4月2日(4名)
川名ますみ
満天星を揺らさぬほどの雨の朝★★★★
山桜明るき雨にしらしらと★★★★
山桜明るき雨のしらしらと(正子添削)
元の句は、俳句としては良い句です。添削例としての句は、「雨のしらしらと」にすると、雨がしらしらしているのは、山桜の花の色のせいでもあると感じられます。山桜と雨が行き交うと「詩」が立ち上がります。これは詩の本質です。なぜ、こんな事を言うかといいますと、「雨に」が少し説明に感じられるからです。(髙橋正子)
花の雨ときに止めたる車椅子★★★★
土橋みよ
靴の音や満天星咲き初む庭の朝(原句)
満天星の咲き初む庭や靴の音(正子添削)
小さき蝶松蔭出でて寺の庭(原句)
松蔭を出できて蝶に寺の庭(正子添削)
水際の木刈りしあと春の庭(原句)
水際の木刈られて春の庭すがし(正子添削)
「刈られしあと」の「かられし」の「し(過去の助動詞きの連体形)」は、過去をあらわしているので、それはすでに「あと」のことなのです。
廣田洋一
ぱらぱらと雨で始まる四月かな★★★★
緑の葉共に開きて桜かな★★★
景をなす銀座の柳揺れており★★★
多田有花
花見弁当持って出かける姫路城★★★
五分咲きの桜天守に映えており★★★
それぞれに敷物敷いて花の下★★★
4月1日(2名)
上島祥子
一日の雨の終わりや虹かかる(原句)
一日の雨の終わりや春の虹(正子添削)
原句は、リズムが滑らかでよいのですが、「虹かかる」の「かかる」が、あることで、虹の像が立ちにくくなっています。「虹」は夏の季語です。(髙橋正子)
花の色沈めて雨に散り敷ける(原句)
花は色沈めて雨に散り敷ける(正子添削)
もとの句は、「花の色」を沈めるのは、何か(誰か)、主体がが曖昧です。(髙橋正子)
切り株にひねもす雨やすみれの野★★★
多田有花
谷渡る道に近かり山桜(原句)
谷渡る道のほとりの山桜(正子添削)
「近かり」が説明。写生に寄せるといいです。(髙橋正子)
シャッターをくぐり飛び出す初燕★★★
「シャッターをくぐり」が具体的すぎます。(髙橋正子)
対岸より鶯の声幾たびか★★★
コメント
正子先生
「シャッターをくぐり飛び出す初燕」を
「田の上を軽やかに飛び初燕」としました。
水田が周りにある農家の倉庫のシャッターが半分開いており
そこからツバメが出てきたのです。
情景がわかりました。改作の句は、別の句になりましたね。どちらの句に自分の気持ちがよく出ているかですが。元の句はシャッターから燕が飛び出て来て、それが今年初めてみた燕だったという一瞬のおどろきです。それが言いたいのなら、原句のほうがいいです。
正子先生
ご指導をいただきありがとうございます。
状況は、ひとつながりになっています。
農家の倉庫のシャッターが半分だけ降りているので
「なぜだろう」と思いながら歩いていると、
中からツバメが飛び出てきて前の田の上をくるっと飛びました。
覗いてみると大きな倉庫の梁に等間隔に
いくつものつがいのツバメが巣づくりの最中でした。
正子先生、いつも懇切なご指導をありがとうございます。
昨日、近所の動物公園へお花見に連れて行っていただきました。明るい雨の中で、いつもの年とは違った景色に出逢えました。
「山桜」の句にいただきました添削とご講評に、そうか、と納得いたしました。「しらしらと」が、山桜と雨のどちらにかかるか、わかりやすくしなければと思い、語順を入れ替えたりしておりました。そうではなく、山桜と雨が行き交うことで、詩が立ち上がるのですね。冒頭に「山桜」があるのですから、続いて「雨のしらしらと」とあれば、山桜の色も当然、雨にかかわってきますね。この方が、ずっと詩情があって、美しいです。ありがとうございました。
正子先生
4月2日の3句に添削とご指導に感謝いたします。
語順、助詞の使い方、意味の重複を避けることに気を付けることによって、何気ない句が魔法のように趣深い句になることにいつも驚いております。また、原句と添削句を並べてみて、足りなかった部分がよくわかりました。有難うございました。最近、暖かくなり、庭の様子が急に変わってゆくのを感じております。今後もご指導よろしくお願い申し上げます。