10月1日~10月10日

10月3日(5名)
廣田洋一
稲束の立ち並びたる刈田かな★★★
新築のアパート並び秋高し★★★
秋刀魚焼く我家の皿をはみ出せり★★★

小口泰與
腹立てて秋の白刃の治め何処★★★
はらはらと夕暮れの雨や冬隣★★★
夕暮の玻璃に攻め込む秋の雨★★★

多田 有花
<EXPO2025三句>
秋陽浴びアトムが屋根に座りおり★★★
秋天に巨大ガンダム手を挙げて★★★
秋の夕大屋根リングと大橋と★★★

桑本栄太郎
三日月の雲間にあそぶ今宵かな★★★
冷やかや在所の空の日差し無し★★★
藁塚と云えどロールの積まれけり★★★

土橋みよ
 岩宿遺跡3句
霧晴れて太古の匂い赤土に★★★
赤土の問わず語りや虫の声★★★

秋空に里遠く見ゆ/琴平山(原句)
この句は、このように切れています。「琴平山」が付け足され、
一句の文法の中に組み込まれていません。これは、読者に読みの
混乱を招きます。

秋空に里遠く見せ琴平山(正子添削)

10月2日(5名)
上島祥子
秋蝶の樹形崩れし木に隠れ★★★
冷ややかなアスファルト行く小型犬★★★
下校児の駆け出す雷鼓合図にし★★★

桑本栄太郎
冷やかや君の夢みて目覚む朝★★★
濯ぎもの干すや見上げるいわし雲★★★
遠嶺のしかと見え居り天高し★★★

多田 有花
<EXPO2025三句>
秋空へユニオンジャックが翻る★★★
天高し大屋根リングに人数多★★★
噴水のショーが始まる秋晴れに★★★

小口泰與
曼殊沙華朝日を囃す風の中★★★
水音の囃す渓間の石たたき★★★
水に映ゆ秋翡翠の羽の色★★★

廣田洋一
故郷の新酒を酌みて夕餉かな★★★
川縁や刈田の匂い立ちにけり★★★★
川の鯉大口開けて天高し★★★

10月1日(4名)

小口泰與
あけぼのの秋翡翠や沼囃す★★★
曼殊沙華日を跳ね返す赤さかな★★★★
赤城より疾風に乗りて鵙の声★★★

多田 有花
<EXPO2025三句>
仲秋の日差し日傘の波の上★★★
大橋を望める秋の大阪湾★★★
六甲の上には秋の雲の出て★★★

桑本栄太郎
日差したる柿の色づく里の庭★★★
畦道を行くや憤怒の彼岸花★★★
首吊りのように垂れ居り藤は実に★★★

廣田洋一
秋茄子とろりと舌に溶け込みぬ★★★
堰落ちる水音澄みて秋うらら★★★
朗々と舟唄流れ天高し★★★


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