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コメント
自由な投句箱
★大沼へなだれ咲きたる薄かな
★巨大なる吾の影を立つ稲雀
★蟋蟀のうすうす聞こゆ眠りかな
自由な投句箱
＜秋の四条大橋＞
★大橋や今朝の鞍馬は秋霞
★水底の魚影きらめき秋高し
★鴨川の土手に語らう秋うらら
自由な投句箱
★新米や今年も生れし特Ａ米
★今年米山菜漬けの封を切る
★今年また新米炊きし老いの夕
自由な投句箱
どんぐりを拾いつ山を登りけり
頂に蜻蛉たっぷり群れて飛ぶ
澄む秋の久美浜湾と日本海
自由な投句箱
★合点のゆかぬ話や桐一葉
★散歩権伸ばして刈田五六枚
★弓を引く作法や美しき雁の列
自由な投句箱
★松茸のエセンス加へ飯を炊く
★茸飯天地を返し椀に盛る
★茸飯炊けるを待ちて子ら座る
自由な投句箱
★信号を待つて眩しき秋日かな
★おもかげのすでに遠のく芙蓉の実
★爽籟や樟の大樹の医科大に
自由な投句箱
◇木に登る冬瓜いつか豚となり
◇目を奪ふブラシの赤や狂花
◇日の方へ黄色濃くなる楝の実
自由な投句箱
★きざはしの何処か幽かきりぎりす
★風に乗る木犀の香の身のほとり
★下り鮎見ゆるほどなり鳶の笛
自由な投句箱
快晴や隣家の柿の日ごと熟れ
新しきガラス戸越しに秋陽さす
秋霖となる週末の天気予報
自由な投句箱
★多国籍の屋台連なるお会式かな
★尾びれ振り水面揺るがす秋の鯉
★万灯は鯛提灯や勝浦講
自由な投句箱
★朝顔の咲き継ぐ青の盛りかな
★金木犀光り茂みの香りけり
★秋雲の影の走るや天王山
自由な投句箱
★稲掛けて夕映えの浅間望みけり
★登校の列の伸ぶとこ金木犀
★紅葉追い写真に執し放下せず
自由な投句箱
★大鯉や池を横切る秋の昼
★逆さ富士静まり返る秋の水
★墓の名を探して歩く秋の昼
自由な投句箱
放置することに決まりし秋の雨
秋雨の病院へ続く車の列
石橋のかかる流れに杜鵑草
自由な投句箱
★赤き羽根胸に選挙や演説人
★山里の昼の鎮まり添水鳴る
★いみじくも貌の鬼なり芙蓉の実
自由な投句箱
晩秋の森に熊注意の看板
俳句には長すぎる名よ背高泡立草
秋の雨静かに降りて静かにやむ
自由な投句箱
★咲き残る花に末期の秋の雨
★音もなく色もなく降る秋の雨
★街灯の照らす細糸秋の雨
自由な投句箱
★一斉に団栗落つる音したり
★石仏の定かに見ゆる刈田かな
★末枯や魚下りし魚野川
自由な投句箱
★秋愁や咽に小骨の病院へ
★雨降れど香り確たり金木犀
★鳴くものの終いとなりて秋深む
自由な投句箱
★紅葉の便りへ羽搏つ我が髪膚
★逆光の薄を刷きし川の風
★落鮎の鍍金剥げたる魚籠の中
自由な投句箱
鳥取から今年最後の梨売りに
男ならヤッサかきたし秋祭
秋霖のゴミ出し場に二羽の鴉
自由な投句箱
★陛下の稲刈りされる匂ひかな
★体育は稲刈りですよ六年生
★稲刈機刈り残したる四隅かな
自由な投句箱
★雨降れば雨に明るき泡立草
★いみじくも鬼の貌なり芙蓉の実
★稲架並び子等の遊びやかくれんぼ
自由な投句箱
秋晴の風にふくらむラッパ袖
早朝に酔芙蓉提げ人来る
来客の遠き庭より酔芙蓉
自由な投句箱
★渡り鳥妙義山(みょうぎ)の美しき奇岩かな
★湧窟の水澄みにけり橅の森
★木木の中被さって来ぬ鵯の声
自由な投句箱
★白蛇神てふ真白き蛇や穴惑ひ
★ちょろちょろと舌を出しつつ穴惑
★蛇穴に乾ききったる遊水池
自由な投句箱
馬の耳蛙の面が欲しき秋
今週は雨つづきなり冬用意
秋霖や家に籠もりてよしなしごと
自由な投句箱
★みどりなる中に紅葉やアメリカ楓
★船頭の竿の捌きやもみじ川
★竿差して保津川下る紅葉かな
自由な投句箱
★朝刊のバイクの音や金木犀
★爽やかや小沼の端というところ
★つとつうと鴫の嘴より雫かな
自由な投句箱
★雨吸ひて香り失せたる金木犀
★金木犀散りては墓を明るくす
★金木犀香りゆかしきクラス会
自由な投句箱
雨やめば鵙の高鳴き響きけり
新米の粒が光りし夕餉かな
秋雨の止み間すかさずテニスする
自由な投句箱
★天辺の紅葉し初めり雨の木々
★何処からか木犀の香や建仁寺
★辻に出で何方へ行かん刈田道
自由な投句箱
★塀越しに香り流れる松手入
★枝ぶりをためつ眇めつ松手入
★思い切り切って落とせり松手入
自由な投句箱
★秋晴や感謝で終る商談会
★葉末にて蟷螂の斧たてており
★端近の我を呼びけり金木犀
自由な投句箱
秋曇まっすぐ城と向かい合う
熟れし田に秋の長雨容赦なく
背高泡立草長雨に濡れて
自由な投句箱
★水匂う雨の匂いや秋湿り
★秋雨やこの道ゆかば故郷へ
★バスを待つ間も匂い来る金木犀
自由な投句箱
★新そばの細き仕上り古暖簾
★木道の果たて小沼の鴫の声
★日矢差すや雨後の黄菊の水玉へ
自由な投句箱
★取り置きし豆腐を前に生姜摺る
★葉生姜やいつも買ひ置き酒の友
★豚肉の味を引き締め生姜焼
自由な投句箱
★雨降るや坂道蔽う萩は実に
★天辺の雨に色づく庭の柿
★殊更に雨に明るし泡立草