12月2日

●小口泰與
隼や風の鍛えし里の子等★★★★
子供は風の子ではあるが、赤城颪で有名な上州の子は「風の鍛えし」という表現が当てはまる。隼はその風を受けて飛ぶのだ。(高橋正子)

夕暮れの風にさわだつ落葉かな★★★
電飾や冬夕焼のあかあかと★★★

●祝恵子
城壁の巨石に影を冬紅葉★★★★
「巨石」が効いた。紅葉の枝が城壁の石垣に垂れて影を映しているのだろう。冬紅葉の影が割れることなく趣き深く垂れている。(高橋正子)

鳥居抜け紅葉と幟の七五三★★★
冬ざくら橋より見送る遊覧船★★★

●桑本栄太郎
着水の飛沫耀よう冬の池★★★
朝日背にルアー投げ入れ冬の池★★★

佇めば蘆を抜けゆく冬の風★★★★
佇んで初めてわかること。枯蘆の中を風が抜けている。「冬の風」は、また蘆の冬の姿を想像させてくれる。(高橋正子)

●多田有花
登る足朴の落葉の上に置く★★★

ふかふかと落葉に埋もれ下りけり★★★★
山の路はすっかり落葉に埋もれてしまった。山路を下れば落葉がふかふかとして足を埋めるほどだ。山路もすっかり冬になった。(高橋正子)

冬の昼山下りし身を泡風呂に★★★

●小西 宏
森奥のひと光なり花八手★★★

【原句】午後の日の影長き野に木の葉踏む
【添削】午後の日に木の影長し落葉踏み★★★★
木の影が長々と落葉に映っているところを踏んでゆく午後の静かな明るさがよい。

木の葉旧る小楢の道に癒される★★★


コメント

  1. 小口泰與
    2013年12月3日 9:36

    御礼
    高橋信之先生、正子先生
    12/2の投句に★印のご指導を賜わり、その上正子先生には「隼」の句に素晴らしい句評を頂き有難う御座いました。今後ともよろしくご指導の程お願い申し上げます。

  2. 小西 宏
    2013年12月3日 11:04

    お礼
    高橋正子先生
    拙句を「午後の日に木の影長し落葉踏み」へとご添削くださり、たいへんありがとうございました。原句のごちゃごちゃした表現が整理され、ゆったりとした情景を表すように変貌しました。

  3. 多田有花
    2013年12月3日 17:00

    お礼
    信之先生、正子先生、
    「ふかふかと落葉に埋もれ下りけり」にご指導、ご句評をいただきありがとうございます。
    すっかり落葉がすんだ山の道を歩くと、ところどころ落葉がたまって足首まで埋まってしまうところがあります。
    そこを歩くときの独特の感覚が楽しいです。

  4. 桑本栄太郎
    2013年12月3日 17:05

    御礼
    高橋信之先生、正子先生
    「佇めば蘆を抜けゆく冬の風」の句に★印のご指導を賜り、素晴らしいご句評も頂戴しまして大変有難うございます。先日、近在の池の周りを散策しました。池の一画に蘆が刈られず残されている場所があり、暫く佇んでいました。高さが3メートルもある枯れ蘆が待っていたかのように揺れ、冬の風が通り抜けて行きました。

  5. 祝恵子
    2013年12月5日 9:44

    お礼
    信之先生、正子先生、★印のご指導ありがとうございます。(冬紅葉)の句への嬉しい句評を頂きましてありがとうございます。