11月11日~11月20日

11月13日(5名)
多田 有花
冬の薔薇ポケットパークの一画に★★★
南天の赤さ深まる頃となる★★★
「頃となる」にはやさしい抒情的なひびきがあります。もう少し句をふかくするには、「頃となる」に工夫がいるでしょう。(髙橋正子)
南天の赤さ深まる時が来ぬ(正子添削例)

小春日の畑にぽつぽつ人の影★★★

廣田洋一
真夜覚めて窓越しに見る冬の星(原句)
「見る」を工夫するといいと思います。(髙橋正子)
真夜覚めて窓越しにある冬の星(正子添削)

冬耕の終わるを待ちて群れ雀★★★
風除けの樹の囲みたる大農家★★★

桑本栄太郎
あご髭の堅くとがりぬ冬の朝★★★
時雨れ降る窓の明かりの庭木かな(原句)
「窓の明かりの庭木」がわかりにくいです。(髙橋正子)
時雨降る窓の明かりに庭木かな(正子添削)

冬ざれやテレビ付け食う妻の留守★★★

土橋みよ
 茨城空港3句
降り立てば牛糞の匂い秋の風★★★★
秋夕焼温室群の光りだす★★★
行く秋や乗客の列に機影差し★★★

小口泰與
忽然と地震(ない)の起こるや冬の夜★★★
冬紅葉散るを促す風の中★★★
競走馬の肉は硬しや雪催い★★★★

11月12日(2名)
小口泰與
里の冬もろもろの影躍動す★★★
寒雀もんどり打って樋の中★★★
百とせの利根の流れや寒の声★★★

桑本栄太郎
川べりの色づき来たる草もみじ★★★
穂すすきやパンパグラスと云う白に★★★
金柑の色づき来たる垣根かな★★★

11月11日(1名)
桑本栄太郎
梢より裸となりぬ銀杏黄葉★★★
遠山の日差し明かりや冬紅葉★★★
橡の葉の枯葉踏みゆく散歩かな(原句)
橡の葉の枯葉踏みゆく朝(あした)かな(正子添削)
「踏みゆく」があるので、「散歩」は省くのがいいと思います。(髙橋正子)


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