２月２０日（３句）
★ひたひたと渚へ波や春炬燵/小口泰與
渚の傍の旅の宿であろう。春は名ばかりの寒さに炬燵で寛ぐとひたひたと渚に波が寄せている。春炬燵に過ごす至福の時。（高橋正子）
★雪乗せて木の芽膨らむ山の道/廣田洋一
山は芽吹きつつも雪が降る日もあって、膨らむ木の芽に雪が積もっている。木の芽を包む雪が柔らかい。（高橋正子）
★木屋町の青空あおく柳の芽/桑本栄太郎
木屋町の音の響きがいい。京都、高瀬川沿いの通りを思うが、青空が青く、柳の芽の浅緑がことに映える。京都へ旅を誘うような句だ。（高橋正子）
２月１９日（１句）
★梅のごと氷の花咲く蔵王かな/廣田洋一
梅と氷を結び付けたところがいい。樹氷の蔵王。（高橋正子）
２月１８日（２句）
★自転車の轍つづくよ春の雪/桑本栄太郎
春の雪に自転車の轍がつづく。一台自転車の轍ではなく、二三台の轍と見る方が面白い。春の雪のまた違った一面を見せてくれた句。（高橋正子）
★一瞬に畦火大きく立ち上がる/多田有花
畦焼の火が、一瞬大きく燃え上がる。一瞬の風をはらんだ火は強烈な驚きだ。このようにして、畦が焼かれ春草が芽生えるのだ。（高橋正子）
２月１７日（３句）
★たらの芽やいかにも春を食したり/廣田洋一
春最初に市場に出る山菜が蕗の薹とたらの芽だろうが、たらの芽のみどりの朴訥さを天麩羅などで食べると春そのものを食べている感がするのだ。（高橋正子）
★楤の芽や鳶はゆったり輪を描き/小口泰與
楤の芽が採れる山。青空には鳶がゆったりと輪を描き、まさに春である。（高橋正子）
★車窓には須磨と明石の春の海/多田有花
春の海といえば、筝曲の「春の海」が思い浮かぶが、「須磨」「明石」の海には源氏物語を忍ばせる、のどかで優美な「春の海」がある。須磨明石の眺めの車窓が素敵だ。（高橋正子）
２月１６日（２句）
★蒼天の一朶の雲や犬ふぐり/小口泰與
青空に一朶の雲。地には空の青のような犬ふぐり（おおおいぬのふぐり）。日本の、のどかな春の風景。（高橋正子）
★寺壁にさす木の影の春めきぬ/多田有花
木の影が大抵は白い寺の漆喰壁に映る。その淡い影にどことなく春めいたものを感じる。寺というのは季節をよく感じさせる建造物だと日頃思う。（高橋正子）
２月１５（１句）
★雛菊や大志抱きし幼き日/小口泰與
雛菊からイメージされる幼き日は、幼稚園や小学生の低学年であろう。そのころ抱いた大志を思い起こして、自分自身が微笑ましく思えるのである。（高橋正子）
２月１４日（２句）
★山茱萸の光の中の園児達/小口泰與
山茱萸は花は澄んだ色の黄色。早春の光を浴びて山茱萸の花は輝く。園児達も「光の中」でかわしらしさを弾かせる。（高橋正子）
★駅一つ過ぎる間に止む春の雪/廣田洋一
春の雪ははかなさ。駅一つ過ぎる間に止んでしまう。それだけに美しさが心に残る。（高橋正子）
２月１３日（２句）
★海に向く斜面に紅梅咲き初める/多田有花
海と紅梅の取り合わせが晴れやかだ。暖かい日差しが海と紅梅に降り注ぐ景色が目に見える。（高橋正子）
★チューリップ芽が出て客もベランダに/川名ますみ
チューリップの芽が出たうれしさ。その嬉しさを来客とつい分かちたくなる。私も、ものの芽が出るときは特にうれしい。（高橋正子）
２月１２日（１句）
★春の日や車光れる海岸線/廣田洋一
湘南海岸であろうか。春の日差しを受けて車が走る。海岸線なので、走る車はよく見えて、海からの反射光もけて光っているのだ。春の光が存分な海岸線が素敵だ。（高橋正子）
２月１１日（２句）
★春ショール靡かせ湖の展望台/小口泰與
春ショールと湖の展望台で物語性が生まれた。春ショールを靡かせる麗人の姿が想像できるが、読み手により春ショールの人は様々だろう。（高橋正子）
＜増位山随願寺・鬼追い式＞
★鬼追いの太鼓余寒に響きけり/多田有花
鬼追いは、腹に響くような太鼓で追っ払ってもらいたい。余寒の空気を震わして太鼓が鳴り響く。「余寒」が効いて、鬼もさほどに憎めない。（高橋正子）
コメント
御礼
高橋信之先生、正子先生
２月１１日の投句「春ショール」の句を今日の秀句にお選び頂き、その上、正子先生には素晴らしい句評を頂き厚く感謝申し上げます。
今後ともよろしくご指導の程お願い申し上げます。
有難う御座いました。
御礼
高橋信之先生
正子先生
いつも懇切にご指導頂き有難うございます。
2月12日の投句「春の日や車光れる海岸線」を秀句にお選び頂き、その上正子先生には素敵な句評を賜り、誠に有難うございます。
今後とも宜しくご指導の程お願い申し上げます。
お礼
信之先生、正子先生
「鬼追いの太鼓余寒に響きけり」を2月11日の秀句にお選びいただきありがとうございます。
鬼追い式の日は底冷えがしました。
その中で聞く太鼓はお腹に響き、厄除けができたと思います。
御礼
高橋信之先生、正子先生
２月１４日の投句「山茱萸」の句と２月１５日の「雛菊」の句を今日の秀句にお選びいただき、その上、正子先生には素晴らしい句評を賜り、厚く御礼申し上げます。
今後ともよろしくご指導の程お願い申し上げます。
有難う御座いました。
お礼
信之先生、正子先生
「海に向く斜面に紅梅咲き初める」を2月13日の秀句にお選びいただきありがとうございます。
今年は寒く、なかなか梅の蕾がほころびませんでした。
ようやく開き始めて、いよいよ春も本番だとうれしくなります。
御礼
高橋信之先生
正子先生
いつも懇切にご指導頂き有難うございます。
2月14日の投句「駅一つ過ぎる間に止む春の雪」を秀句にお選び頂き、その上正子先生には素敵な句評を賜り、誠に有難うございます。
今後とも宜しくご指導の程お願い申し上げます。
お礼
信之先生、正子先生
「寺壁にさす木の影の春めきぬ」を2月16日の秀句にお選びいただきありがとうございます。
なかなか春らしい日になりませんが、それでも先日、やや気温があがった日がありました。
お寺は季節をよく感じさせる建造物、という正子先生のお言葉に、納得いたしました。
御礼
高橋信之先生、正子先生
２月１７日の投句「楤の芽」の句を今日の秀句にお選び頂き、その上、正子先生には素晴らしい句評を頂き有難う御座いました。
これからもよろしくご指導の程お願い申し上げます。
御礼
高橋信之先生、正子先生
２月１６日の投句「犬ふぐり」の句を秀句にお取り上げいただき、正子先生には嬉しい句評をたまわり厚く御礼申し上げます。
今後ともよろしくご指導の程お願い申し上げます。
有難う御座いました。
御礼
高橋信之先生、正子先生
2月18日の今日の秀句に「自転車の轍つづくよ春の雪」の句をお選び頂き、嬉しいご句評も頂戴しまして大変有難う御座います！！。
18日の日曜日の朝は大変冷え込み、霜も降りた上うっすらと雪が降っていました。自転車の轍が数本交叉して続き、大変寒い中を出かけました。
お礼
信之先生、正子先生
「車窓には須磨と明石の春の海」を2月17日の秀句に
「一瞬に畦火大きく立ち上がる」を2月18日の秀句に
それぞれお選びいただきありがとうございます。
「車窓には」はお昼過ぎ、山陽本線の車窓から見えた須磨から明石にかけての海沿いの風景です。
少し暖かく感じられた日で、穏やかな大阪湾、明石海峡、のどかでした。
「一瞬に」は日曜日に神戸市西区の雄岡山と雌岡山に登った途中の光景です。
神戸市とはいえ、このあたりは郊外で田んぼとため池が多く、消防団が畦焼をしていました。
御礼
高橋信之先生
正子先生
いつも懇切にご指導頂き有難うございます。
2月17日の投句「たらの芽やいかにも春を食したり」を秀句にお選び頂き、その上正子先生には素敵な句評を賜り
誠に有難うございます。
今後とも宜しくご指導の程お願い申し上げます。
御礼
高橋信之先生、正子先生
２月２０日の投句「春炬燵」の句を今日の秀句にお取り上げいただき、そのうえ、正子先生には素晴らしい句評をたまわり厚く御礼申し上げます。
今後ともよろしくご指導の程お願い申し上げます。
有難う御座いました。
御礼
高橋信之先生，正子先生
2月20日の今日の秀句に「木屋町の青空あおく柳の芽」の句をお選び頂き、嬉しい過分なるご句評も頂戴しまして大変有難う御座います。
高級料亭、小料理屋の多いい京都市内木屋町は、とても風情のある街並みです。散策すれば春の青空が望め、とても良い風情です。
御礼
高橋信之先生
正子先生
いつも懇切にご指導頂き有難うございます。
2月19日の投句「梅のごと氷の花咲く蔵王かな」と2月20日の投句「雪乗せて木の芽膨らむ山の道」を夫々秀句に選んで頂き、その上正子先生には素敵な句評を賜り、誠に有難うございます。
今後とも宜しくご指導の程お願い申し上げます。
お礼
信之先生、正子先生、いつも温かいご指導をありがとうございます。
拙句「チューリップ芽が出て客もベランダに」に賜りました、正子先生のご共感のコメントを、嬉しく拝読しました。心躍る季節が訪れたことに、歓びを感じております。