●小口泰與
三日はや朝の散歩の一時間★★★
三日はや箸置きふたつ夕餉かな★★★
白昼や東にあらわ冬の月★★★
●黒谷光子
二日はや御下がりの餅切り分ける★★★
鏡餅切る包丁の大きかり★★★。
三日目の朝日射しこむ厨窓★★★★
厨に立つと、朝日が窓から差し込んで、気持ちのよい三日の朝となった。三日になると正月にも余裕が出てくる。(高橋正子)
●川名ますみ
病牀に掌ほどの松飾る★★★
あの頃と変わらぬ住所賀状書く★★★
お元日寝衣寝具をまっさらに★★★★
新年を迎えて、タオルひとつ新しくなるのも新鮮なことだが、ベッドで療養されている作者には、寝具や寝衣までもがすっかり新しくなることは、自分の世界が新しくなるような気分ではないかと察せられる。(高橋正子)
●多田有花
よく晴れし二日の山を歩き初め★★★★
二日はもう山を歩き初めに。正月の山は、晴れ晴れと健やかな気分になれて、いいものだろうと思う。特によく晴れた二日は。(高橋正子)
古戦場跡にたたずみ三日の陽★★★
暖かき晴れ賜りぬ三が日★★★
●高橋秀之
煌々と明るく三日の繁華街★★★
曾祖母が手渡す年玉両の手で★★★
初売りの服早速に着て出かけ★★★
コメント
お礼
信之先生、正子先生、
「よく晴れし二日の山を歩き初め」にご指導、ご句評をいただきありがとうございます。
二日に増位山へ行きましたら、旧年中に刈り払われていた木々の範囲がさらに広げられて、頂のベンチから広々と市街地が見下ろせるようになっていました。
気分が晴れ晴れとするような眺めでした。
お礼
正子先生、「お元日寝衣寝具をまっさらに」の句へあたたかいご句評を賜りまして、ありがとうございます。お言葉の通りの心境で、思わず涙ぐみそうになりました。
信之先生、正子先生、句座の皆さま、本年もどうぞよろしくお願いいたします。