金蔵寺7句
風吹けば白はまぼろしハンゲショウ
半夏生群れたるここはまぼろしか
青き実に西日差し入る白雲木
蓮つぼみ青きとがりのまだ無疵
蓮つぼみ抽き出し二本がくれないに
紫陽花の毬るいるいと寺の門
葛の葉の垂れしがきれい梅雨の山
日々ペットボトルの水を飲むにつけ
富士湧水ペットボトルに冷えており
ほうたるの火が飛ぶ風が吹き起こり
ほうたるの五つ六つの渓深し
ほうたるの火が飛ぶ風が吹き起こり
ほうたるの消えしは橋をくぐるとき
大風に額紫陽花の裏がえり
枇杷の実に雨は一日止みもせず 正子
額あじさい雨を受けては海の色 正子
わらびもち電話かかればそのままに 正子
青紫蘇の丈の低きの二枚摘む
津和野回想
鷺舞の二羽に行き逢う旅の途に
瑠璃鶲・野鶲・駒鳥みな知らず
鯵を焼く藻塩さらさら振りかける
朴の花上より見むと上に来し
街路樹に栃の花咲き氷菓食ぶ
7月10日(土)
鎌倉街道
★竹林に夏の真青な水打たれ 正子
昼尚うす暗い竹林は、濃いみどりの笹の葉に覆われ如何にも涼しそうですね。その上、ホースによる散水でしょうか?水が打たれますと、笹の葉に水滴が煌き、この上ない涼しさが溢れ爽やかな風さえ生みそうです。涼感溢れる素敵な一句です。(桑本栄太郎)
○今日の俳句
大阪は水の都よ橋西日/桑本栄太郎
大阪の八百八橋は言い慣らされて、多く橋がある。実際は二百ほどらしい。西日の差す橋を渡りながら川面を眺めると、水の都を実感する。「西日」が効いている。(高橋正子)
○俳句
白粉の花のうしろから暮れる 正子
○シーフードとイタリア野菜風のスパゲッティを作る。ズッキーニがあれば、申し分ないが、茄子とピーマンと缶詰トマト。さっぱりしてます。みなさまも、どうぞ。これに西瓜を合わせて夕食完了。西瓜は初物でした。
◇生活する花たち「白粉花」(横浜日吉本町)
7月9日(金)
愛媛・久万中学校
★教室の窓に夏嶺の高々と 正子
前書きに久万中学校とあり、懐かしく、清々しい景が目にうかびました。開けはなった教室の窓には青々とした夏山の嶺が広がり、未来ある中学生の前途をおおしく見守っているかのようです。(小川和子)
○今日の俳句
花鋏鳴らし涼しき庭飽かず/小川和子
「庭飽かず」に、作者の楽しさが読み取れて、それが読者を楽しませてくれる。たくさん咲いた花の中にいて、花鋏を軽く鳴らしながら涼しい庭を巡っている。花に囲まれたうれしさが涼やかに詠まれた。(高橋正子)
◇生活する花たち「百合」(横浜日吉本町)
7月8日(木)
★子が去りしことも静かや夏の歯朶 正子
帰っておられた子達が去られた後の静かではありますが淋しい家の中、庭の隅の若葉を茂らせる歯朶に離れ住まわれるお子達のことを思われます。 (黒谷光子)
○今日の俳句
青蔦の登りきったる杉高し/黒谷光子
青蔦が杉の木に絡まって、非常に高くまで登っている。見上げれば、「登りきったる」と断定できる。把握がすっきりとしている。(高橋正子)
◇生活する花たち「ランタナ」(横浜日吉本町)
7月7日(水)
★学生食堂ひとりの顔に夏日あり 正子
学生食堂で大勢の学生が食事に余念がない。と、一人の顔は日焼けして、沖縄にでも行っていたのだろうか、もうすっかり夏の気配をただよわせている。若者の日常を想像させるスナップショットのような御句かと思いました。 (河野啓一)
○今日の俳句
北摂の山を遠くに夏野行く/河野啓一
北摂の青い山々を遠く眺めながら、夏の野を行く。広やかにすずしい心を共に感じる。(高橋正子)
◇生活する花たち「アリストロメリア」(横浜日吉本町)
7月6日(火)
★明け易き時をラジオのミサ合唱 正子
夏の早朝の清澄な空気の中で、ラジオから流れてくるミサの合唱を聴いている。静かな時が流れ、ゆったりとしている作者の気持ちが伝わります。今日もまた清々しい一日が始まることでしょう。(井上治代)
○今日の俳句
青空を透かして網戸まっさらに/井上治代
網戸から青空が透けて、その網戸もまっさら。風もよく通り、目に涼しい。さわやかで、清潔感のある句。(高橋正子)
◇生活する花たち「カシワバアジサイ」(横浜日吉本町)
7月5日(月)
★青田みな青嶺へ靡き吹かれける 正子
苗の丈が伸び、青田といえるほどになってきました。暑さが本格化してくるこの時期、その青い稲を靡かせて緑濃い山へと吹き抜けていく風、涼しさを感じます。(多田有花)
○今日の俳句
とりどりの浴衣の少女踏切に/多田有花
踏み切りの開くのを待っている浴衣を着た少女たち。これから、連れ立って、祭りに出かけるのであろう。涼しそうで、少女らしいかわいさがあって、大人には、幼い頃を思い出させてくれる光景である。(高橋正子)
◇生活する花たち「アガパンサス」(横浜日吉本町)
7月4日(日)
★蜜豆に夜の会話の間がありぬ 正子
お忙しい毎日ですが、夜の密豆に会話もはずみくつろいでおられるご家族の様子を想像いたします。(黒谷光子)
○今日の俳句
弥勒像をしばし仰ぎて涼しかり/黒谷光子
弥勒菩薩の像を「しばし」仰ぎ見ていると、涼しい心になった。弥勒菩薩には人をそうさせる表情をお持ちだ。(高橋正子)
○俳句
金蔵寺7句
風吹けば白はまぼろしハンゲショウ
半夏生群れたるここはまぼろしか
青き実に西日差し入る白雲木
蓮つぼみ青きとがりのまだ無疵
蓮つぼみ抽き出し二本がくれないに
紫陽花の毬るいるいと寺の門
葛の葉の垂れしがきれい梅雨の山
日々ペットボトルの水を飲むにつけ
富士湧水ペットボトルに冷えており
○花冠8月号発送。クロネコメール便。
○コンテストのNHK後援の件で洋子さんあてに書類を送る。
○コンテスト審査員の件で沖縄の豊里さんに電話。
○金蔵寺にハンゲショウを見に出かける。おまけは、やまももの実、紅白の蓮の蕾と、白雲木の実が見れたこと。
◇生活する花たち「カンナ」(横浜日吉本町)
7月3日(土)
★長き柄の団扇の風のぱっさぱっさ 正子
涼風を生じさせてくれる団扇。長き柄とあるので大きい団扇なのでしょうか。下五を「ばっさばさ」としないで「ばっさばっさ」としたところが何ともユーモラスな感じがしました。余談ですが、私が子どものころ、七輪でおかずを炊いていましたが、その時火をおこすのに団扇を使っていたことを思い出しました。(井上治代)
○今日の俳句
雲の影過ぎて夏山緑濃し/井上治代
雲の影が落ちているときは、夏山の緑も暗くなっているが、雲の影が行き過ぎると、暗さが掃われ、青々とした緑となる。まさに夏山の色である。(高橋正子)
◇生活する花たち「山ぼうし」(横浜日吉本町)
7月2日(金)
★鎌倉へ合歓の一樹の花盛り 正子
鎌倉は、樹木が、多く、森林浴に、最適です。その中で、合歓の花は、ロマンがあり、みあげている様子が、見えてきます。(成川寿美代)
○今日の俳句
夕凪に潮の満ち来る漁師町/成川寿美代
一日の漁を終え、潮だけが満ちて来る夕凪の漁師町の静かな佇まいに、夏の明るさがある。(高橋正子)
自句自解:静かな漁村に、夕刻になると、ポンポンとエンジンを、響かせ港に、帰ってきます、いつもと変わらぬ生活のリズムに、ふっと、胸に迫るものがありました。
◇生活する花たち「サルビアとキンシバイ」(横浜日吉本町)