12月22日(4名)
小口泰與
柿落葉表を上に流れけり★★★★
上州の風は鬼子や寒牡丹★★★
屁踊りの幕は下りたり冬の闇★★★
多田有花
冬至の鉢植えガーデンシクラメン★★★
冬至かな淡く残りぬ朝の虹★★★★
一陽来復西洋たんぽぽ旅立ちぬ★★★
桑本栄太郎
待合の無言の人よ冬ざるる★★★
中庭に落葉つもりぬ待合所★★★
診察の果てて挨拶年暮れる★★★
土橋みよ
冬雲の切れ間に青き空生まる★★★
柿の木の枝それぞれに寒雀★★★
冬バッタ枝を伝いて歩きけり★★★
12月21日(3名)
桑本栄太郎
白き実を晒す寒風アメリカ楓★★★
見た目にも華やぎあらぬ枇杷の花★★★
しぐるるや目鼻分かたぬ辻地蔵★★★
多田 有花
冬の陽の低しサングラスを掛ける★★★
大根の柚子浅漬けを作りおり★★★
冬の薔薇やわらかき陽に包まれて(原句)
やわらかき陽に包まれて冬の薔薇(正子添削)
上島祥子
図書室の冬灯数多に学び人(原句)
図書室の冬灯数多の学ぶ人(正子添削)
オリオンの南に位置する子の帰宅★★★
出入りを重ねる度に雨は冷え★★★
コメント
正子先生
12月21日の拙句
「冬の薔薇やわらかき陽に包まれて」を
「やわらかき陽に包まれて冬の薔薇」に添削いただき
ありがとうぎざいます。
倒置ではなくそのままよみくだすと「やわらかさ」が
素直に伝わる感じがわかりました。
倒置などは、詩や文章の技法のひとつで、効果の狙いがあります。
普通によみくだしているからよい、と言う判断ではなく、下五が「冬の薔薇」と体言止め(名詞止)になっているので、句に緊張感と格がうまれているわけです。
冬雲の切れ間に青き空生まる
柿の木の枝それぞれに寒雀
冬バッタ枝を伝いて歩きけり