3月20日(水)

●小口泰與
うららかや和紙に包まる京和菓子★★★
摘みてきし蕨ひろごる三和土(たたき)かな★★★
言いさして忽と桜をほめにけり★★★

●河野啓一
耕して今日蒔く種は蓮華草★★★★
水草生う狭庭の池に水多少★★★
朝空の雲まろやかに春彼岸★★★

●佃 康水
溢れ咲く白木蓮へ空の青★★★
洗い桶きしきし剥がす春キャベツ★★★
声かけて枝に餌を挿す春の朝★★★

●下地鉄
踏まれてもいとしき花のすみれかな★★★
春分の娘と旅の打ち合わせ★★★
囀りの臥所に残るしずけさよ★★★★

●黒谷光子
小鮎鍋のぞきて煮汁確かめる★★★
小鮎煮て西と東の娘の家に★★★
あたたかや行く度娘の家近くなる★★★

●多田有花
梅の咲く坂を上りて墓参り★★★
鶯の声を間近に墓参り★★★
お彼岸や墓参の後のきな粉餅★★★

●川名ますみ
春宵の窓より未だ子らの声★★★
ランナーら辛夷の樹下に休憩す★★★
花辛夷ランナー一人ずつ休み★★★

●高橋秀之
新芽吹く全てが上へ空へ向く★★★
★「新芽吹く」は季語となりません。秋でも春でも、新芽が芽吹きます。「芽吹く」は春の季語です。

満開の桃の花並ぶ週回路★★★★
水洗いしてまな板へ春野菜★★★

●桑本栄太郎
駒返る草のみどりや朝の土手★★★
庭石へ供花のごとくや落つばき★★★
すくすくと空に伸び居り花梨芽木★★★

●小西 宏
彼岸の坂花束膝に車椅子★★★
たんぽぽを見つけたと児の知らせくる★★★
春分やピザを買い来て焼き直す★★★

※好きな句の選とコメントを<コメント欄>にお書き込みください。


コメント

  1. 河野啓一
    2013年3月21日 19:04

    お礼
    ★耕して今日蒔く種は蓮華草 に星印によるご指導を賜り有り難うございました。淀川土手に草花を育てようという運動をテレビで見たのをヒントに致しました。以前自分で蒔いた時にはうまくいきませんでしたが。

  2. 高橋秀之
    2013年3月21日 21:53

    お礼
    高橋正子先生

    「新芽吹く」のご指導をいただきありがとうございました。
    歳時記を見ずに思い込みでした、これからは気をつけます。
    また、満開の桃の花並ぶ週回路の句に★★★★をいただきありがとうございました。

  3. 高橋秀之
    2013年3月21日 21:54

    好きな句
    春宵の窓より未だ子らの声/川名ますみ
    春になり暖かくなり、日も伸びてこどもたちの遊ぶ時間も長くなりました。
    元気な子どもたちの様子が浮かび、好きな句です。

  4. 川名ますみ
    2013年3月23日 20:36

    お礼
    秀之さま、「春宵の窓より未だ子らの声」の句にご共感下さいまして、ありがとうございます。頂いたコメント通りの情景でした。あぁ、こんな時間まで子ども達が遊ぶ季節になったのだ、と胸が弾みました。

  5. 黒谷光子
    2013年4月3日 15:14

    お礼
    信之先生、正子先生、3月20日の小鮎の句に★印のご指導をいただきまして、ありがとうございます。琵琶湖の小鮎が出回る時期になると来客の時など皿鉢物によく炊きます。ついでに近くに住む娘の家にも届けます。うっかりしていてお礼遅くなり申し訳ございません。