3月18日(土)

雨。
 侍ジャパン・マイアミへ
終日の春雨選手ら発ちしあと   正子
春雨にもちの芽吹きのあかあかと 正子
連翹や雨に雫ける全き黄     正子
●春の雨」と、「春雨」は三冊子のころは、厳密に時期を分けて使われていたことを、いつの間にか忘却。今朝、歳時記を見ていて思い出す。記憶の書き直しが必要。
●『若菜』(小宮澄江著)のお礼状を林誠司さんに書く。
『若菜』から好きな句20句
雨降りて女人高野のとろろ汁
朝市の青鬼灯の濡れてをり
被災地の箱に入れられ秋刀魚着く
忙しくも旅立つ朝の根深汁
父堀りし井戸の神様供餅
百選の水つめこんで山笑ふ
山鳩のくぐもる声や良寛忌
花茣蓙を敷いてはなやぐ奥座敷
朝霧を蹴ってランナー土手を行く
この先は鞍馬の山か時雨くる
三日はや独り参りの夫の墓
登り来て文殊古堂の遅桜
嫁きし娘のひひなに燭を灯しけり
神御座す青田に月の揺れにけり
吹越の頬に当たるや山の駅
ぼうたんや時の鐘鳴る城下町
二分咲きの梅添えられて昼の膳
ふるるたび仏間の桜こぼれけり
夏めくや人影動くカヌー工房
朝冷の薬缶をかけて湯を沸かす
※良寛忌 旧暦1月6日(新暦2月18日ごろ)
※「吹越(ふっこし)」は群馬・埼玉地方では、「風花」のことを言う。楸邨はこれを好んで使ったとのこと。

3月17日(金)

曇り。
富士見んと登れば霞深きかな    正子
靖国の桜ひらいて魁て       正子
花えんどう葉は冷たくてきしきしと 正子
●愛大俳句会の公文さんから電話。来週わが家を訪ねてくれるとのこと。
●きのうWBCで侍ジャパンがイタリアに勝った。マイアミ行が決まって、
早速選手団が行機に乗ったという話も聞いた。WBCは面白いので初めからずっと見ている。若い頃は正直すぎて、スポーツを見ることに無関心だったが、この年になってスポーツの「かけひき」がわかるようになって、面白く見ている。見渡せば、この「かけひき」の心理はあらゆるところに存在して、世の中おおかたが「かけひき」ではないと思うようになった。

3月16日(木)

晴れ。
晴れ。
漏水のきらきら流る春の坂   正子
農協の玻璃を被いて四手辛夷  正子
青空の冷たさ透かし花辛夷   正子
●今日の3句目。「辛夷に青空が冷たい」と言う感覚は、歳時記に例句がある。すこし怯んだが、じっと見れば見るほど青空が冷たくなる。ま、いいか。違うのは「辛夷の間に青空が透けている」ということ。この例句はまだ見ていない。
●俳句アトラスの林誠司さんから著者代送で句集『若菜』(小宮澄江著)が送られて来た。春の七草をモチーフにした愛着のわく装丁。?と思ったのが、「ほとけのざ」。春の七草のほとけのざは小田平子(コタビラコ)。装丁となれば、赤い色が欲しい、となれば、すぐに分かる「ほとけのざ」の画になる。
装丁なので難しいことは言わないでいいのだが、春の七草のうち六つがその画なので、ちょっと気になりはする。夜、一通り拝読。
●プリンターのインクがどの色もこの色も無くなった。コジマでポイントを足して買った。ついでに丸善により、『まんが日本の歴史⑬』と『新版20週俳句入門』(藤田湘子著/KADOKAWA)を買った。丸善では、どのポイントにするかと聞かれ、dポイントカードでよいかと店員に渡すとポイントを付けてくれた。どこもかしこもポイントだらけで、いまいちよくわからない。

3月15日(水)

晴れ
春かるくピアノソナタの藤田真央 正子
蕗の花傾く日へと花傾け     正子
落椿落ちては影をそれぞれに   正子
●いよいよ桜便りが聞かれるようになった。「俳壇4月号」に金蔵寺の桜参道を紹介したが、今年は開花が一週間ほどはやかったのと、4月号の発売が3月14日だったので、時期がぴったりあって、よかったと思う。
●昨日夕方、4月号をコピーして花冠会員に送った。今日ネット短信で知らせる。
●モーツアルトのピアノソナタ全曲を通して聞くことに嵌っている。はじまりは、ゴールドベルグ変奏曲は、シフのが完璧だと言われたので聞いて見たことから。たしかにそう。ほかのも聞いてみたくなり、グレングールドのゴールドベルグも聞いたが、グールドの方が好みかも。楽しさから言うとモーツアルトではないかと、ピアノソナタ全曲を聞いた。それからはまって、朝に夜にパソコンに流している。

3月14日(火)

晴れ。
まぶしきと思うやたんぽぽ足もとに 正子
茎残し摘まれて小さき春苺      正子
茹でたまご黄身の黄色にミモザ咲き  正子
●今朝は冷えている。靖国神社の桜がきのうは4個開いたので、開花宣言にはいたらず。5個開けば開花となるとのこと。完全に開いて開花となるらしい。きのう五個目の花は開きかけだったとのこと。今日は大丈夫だろうということ。21日ごろ満開の予測。
では、金蔵寺の参道の櫻大門の桜は、お寺に近い方の日当たりのよいところが開花。10花ほど。金蔵寺にご住職に俳壇4月号を持参。ちょうど出かけられる準備をされていて、白装束で出てこられた。
●昨日ノーベル賞作家の大江健三郎さんが、3月3日に老衰で亡くなったとニュースが流れた。ノーベル賞の受賞がうわさされていたのは受賞の数年前から。いよいよ受賞となる一週間前、信之先生に頼まれて健三郎の生家のある大洲の奥の大瀬まで砥部から車を運転して行った。そのときは、新聞記者の張り込みはなくて、だれもいなかった。ノーベル賞の受賞が決まった時、信之先生はNHKテレビなどで、大江健三郎について話すことになった。愛媛には芥川賞候補になった作家や小説家もいたが、信之先生を除いて、だれも大江健三郎について語れるものがいなかったので、引っ張り出されたということ。今になって言うが、愛媛ではむしろ疎外されていたかもしれない。ノーベル賞の受賞が決まってからの愛媛県からの賞は辞退しているし、愛媛新聞社ともうまがあわなかったかもしれない。
●3月3日は父の亡くなった日でもあるから、畏れ多いが親しみを感じている。ご冥福を。

3月13日(月)

曇り、昼前から雨。
●3月月例ネット句会入賞発表
●夕方遅く郵便受けを見ると満杯に詰め込まれている。「俳壇4月号」が2冊入り2袋と、一冊入り2袋が入っていた。無理に入れたせいか、一冊入りは袋が敗れている。p170~p175の6ページに、「にっぽん俳句風土記」に文章と写真を掲載してもらった。「吟行ガイド161-神奈川県ー横浜の里山を歩く・古刹に詣る」。
編集側としては、里山の草花や鳥、木々だけでは面白くないようで、水車小屋、橋の銘板、翡翠、節分草など、人目を惹く写真を採り上げてくれた。金蔵寺は金蔵寺と彫られた扁額、櫻大門と満開の桜、山門、鐘楼の写真を採り上げてくれた。私の気に入っているものと、読者の多くに訴えるものとは多少ずれがあることを知る。
コピーして、会員に配る予定だが、ゆっくりすることに。

3月12日(日)

晴れ。
春の坂旅のかばんを引き上る 正子
吹く風に花を浮かせて黄水仙 正子
高空の曇りて濁る花こぶし  正子
●3月月例ネット句会。午前中までに9名投句。
●久しぶりに5丁目の丘へ。今日は桜の木にオナガが来ていた。3,4羽。
●ひろそ火3月号、たんぽぽいっぱいの表紙で届く。
●救急車で運ばれてから、特に病気ではないのに、信之先生を散歩に連れ出すのが、恐ろしい。単なる水分不足によるものなので、ジュースとか、牛乳とか、コーヒー、紅茶、なんでも飲んでいるのにもかかわらず。
春の陽気でも昼頃は危ない感じがする。朝は朝で、夕方は夕方で問題あり。結局本人任せにすると、運動なしの日が続く。そして、あまりお腹が空かない、となる。二人で一人前分(麺類一玉を二人で)を原則に食事を作っているが、これでも残ることしばしば。これが結構ストレス。

3月10日(金)

曇り。
木の卓の塗料褪せたり春灯     正子
寝息の音のみが生きたり春の月   正子
花こぶし夫に百歩に従いて     正子
●夜中物音があらぬ方からするので、戸締りを何度も確かめる。
     

3月9日(木)

晴れ。
花辛夷百歩の径を来て仰ぐ      正子
山茱萸に夫「さんしゅゆ」と言い放つ 正子
パンジーの光となる日誰も来ず    正子
●暖かさは四月なみ。来週は平年並みになるらし。