●花冠371号(7月号)の雑詠投句をお願いします。
「花冠」No.371(7月号)の雑詠投句を下記の要領でお願いします。
投 句 :雑詠15句
投句締切:2024年5月31日(金)
投句場所:このブログの下にあるコメント欄
2024年5月15日
花冠代表 髙橋正子
☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆
投句を済ませた方(計14名)
①桑本栄太郎 ?多田有花 ③川名ますみ ④小口泰與 ⑤吉田晃
⑥弓削和人 ⑦藤田洋子 ⑧柳原美知子 ⑨廣田洋一 ⑩髙橋句美子
⑪西村友宏 ⑫高橋秀之 ⑬古田敬二 ⑭祝恵子 ⑮ ⑯
ご投句ありがとうございます。
コメント
花冠371号原稿
「卯波」
①野放図と云うは畑の野梅かな
②遠峰の空はあおぞら風光る
③濯ぎもの干せば目を射す木の芽晴れ
④夜もすがら咆哮聞きぬ春北風
⑤春場所や浪花の空のにわか雨
⑥燦々と日射しながらも春の雪
⑦白れんの無垢というよりうすみどり
⑧引き返し一枚羽織る花の冷え
⑨すかんぽの穂が伸び風を誘いけり
⑩田舎より糠も入れあり竹の子届く
⑪カーテンを開けて眼下に花みずき
⑫咲き枝垂るもつこう薔薇や珈琲館
⑬何もかも散りて仕舞いぬ四月尽く
⑭両手もて赤児水飲む立夏かな
⑮ふるさとの海懐かしき卯波かな
花冠371号投句
去年今年伊豆里山の温泉に
松の内淡路へ渡る船に乗る
松過の夕刻にある明るさよ
少女たる日々は隣に冬銀河
寒林やうしろは青空あるばかり
いにしえの四天王寺の春そこに
夕食を作る窓辺の日永かな
我もまた花束もらい卒業す
山茱萸の花にしばらく晴れ続く
夕映えの山の桜よまた明日
暮れかねているよ花盛りの山は
そちこちに燕ひらりと身をかわし
花桃や裏窓今朝は開けられて
花終えて今いきいきと山の色
夜の雷花の終わりを告げ激し
『花冠』No.371投句
初笑い静かな男のヘルパーと
年越や石鹸の泡光り過ぎ
背を起こし睫毛に眩し初日影
ぐんぐんと岸の白梅ふくらめり
豚汁のレシピ書き足し初雪に
雪に濡れさくらの枝のほの赤き
会えば皆雪を知らせる御茶ノ水
大粒の春雪を受くボンネット
グーの手を突き出すかたち木瓜蕾
けさ二輪雲のいろしてさくら咲く
栗鼠の尾をなびかせており春北風
上衣着ず春の支度の軽きこと
春深し白き小花の街に満つ
白山吹寄らんとすれば早散れり
点描のように一気に木の芽張る
花冠371号投句
卯月野やジャズ漏れきたる丸太小屋
郭公や畦の十字のすっきりと
じゃが芋の花や赤城は靄の中
水さして残暑の甕をひやしけり
単線の汽笛聞こゆる端居かな
D51の音を運びし南風かな
D51の蒸気硬しや夏の草
糠雨や和紙のようなる花菖蒲
風よりも光にゆるる百日紅
白雲を支える嶺の真珠かな
武蔵野の丘いちめんや昇り藤
浅間嶺に一朶の雲や麦の秋
立葵かがやう鉄路まっすぐに
朝涼や田水すみずみ行き渡り
柿の花湖に沈みし部落かな
花冠371号雑詠投句
草の穂の硬き実もろとも枯れ色に
蝋梅の活けられ花屋の大き甕
寒ごやし麦の吹かれている畝
絹さやの緑が妻のばら寿司に
春の闇目を閉じて聞くヘッドフォン
日陰には優しき白の水仙花
七種の粥に緑の香の楽し
餅黴を削り火鉢の網に置く
たがやせば目覚めて風に匂う土
枝垂れ咲く古刹の桜夕暮れに
春水を吸ってあかるい芽の緑
湧水の波紋に砂のゆれる初夏
老の声漁の話を夏の浜
鎌研げば軽く来る風麦畑
酢飯切る桶より匂う冬の夜
Unknown
花冠371号雑詠投句
01.すず鳴らし八十八夜の家路かな
02.真白なる南部片富士松の芯
03.僚友と一宿一飯さくら餅
04.ちるさくら舞い上がりてや天へ消ゆ
05.連翹の黄色ははずむ堤かな
06.木の芽増え遊覧船の発つ頃や
07.しゃがんでは湖面に揺れる若みどり
08.亀鳴くやゆるき日暮れの待ち合わせ
09.貨車は荷を載せたままなり百千鳥
10.にわか雨待ちて暫く春の風
11.石階に春や花鉢ととのえて
12.ものの芽のわれさきの芽と競いけり
13.赤錆の門開くなり土筆んぼう
14.桟橋にひろごる紺や光る風
15.囀りや拭き忘れたる窓ぼこり
花冠371号投句
伊予柑の香り仄かに彼岸来る
彼岸来て笑顔ばかりの蘇る
朝々の光りの窓に彼岸過ぐ
絵本繰る子の片言の増ゆ日永
白木蓮黙祷サイレンしかと聞く
鳥声も人声も容れ花の山
間取り図を広げて囲む春の灯に
下萌ゆる地に三世代神事待つ
神饌の笹に澄みし目桜鯛
うららかに祝詞始まる地鎮祭
陽をはじく園庭春の泥だんご
春泥を跳ねて賑わし子ら下校
師の忌来る百合の香りの濃き中に
挿し芽して紫陽花小さき毬生まる
水に挿すパセリルッコラ朝の風
Unknown
花冠371号雑詠投句
新年を揺るがすアラート能登大地震
四分の三世紀生く寒の入り
賢治「よだかの星」朗読劇を観る
星めぐりの歌の余韻に明日立春
球音を聞きつつ見上ぐ城二月
しだれ梅塀歩く猫尾を振って
青麦の吹かれて日々に濃く太く
春雪の山より鳩来湯けむりへ
宝のごとひらくネーブル掛け袋
花菜畑はろばろ夕日溶かしゆく
山桜眼下に我が町光る海
石鎚見ゆ桜蕊ふる終着駅
エプロンのポケットに摘む豌豆の香
刈られゆく麦の香一日風に乗り
パチパチと音たて走る麦焼く火
茅花流し青き田水をきらめかす
花冠371号雑詠投句
白々と天日を浴びて月見草
若楓トンネルを成す法の道
土手道の色鮮やかに夏薊
捩花や何が不満か菩薩堂
新緑の透き通る葉や青き空
ゴルフボール蝮よけつつ探しけり
緋目高や一片の藻と遊びをり
優勝は新小結や五月場所
フランスパン長めに焼かれ麦の秋
芍薬の蕊は黄色く真昼時
一房に五本のバナナ選びたる
白玉や上野の森の風を受け
柚子の花楚々と咲きたり狭庭かな
豆飯の湯気に乗りたる野の香り
お砂踏み真言唱え風薫る
花冠371号投句
髙橋句美子
冬銀河ピアノの音色の軽くなる
七草の緑鮮やか日が巡る
節分の豆を数えてカラカラと
梅祭琴の響きに梅が舞い
枝垂梅水面に褪せゆく色映し
青空にゆったり葉桜ゆれている
花吹雪どこへゆくのか空に消え
黄菖蒲の川の流れに満開に
同窓会写真に映る八重桜
鯉のぼり喜ぶ声がどこからか
立春の風が流れゆく高さ
マフラーを試して巻いて誕生日
雛人形刀・冠りりしくて
花祭り音楽聞こえた母の便り
花冠371号投句
新しいマフラー巻いて参拝す
数の子を噛む音やめば静かな夜
味染みた煮大根のやわらかき
冬空へタワーの建つを見上ぐ朝
春一番歯医者帰りの頬を打つ
試験終え空の青さに白き梅
雨上がり雫を添えて白き梅
列車来て桜若葉を揺らす朝
葉桜を横目に急ぐ朝出勤
花冷えやシネマ帰りの夜の散歩
旧友と再会祝す八重桜
八重桜揺れて濃淡鮮やかに
春夕べ商談まとまりホットココア
箸先に弾力伝わる初鰹
春雨や内勤仕事をじっくりと
花冠371号投句
一望す阿蘇の山々冬の空
初乗車若葉マークの子の運転
ふと見れば白夜の空に桜舞う
日が注ぐ新芽は色が鮮やかに
新しい名刺を手元に新年度
参道の桜の影を踏みしめる
葉桜の作る日陰に長き列
帰省の子迎えるように鯉のぼり
食卓に家族の数の桜餅
朝寝して日差しを浴びて背伸びする
日傘さす友の向こうに松本城
初蝶がひらりと肩にタッチする
蝶々来る朝日の光る水溜まり
五月雨の中を出航汽笛鳴る
星空を見上げるふたりに夏の風
7月号雑詠投句
古田敬二
2019年1月~12月
花冠2024年7月号(No.371)
包丁に体重載せて餅を切る
後ろ手に歩く小道や春来る
ランナーが逆さに走る池若葉
対岸を下りの列車麦の秋
パンを焼く香り溢るる街薄暑
父母もいて我は幼し蛍狩り
指先を染めて桑の実もぎりけり
音たてて木曽駒ケ岳(きそこま)流す秋の水
秋の夜や静かに語る満蒙談
水きりの石の飛び行く小春かな
雪蛍高きへ飛べば見失う
茶の花の咲く石垣の苔むして
(2019年1月~12月花冠誌未掲載句正子抽出)
7月号雑詠投句
祝恵子
師と会うた城は大阪蝉しぐれ
車椅子押しつつ吟行夏の城
屠蘇器しまう丁寧に包み込み
安らぎを求める空よ芽吹く樹よ
手を延ばす今年も会えたつくつくし
見渡せば大地の恵み春の土手
花吹雪く展示車両のひかり号
藤蕾む枝垂れて咲くぞというかたち
田に水の満る音して五月入る
田に水の入れば夏鳥羽休め
楽しみは子メダカ増える朝一番
朝一番眺める鉢のメダカの子
2024年月例ネット句会1月~5月芍薬忌句会まで正子抽出)
『花冠』No.371投句
夜もすがら聞く雨音に春を知る
春霞富士の裾野をなぞり見ゆ
桜散り山に静寂の戻りけり
春嵐隠れる陰のなかりけり
薔薇薫る旧古河の屋敷かな
春の陽に時代を映す岩崎邸
花落ちてつつじはさらに青々と
直角に刈り込まれたるツツジかな
陽光のカーテン越しに夏来る
紫陽花の葉に虫喰いの跡はなし
紫陽花のうねりのごとく押し寄せる
軒下には蜂の巣づくり五月かな
花束の徐々に枯れゆく夏座敷
沢蟹を腕いっぱいに獲りし夏
梅雨前の晴れ間に遊ぶスズメかな
梅雨入りの知らせ届くや故郷に