今日の秀句/1月21日~1月31日

1月25日(1句)
★少年と一緒に探す竜の玉/廣田洋一
青い竜の玉は、少年の目に宝物のように映っているに違いない。少年と竜の玉を一緒に探す物語性がこの句を深くしている。冬の寒さに輝く「竜の玉」と言う季語がよく効いている。(髙橋正子)

1月24日(1句)
★寒風や市場に競りの荒き声/土橋みよ
寒風のなかの、喉をつぶしたような競りの荒い声が、市場の臨場感をよく感じさせている。無駄な言葉がなく、情景が詠まれて、句の安定感につながっている。(髙橋正子)

1月23日(1句)
★冬空へ両手広げて深呼吸/小口泰與
冬空から降り来る冷気を両手を広げ、深く肺へ吸い込む、深呼吸。冬の冷気が体に沁みとおり、凛とした気配を生んでいる。「両手を広げ」がおおらかで、句の魅力となっている。(髙橋正子)

1月22日(2句)
★春近し大阪湾に船数多/多田有花
「春近し」と感じる景色がいろいろあるが、この句は、大阪湾に船がたくさんいる景色。たくさんの船は、港の行き来の活発さ、賑やかさを目に見せてくれている。のびやかな句だ。(髙橋正子)

★たっぷりと生成りモヘアの冬帽子/川名ますみ
素直に情景を詠んだ句だが、温かそうな、生成りのモヘアの帽子を冠った女性の肖像が浮かぶ。「生成りのモヘア」が、女性の清楚さや自然さを表していて好感のもてる句。(髙橋正子)

1月21日(2句)
★風に乗る高き読経や雪浅間/小口泰與
墓地など、野外での読経であろう。読経の声が空高く風に乗って冠雪の浅間の空へ消えて行く。「雪浅間」の雄大さと、読経のひつひつとした声が相俟った大きな句の世界がいい。(髙橋正子)

★風花の吹き上げて来るレストラン/廣田洋一
二階など、高い階のレストランであろう。下から風にあおられて吹きあ下てくる風花を洒落た食事をしながら、見ている。レストランの寒い冬の日の食事をいっそうお洒落に、趣あるものにしている。(髙橋正子)

 


コメント

  1. 小口泰與
    2026年1月23日 9:12

    高橋正子先生
    一月二十二日の投句「雪浅間」の句を秀句にお取り上げいただき、うれしい句評をいただき有難う御座います。
    今後ともよろしくご指導のほどお願い申し上げます。

    • 小口泰與
      2026年1月24日 14:16

      高橋正子先生
      冬空の句を秀句にお取り上げ頂き有難う御座います。大変うれしです。素晴らしいご鑑賞ありがとうございます。

  2. 廣田洋一
    2026年1月24日 9:16

    高橋正子先生
    1月21日の「風花の吹き上げて来るレストラン」を秀句にお選び頂き、その上正子先生には素敵な句評を賜り、真に有難うございます。
    今後とも宜しくご指導の程お願い申し上げます。

  3. 多田有花
    2026年1月24日 15:01

    正子先生
    「春近し大阪湾に船数多」を
    1月22日の秀句にお選びいただきありがとうございます。
    明石海峡大橋の下を通り抜けると一気に大阪湾の展望が広がります。
    この日は晴れていて靄もなく湾全体がよく見通せました。
    寒波襲来で大変寒い日でしたが、日の光はぐんと明るさを増しており
    春がすぐそこまで来ていることを実感できました。

  4. 廣田洋一
    2026年1月26日 15:41

    高橋正子先生
    1月25日の「少年と一緒に探す竜の玉」を秀句にお選び頂き、その上正子先生には素敵な句評を賜り、真に有難うございます。嬉しいです。
    今後とも宜しくご指導の程お願い申し上げます。

  5. 土橋みよ
    2026年1月26日 17:37

    正子先生
    星のご指導と句評を頂き有難うございます。足利の魚市場・青果市場には仲卸の商店も入っており一般客も自由に出入りできますが、外に開放になっており、この時期は吹きさらしの風でとても寒いです。しかし、その中でも、競りにはたくさんの業者が集まって、競り長の荒々しい声が聞こえてきて活気にあふれております。頂いたご句評の一つ一つを励みにしたいと存じます。