●小口泰與
木守や遠の連山はなだ色★★★
火の山の噴煙起つや大根干す★★★★
大根を干すころは、風も寒くなり、温かさが恋しくなる。火の山の噴煙も目に温かさを運ぶ。そういう意味で取り合わせが成功している。(高橋正子)
噴煙の流るる先の木の葉かな★★★
●古田敬二
風が今梢に来たらし欅散る★★★★
風の子どもがいるようだ。梢に来た風の子は欅を散らした。(高橋正子)
昼の陽が上手い具合に柿吊るす★★★
二人して真昼の陽光布団干す★★★
●多田有花
あつあつの大きを頬張る牡蠣フライ★★★★
揚げたてのものはおいしい。牡蠣フライなどはことに揚げたてで大きなものがジューシーでおいしいのだ。寒い季節、あつあつが嬉しい。(高橋正子)
風雨去り窓に静かな冬落暉★★★
山へ向く道たっぷりと木の葉降る★★★
●佃 康水
鐘一打遠のく峡の冬紅葉★★★
【原句】塩むすび桜紅葉へ載せて食み
【添削】塩むすび桜紅葉へ載せて食ぶ★★★★
木の葉に食べ物を載せて食べるのは、風流だ。桜紅葉に白い塩結びが載れば色彩的にも美しい。(高橋正子)
四阿を叩きどんぐり転がり来★★★
●桑本栄太郎
<神戸六甲アイランドへ>
冬空へ大きく乗り出すモノレール★★★★
「大きく乗り出す」がいい。モノレールが大きくクローズアップされた。(高橋正子)
鉄橋の車行き交う冬の空★★★
クレーンのコンテナ吊りし冬の空★★★
●小西 宏
わが庭はふくら雀のひかり中★★★
遠くまで落葉ぬれたる柔らかさ★★★
冬空に聳ゆソーラー発電機★★★
コメント
御礼
高橋信之先生、正子先生
11/26の投句に★印のご指導を頂き、その上正子先生には素晴らしい句評を賜わり厚く御礼申し上げます。今後ともよろしくご指導の程お願い申し上げます。有難う御座いました。
お礼
信之先生、正子先生、
「あつあつの大きを頬張る牡蠣フライ」にご指導、ご句評をいただきありがとうございます。
揚げ物はあげたてのあつあつのからっとした食感が何よりのご馳走です。
さらに身のぷりっとした大粒の牡蠣であれば、もう最高です。
御礼
高橋信之先生、正子先生
「冬空へ大きく乗り出すモノレール」の句に★印のご指導を賜り、嬉しいご句評もお添え頂き大変有難うございます。モノレールは高い所から動き出し、冬空へ飛行機のように乗り出して発車します。その様子は非日常の光景であり、乗り物好きな小生には楽しみです。
Unknown
信之先生、正子先生
風が今梢に来たらし欅散る をお取り上げいただきありがとうございました。突然梢から落ち葉が散りだしびっくりしました。誰かが散らしているのかと思うくらいでした。
お礼
高橋信之先生 高橋正子先生
「塩むすび桜紅葉へ載せて食ぶ」と添削の上ご指導、又嬉しい句評を賜り誠に有難うございます。標高360メートル程の三滝山、その中腹の三滝寺の紅葉まつりに行く途中、空気が澄んだ山中だからでしょうか桜紅葉がとても美しく、公園の水道水で洗い清め塩むすびを載せて友達と楽しみました。