8月28日(2句)
<多々良木ダム>
★八月のダムの湖水の青々と/多田有花
「八月」という季語の働きが大きい。八月は盛夏をすぎ、秋の兆しが見えてくるころ。そのころダム湖は水を青々と湛えている。景色に見える季節の的確な把握がいい。(髙橋正子)
★草の穂の出そろい居れば風騒ぐ/桑本栄太郎
草の穂が出そろい一叢になると、風が吹けば穂草それぞれがやわらかにそよぎ、「風の騒ぎ」を目にすることができる。(髙橋正子)
8月27日(1句)
★ごみ出しの朝の置き場の穂草かな/桑本栄太郎
早朝ごみを出しに収集場所に行くと穂草が揺れている。穂草がごみ置き場にあって、穂草の楚々とした美しさが人の心を慰めてくれる。(髙橋正子)
8月26日(1句)
★秋暑しエレベーターの二階まで/桑本栄太郎
残暑が残り、二階までのわずかの移動距離もエレベーターに乗ったという。涼しいときなら、2階ぐらいならば、階段を上るだろうが、暑さでそうはいかない人間の心情。(髙橋正子)
8月25日(1句)
★空は初秋彫刻のある広場/多田有花
「空は初秋」「彫刻のある広場」は二物衝撃と言われる技法ですが、この二つは、お互いに関係しあっているので、不即不離の関係で自然である。彫刻が置かれている広場の空が初秋の景色で「いいなあ」というのである。(髙橋正子)
8月24日
※該当句無し
8月23日(1句)
★蜻蛉や水面に映る蒼き影/小口泰與
「蒼き影」として水に映る蜻蛉は幾種かあるだろうが、写実としての蜻蛉そのものの色というより、自然の光と水の作用によって生まれた一瞬の詩的現象と読めるところがいい。(髙橋正子)
8月22日(1句)
★秋草のマリアの像に供えられ/多田有花
もとの句は、「供えおり」だったが、「供えられ」と受け身形にした。この方が、秋草の供えられたマリア像が絵(イメージ)がはっきりする。マリア像には普段は栽培される花が供えられるのだろうが、この日はえのころ草などの秋草が供えらていた。秋草の優しい風情がマリア像を親しみやすく優しくしている。(髙橋正子)
8月21日(1句)
★建つ店舗壊される家秋の朝/多田有花
この句の季語「秋の朝」は、澄んだ空気と静けさを伴う時間帯。 その清々しさが、建設と破壊という動的な場面に、逆説的な静けさを与えている。(髙橋正子)
コメント
正子先生
「建つ店舗壊される家秋の朝」を8月21日の秀句にお選びいただきありがとうございます。
近所の家が空き家となりお盆前から取り壊し準備が勧められています。荷物を運び出し、建具を取り外し、今は側だけになって防音シートが巡らされています。
国道312号線沿いには「ハローズ」という瀬戸内沿岸部に店舗を展開する24時間営業食品スーパーの新店舗が建設されています。9月オープンとのことです。
正子先生
「秋草をマリアの像に供えおり」を
「秋草のマリアの像に供えられ」に添削いただき
8月22日の秀句にお選びいただきありがとうございます。
添削いただいたことで、供えた「人」ではなく、
供えられた「マリア像」に焦点があたり、
「イメージがはっきりする」との意味がよくわかりました。
高橋正子先生
「蜻蛉や水面に映る蒼き影」の句を8月23日の秀句にお取り上げ頂き、そのうえ正子先生には素晴らしい句評を頂き大変う嬉しく感謝申し上げます。こんごともよろしくご指導の程お願い申し上げます。
正子先生
「空は初秋彫刻のある広場」を8月25日の秀句にお選びいただきありがとうございます。
あさご芸術の森は朝来市の多々良木ダムのすぐ下にある野外公園です。
さまざまな屋外彫刻が設置されており、森の散策をしながらそれらを巡ることができます。
残暑厳しい中でしたが、木陰も楽しみつつのんびり歩けました。
御礼
高橋正子先生
8月26日の今日の秀句に「秋暑しエレベーターの二階まで」の句をお選び頂き、句意そのもののうれしいご句評も頂戴しまして大変有難うございます!!。
何時までも続く残暑に、散歩ウオーキングを終え戻ってきてもほんの少しでもエレベーターを利用してしまいます。
御礼
高橋正子先生
8月27日の今日の秀句に「草の穂の出そろい居れば風騒ぐ」の句をお選び頂き、嬉しいご句評も頂戴しまして大変有難う御座います!!。
雑草と云えども秋になれば、自生代へと穂が出て実を付けますね!!。
正子先生
「八月のダムの湖水の青々と」を8月28日の秀句にお選びいただきありがとうございます。
多々良木ダムは高さ64.6mのロックフィルダムで、ダムに登ると直下に「あさご芸術の森美術館」が見えます。上流側はダム湖となっており、満々とたたえられた湖水に周囲の山々と空が映りこんでいました。