●古田敬二
川風に乗り上昇の初黄蝶★★★★
川風の吹きあがる心地よさが、黄蝶を喜ばせているように思える。上昇の川風も黄蝶も新鮮だ。(高橋正子)
木蓮の昼の光を受け零す★★★
初蝶に追い越されゆく風の中★★★
●小口泰與
ごうごうと吹く風厳し春なかば★★★
大いなる雪消の浅間鳥の声★★★★
梅園や犬種いろいろ集いおり★★★
●多田有花
薄曇るなかに咲き初む彼岸桜★★★★
春の朝猫の夢見て目覚めけり★★★
昼食はきつねうどんや春の雨★★★
●桑本栄太郎
淡々とさみどり育て木の芽雨★★★
中腹の十字架高き木の芽山★★★
との曇る空の夕べや誓子の忌★★★★
●小西 宏
花一つ二つ開いて夜の雨★★★★
ついに雨になってしまった夜であろう。桜が一つ二つと咲きかけた夜の雨が匂わしい。(高橋正子)
船包み煌めく海や落椿★★★
桜芽に色零れ出ず広き枝★★★
コメント
御礼
高橋信之先生、正子先生
3/26の投句に★印のご指導を賜り大変にうれしく感謝申し上げます。今後ともよろしくご指導の程お願い申し上げます。
御礼
高橋信之先生、正子先生
3月26日の投句「との曇る空の夕べや誓子の忌」の句に★印のご指導を頂戴しまして大変有難うございます。26日の当地は朝から一日中しとしとと春雨が降り、天と地の境目がまったくない夕方でした。戸外の木の芽の芽吹きを眺めながら、4Sの一人と言われた山口誓子のこれから春爛漫を迎える時の忌日に想いを馳せました。
お礼
高橋正子先生
「花一つ二つ開いて夜の雨」へのお言葉、たいへんありがとうございます。ようやく桜の開花です。一輪、二輪と枝に灯る花の明かりが、夜の雨の中にしっとりと浮かび上がっています。