今日の秀句/11日~20日(2018年)


1月20日(1句)

★大寒と言えばいつもや青空に/桑本栄太郎
大寒の入り。そういえば、大寒に入る日はいつも青空だ。大気が透徹して青空が限りなく広がる。(高橋正子)

1月19日(2句)

★底冷えや星の光のとがりたる/廣田洋一
底冷えのする夜、星の光が鋭く尖る。厳しい寒さに星はきりりと美しさを増す。(高橋正子)

★畝の間の水のきらめき寒ゆるむ/桑本栄太郎
畑の畝の間の水たまりは、春を促す雨が降った後であろうが、煌めいて、「寒ゆるむ」を実感させてくれる。(高橋正子)

1月18日(1句)

★早梅や竹林の風柔らかし/廣田洋一
「風柔らかし」の感覚がよい。早梅を見つけると、竹林を吹く風もしなやかに、柔らかくなる。(高橋正子)

1月17日(1句)

★隠れ沼へ冬三日月の光かな/小口泰與
冬の厳しく澄み切った世界がいい。(高橋正子)

1月16日(2句)

★禽立ちて冬晴れの沼ありにけり/小口泰與
禽の飛び去った後の冬晴れの沼。静かでありながら、晴れやかで何か小さなものが動く気配がする。(高橋正子)

★生牡蠣やさっと啜れる海の味/廣田洋一
生牡蠣は生きのいいところをさっと食すのがいい。口に含んだとたんの潮の香が立つのが牡蠣の良さ。(高橋正子)

1月15日(1句)

★頂に立てば眩しき寒の沖/多田有花
「寒の沖」がただ「眩しい」。夾雑物のないすっきりとした景色がいい。(高橋正子)

1月14日(1句)

★裏庭を風のかおらす水仙花/小口泰與
裏庭に咲く水仙を風が吹いて香らせる。裏庭は水仙の香りに満ちて、静かでとても清々しいのだ。(高橋正子)

1月13日(1句)

★枯枝のひろがる天の青さかな/古田敬二
「枯枝」の清潔さが天の青さに際立っている。枯枝とはとはいうものの、内側にはいきいきと樹液が巡っている。(高橋正子)

1月12日(1句)

★写真機をしかと構えり寒禽に/小口泰與
野山に出れば、寒禽の声が飛び交う。写真機を構えて寒禽の様子を撮ろうと構える。被写体の寒禽に、ぐっとカメラを構える心意気。(高橋正子)

1月11日(1句)

★生駒山二日の朝日東より/河野啓一
生駒山が見えるところに住む人にとっては、目を向ければいつも存在する親しい山。新年二日の朝日も東より昇り、新年が歩み始めた心強さ。(高橋正子)


コメント

  1. 廣田洋一
    2018年1月21日 9:18

    御礼
    高橋信之先生
       正子先生
    いつも懇切にご指導頂き有難うございます。
    1月16日の投句「生牡蠣やさっと啜れる海の味」を秀句にお選び頂き、その上正子先生には素敵な句評を賜り、誠に有難うございます。
    今後とも宜しくご指導の程お願い申し上げます。

  2. 小口泰與
    2018年1月21日 9:51

    御礼
    高橋信之先生、正子先生
    この度は風邪全快おめでとう御座います。
    これからも健康にご留意して頂き、私ども花冠会員のご指導をよろしくお願い致します。
    1月12日の投句「寒禽}の句、1月14日の投句「水仙花」の句、1月16日の「冬晴れ」の句を秀句にお取り上げ頂き、正子先生にはうれしい句評をたまわり有難う御座います。
    今後ともよろしくご指導の程お願い申し上げます。

  3. 廣田洋一
    2018年1月21日 15:36

    御礼
    高橋信之先生
       正子先生
    いつも懇切にご指導頂き有難うございます。
    風邪が治られてから、大車輪でコメント、選句をなされ、誠に有難うございます。本当に風邪が抜けて良かったです。
    1月18日の「早梅」の句と、1月19日の「底冷え」の句を秀句にお選び頂き、その上正子先生には素敵な句評を賜り、誠に有難うございます。
    今後とも宜しくご指導の程お願い申し上げます。

  4. 桑本栄太郎
    2018年1月21日 19:08

    御礼
    高橋信之先生、正子先生

    正子先生の風邪からのご快癒との御由、大変おめでとう御座います!!。
    1月19日の今日の秀句に「畝の間の水のきらめき寒ゆるむ」を、又1月29日の秀句に「大寒と言えばいつもや青空に」の句をお選び頂き、それぞれの句に嬉しいご句評を頂戴しまして、大変有難う御座います。少しでも春の訪れの予感があれば、とても嬉しい日々です。

  5. 小口泰與
    2018年1月22日 9:36

    御礼
    高橋信之先生、正子先生
    1月17日の投句「冬三日月」の句を今日の秀句にお選び頂き、正子先生には素晴らしい句評を賜り厚く御礼申し上げます。今後ともよろしくご指導の程お願い申し上げます。
    有難う御座いました。