5月5日(水)/立夏、こどもの日

矢車の星空深きにまわる音  正子

○今日の俳句
芳しき緑をひらき柏餅/池田加代子
柏餅の葉には、蒸して緑が変色した色のもある。これはこれでまた落ち着いた色あいでよい。この句では、柏餅を包んでいるのが、「芳しき」緑の柏の葉である。白い柏餅と対比されて、すがすがしい。(高橋正子)
[自句自解] この句をつくったときもそうですが、夫に「食べ物がからむといい句をつくるね」と時々いわれます。童心に戻れるせいかもしれません。

○花冠発行所(代表/高橋正子)主催の立夏ネット句会を開催する。
http://blog.goo.ne.jp/kakan15/

◇生活する花たち「つつじ①・つつじ②・藤」(横浜日吉本町)

5月4日(火)/みどりの日

俳句
スイートピー眠くなるほど束にする  正子
自句自解:例年、朝顔を咲かせるために西窓を覆って竹を四つ目に組んでいた。それを秋になっても取り除かず、利用して根基にスイートピーを蒔くと、朝顔と同じように窓を覆って茂り、花もとりどりに存分に咲いた。飽きるほど花を摘んで束にすると、日もうららかで、眠気をもよおしそうな色である。

○今日の俳句
しゃぼん玉垣根越えゆき風となる/祝恵子
しゃぼん玉は吹かれていって消えるものであるが、消えるのではなく、姿の見えない風となったのである。風となって風と一緒に吹かれてゆく。しゃぼん玉は風となって命を新しくしたのである。(高橋正子)

○明日5日は、立夏ネット句会開催。
http://blog.goo.ne.jp/kakan15/

●昨日のアクセスランキング入り
2010.05.03(月):9476 位(1404250ブログ中)、517(閲覧数)、140(訪問者数)

◇生活する花たち「つつじ・キンレンカ・蒲公英」(横浜日吉本町)

5月3日(月)/憲法記念日

俳句
森奥のたんぽぽ大方は絮に  正子
森の奥にも春の日がうららかに差し、たんぽぽも大方が絮となって、吹けば飛びそうです。木々の若葉が萌え始め、静かな森にまた新たな生命あふれる季節の始まりを感じます。(柳原美知子)

○今日の俳句
蕗ゆでて野のかおり満つ真夜中に/柳原美知子
昼間は、教師としての勤務があるので、主婦としての仕事は真夜中になってしまうことがあります。蕗をゆでている真夜中のひと時に、蕗のかおりが満ち、まるで野にいるかのような安らぎをもたらせてくれています。(高橋正子)

◇生活する花たち「菜の花畑・藤・シャガの花」(横浜市緑区中山)

5月2日(日)/八十八夜

俳句
八十八夜のポプラに雀鳴きあそぶ  正子
松山でのお住まいのポプラ、四季折々の美しい佇まいを私も楽しませていただきました。ポプラの高木の緑のそよぎ、雀の軽やかな囀り、八十八夜ならではの明るく温和な情景が快く伝わってきます。(藤田洋子)
自句自解:松山では、居間の窓から年中ポプラのそよぐのが見られた。八十八夜の頃はやわらかな緑がしずかに音を立てて、風の様子を見せてくれていた。いい天気の昼下がり、鳴き始めた雀は、いつまでたっても鳴きやまない。一人遊びをしているように、夏の近づく日差しを楽しんでいた。

○今日の俳句
子が発ちし八十八夜の月明り/藤田洋子
「八十八夜の月明かり」の美しい抒情に、旅立つ子を送り出す母の一抹の寂しさが添えて詠まれた。(高橋正子)

◇生活する花たち「菜の花畑①・菜の花畑②・蒲公英」(横浜市緑区中山)

5月1日(土)

俳句
いつ見ても雪割草のつめたかり  正子

○今日の俳句
いたどりの節目鮮やかダムサイト/古田敬二
いたどりがすっと伸び出て、節が鮮やかに見える。それがダムサイトにあるので、ダムの水面が見えて、浅緑の茎に紅の斑も芽が生かされている。(高橋正子)

●4月のアクセスランキング入りは、1日、3日、20日、30日の5ヶ日となった。予期以上の好結果。
2010.04.30(金):9375 位(1403026ブログ中)、437(閲覧数)、146(訪問者数)

◇生活する花たち「藤①・藤②・シャガの花」(横浜市緑区中山)

4月30日(金)

俳句
聖書繰る野の青麦を思いつつ  正子

○『60歳からの楽しい俳句入門』(鴇田智哉著/実業之日本社/1400円)を読む。
こういったことを知っていれば、俳句の免許皆伝かと思う。知っていて益となるか、知っていて損となるかは、賽の目の出方のようなものか。

○今日の俳句
影の来て蝶の来ていることを知る/祝恵子
蝶は、やわらかに、気配もなく飛んで来る。ふと見やるところに蝶の影があり、蝶のいることに気づかされる。物があって、影が生まれるのだが、その逆のような世界の不思議。(高橋正子)

4月29日(木)

俳句
近寄れば真実リラの匂いける  正子

○今日の俳句
春の沖へ沖へとヨットのきらめく帆/多田有花
ヨットの観察をよくすべきなので、添削。春の沖へ出てゆくヨットの帆がきらめいて、沖にはもう夏が近づいている感じがする。(高橋正子)

4月28日(水)

俳句
 「正岡子規」観劇
青麦を来て劇中の子規と虚子  正子

○今日の俳句
つばめ来る瀬戸の海光ひるがえし/柳原美知子
南からのつばめが来ることは、あたらしい季節の到来。「海光ひるがえし」に、瀬戸を颯爽とぶつばめの生き生きした姿ががある。(高橋正子)

◇生活する花たち「モッコウバラ・藤・こでまり」(横浜日吉本町3丁目)

4月27日(火)

俳句
囀りに子の片言の鳥を呼び  正子

○今日の俳句
柿若葉吹き出す窓の明るさよ/安藤智久
桜が終ると、柿若葉が「吹き出す」ように燃え出てくる。柿若葉の明るい輝きに、窓は明るい季節へと変身する。(高橋正子)

◇生活する花たち「花水木a・花水木b・花菱草」(横浜日吉本町3丁目)

4月26日(月)

俳句
牡丹の百花に寺の午(ひる)しじま  正子

○今日の俳句
リラ冷えのひと日テーブルクロス編む/後藤あゆみ
リラ冷えとう美しい言葉と、繊細なレースを一心に編む幸せな時とがよくマッチしています。(高橋正子)

◇生活する花たち「つつじ・チューリップ・欅若葉」(表参道)