2月7日

●小口泰與
渓流の魚の魚拓や春浅し★★★
春めくや大きく動くチワワの尾★★★
春めくや榛名の嶺に雲流る★★★

●下地鉄
花椿落ちて咲きいる重さかな★★★
うっすらと濡れるほどに蕗の薹★★★

吹く風に茅花の揺れ従わず★★★★
茅花は晩春のころ花穂をつけるが、沖縄の今はそんな気候かと思いつつ読んだ。丈の低い茅花は、風の方向に靡くとも限らない。それぞれに揺れる白くふんわりした茅花が魅力だ。(高橋正子)

●桑本栄太郎
風花の青にゆだねる乱舞かな★★★
ものの芽の青き枝先のびにけり★★★
声そろえ部活少女や寒戻る★★★

●多田有花
森歩く早春の雪降る中を★★★
飛行機雲余寒の空へ鮮やかに★★★★
背景は若草色に冴返る★★★

●佃 康水
春雪や朱の回廊の屋根清め★★★

黄をふふみ三椏銀の蕾解く★★★★
早春の花である三椏は銀色の蕾をつけてから開くまでが長い。蕾がはじけると黄色い手毬のような可憐な花となる。今蕾にその黄色が見えた。
春の便りでもあり、うれしいことだ。(高橋正子)

抜糸終え試歩へゆく友草萌ゆる★★★

●小西 宏
竹の葉の触れ合う音や春浅し★★★★
竹の葉の触れ合う音は春寒い風の音をよく感じさせてくれる。陽射しは明るくなったものの、吹く風はまだ冷たい。春は名のみ。(高橋正子)

早春の空に張る枝鳥の声★★★
早春を走る身体を温めつつ★★★

●古田敬二
冴え返る西空に月尖りおり★★★
カレンダーに大きな赤丸今日立春★★★
ポケットから手を出し歩く今日立春★★★


コメント

  1. 小西 宏
    2014年2月8日 15:38

    お礼
    高橋正子先生
    「竹の葉の触れ合う音や春浅し」へのお言葉、大変ありがたく頂戴いたしました。浅春の風と寒さを竹の葉の触れ合う音によって表現しようとしましたが、「春は名のみ」とご評価いただけたいへん嬉しく思っております。

  2. 佃 康水
    2014年2月8日 19:23

    お礼
    高橋信之先生 高橋正子先生
    1/7の投句へ★印のご指導を有難うございます。また、正子先生には「黄をふふみ三椏銀の蕾解く」の句へ素晴らしいお言葉を賜り感謝申し上げます。先日縮景園に出かけた際、遠目には白く目立ったので近寄ると三椏の蕾に黄を帯びて咲かんとしていました。「三椏は銀色の蕾をつけてから開くまでが長い。」という事、納得致しました。