷ける(原句)
花は色沈めて雨に散り敷ける(正子添削)
もとの句は、「花の色」を沈めるのは、何か(誰か)、主体がが曖昧です。(髙橋正子)
切り株にひねもす雨やすみれの野★★★
多田有花
谷渡る道に近かり山桜(原句)
谷渡る道のほとりの山桜(正子添削)
「近かり」が説明。写生に寄せるといいです。(髙橋正子)
シャッターをくぐり飛び出す初燕★★★
「シャッターをくぐり」が具体的すぎます。(髙橋正子)
対岸より鶯の声幾たびか★★★
コメント
正子先生
「シャッターをくぐり飛び出す初燕」を
「田の上を軽やかに飛び初燕」としました。
水田が周りにある農家の倉庫のシャッターが半分開いており
そこからツバメが出てきたのです。
情景がわかりました。改作の句は、別の句になりましたね。どちらの句に自分の気持ちがよく出ているかですが。元の句はシャッターから燕が飛び出て来て、それが今年初めてみた燕だったという一瞬のおどろきです。それが言いたいのなら、原句のほうがいいです。
正子先生
ご指導をいただきありがとうございます。
状況は、ひとつながりになっています。
農家の倉庫のシャッターが半分だけ降りているので
「なぜだろう」と思いながら歩いていると、
中からツバメが飛び出てきて前の田の上をくるっと飛びました。
覗いてみると大きな倉庫の梁に等間隔に
いくつものつがいのツバメが巣づくりの最中でした。
正子先生、いつも懇切なご指導をありがとうございます。
昨日、近所の動物公園へお花見に連れて行っていただきました。明るい雨の中で、いつもの年とは違った景色に出逢えました。
「山桜」の句にいただきました添削とご講評に、そうか、と納得いたしました。「しらしらと」が、山桜と雨のどちらにかかるか、わかりやすくしなければと思い、語順を入れ替えたりしておりました。そうではなく、山桜と雨が行き交うことで、詩が立ち上がるのですね。冒頭に「山桜」があるのですから、続いて「雨のしらしらと」とあれば、山桜の色も当然、雨にかかわってきますね。この方が、ずっと詩情があって、美しいです。ありがとうございました。
正子先生
4月2日の3句に添削とご指導に感謝いたします。
語順、助詞の使い方、意味の重複を避けることに気を付けることによって、何気ない句が魔法のように趣深い句になることにいつも驚いております。また、原句と添削句を並べてみて、足りなかった部分がよくわかりました。有難うございました。最近、暖かくなり、庭の様子が急に変わってゆくのを感じております。今後もご指導よろしくお願い申し上げます。
4/1の投句に星のご指導と添削を有難うございました。虹の季節の間違いはお恥ずかしい限りです。助詞のご指導有難うございました。添削句が句意がはっきりするのがわかりました。
正子先生
4月5日投句
「花あればさらに華やぎ姫路城」を
「花ありてさらに華やぎ姫路城」に
添削ご指導いただきありがとうございます。
姫路城に桜が咲いて、
さらに城の美しさが際立っている、という感覚が
添削いただいた句から伝わってきます。
正子先生
4月6日の投句3句を添削していただき有難う御座いました。大変勉強になりました。今後ともよろしくご指導のほどお願い申し上げます。
高橋正子先生
4月6日の花筏の句を添削して頂き有難うございます。
今後とも宜しくご指導の程お願い申し上げます。