●小口泰與
おおらかな朝の日輪春の湖★★★
利根川の波おらびけりしみ返る★★★
がはと起く四更の地震や冴返る★★★
●迫田和代
野火走り青空の隅を汚しけり★★★
代かわり海苔の風味の無くなって★★★
陽もあたり風も優しく野梅咲く★★★
●桑本栄太郎
雲去れば峰に現わる斑雪かな★★★
くいくいと天に反りおり桜芽木★★★★
三茱萸の赤き実乾ぶ余寒かな★★★
●小川和子
雪積る紅色に咲く椿へも★★★
こんもりと春雪被り暮るる★★★★
こんもりと春雪を被った街が暮れて、民話のような、柔らかく、静かな世界が眼前にあらわれた。その感動。(高橋正子)
春の雪軋ませ深く踏みしめる★★★★
●小西 宏
窓ガラス密かに叩き牡丹雪★★★
春吹雪わたしの街を流れゆく★★★
雪風や五右衛門風呂の小さき窓★★★★
鄙びた家の五右衛門風呂。風呂の窓も小さく風呂に入ればほっこりとした気分。外の雪風を耳に聞けばなおさらのこと、湯のあたたかさが肌身にしみる。(高橋正子)
コメント
お礼
高橋正子先生
「雪風や五右衛門風呂の小さき窓」にお言葉をお添え下さり、たいへんありがとうございました。
昨晩は久しぶりの猛吹雪。湯船に浸っても換気扇口から雪風の音がとても近く聞こえてきました。そして思い出したのは、遠い昔、親戚の家に泊まった時に叔母が焚いてくれた露天風呂のことでした。
お礼
信之先生、正子先生
2月8日の投句に★印のご指導を頂き、「こんもりと春雪被り街暮るる」の句には、あたたかい句評を添えて頂きましてありがとうございました。
御礼
高橋信之先生、正子先生
2月8日の「くいくいと天に反りおり桜芽木」の句に★印のご指導を賜り、大変有難うございます。寒の戻りで人間界は大騒ぎですが、桜の芽は来たるべき季節に備え、着実に準備中です。生き続ける事は、ひたすら前進有るのみのようです。