今日の秀句/11月11日~11月20日

11月14日(1句)
貰いたる蜜柑に里の日の温み/小口泰與
もいだばかりの蜜柑を貰ったのだろう。蜜柑には、里の日の温みが残っている。蜜柑を通しての人の交流にも里の日のような暖かさがあるのが、いい。(髙橋正子)

11月13日(1句)
  茨城空港
★降り立てば牛糞の匂い秋の風/土橋みよ
秋風の空港に降り立って、思わず牛糞の匂いをかぐことになった。空港のある近くに大きな牛舎があるのか、畑にまかれた肥料の牛糞が匂うのか。その土地柄を感じるとき。これも旅ならは、はっと気づくこと。(髙橋正子)

11月12日
※該当句無し

11月11日(1句)
★橡の葉の枯葉踏みゆく朝(あした)かな
元の句は、「橡の葉の枯葉踏みゆく散歩かな」。「踏みゆく」があるので、「散歩」は省くとよい。
橡の大きな枯葉が落ちている。落ちているままの枯葉を踏みゆくのだ。自然の有り様をしずかに認めつつ歩く朝の散歩だ。(髙橋正子)


コメント

  1. 桑本栄太郎
    2025年11月12日 14:02

    高橋正子先生
    11月11日の今日の秀句に「橡の葉の枯葉踏みゆく朝(あした)かな」の句をご添削の上、お選び頂きその上嬉しいご句評も頂戴しまして大変有難う御座います!!。
    近在には銀杏並木の他に「橡の並木」の道路があります。橡の葉は大きくて存在感があり、その枯葉を踏み行く時はとても心地よいものであります。

  2. 土橋みよ
    2025年11月15日 12:10

    正子先生
    「降り立てば」の句に温かいコメントを頂き有難うございます。茨城空港は田舎にある空港で、到着時は飛行機からタラップを降りて歩いてターミナルへ移動するなど数十年前の函館空港を思い出させてくれました。しかし、何といってもびっくりしたのは、牛糞の強い匂いでした。北関東は首都圏の食材を担う拠点であり、この強い匂いの肥料も来年収穫される野菜になることを思い、感謝の気持ちになりました。

  3. 小口泰與
    2025年11月15日 12:26

    高橋正子先生
    「蜜柑」の句を今日の秀句にお取り上げ頂き、その上正子先生にはうれしい句評をいただき有難う御座いましたこ。こんごともよろしくご指導の程お願い申し上げます。