晴れ。
日を溜めて彼岸のガラス戸静かすぎ 正子
●彼岸ということもあって、新聞に葬儀社のパンフレットが入る。死がそう遠くないのは、私と主人。
墓地はすでに町田市の桜の里にある。最近知ったのだが、いずみ浄苑内の桜の里の墓地の設計者は、墓地設計で有名な関野らんさんということ。
墓地はいいとして、問題は葬儀社。パンフレットも集めたり、悩みの種だったが、ほぼ決心がついた。子供たちに相談する段取りがついた。
●朝日新聞の書評欄に『私の芭蕉』(加賀乙彦著)が紹介されていた。この本の書評紹介に会うのはこれで4度目。NHKラジオ、『俳壇』。 『俳句』、朝日新聞。エッセイ風の日本語が美しいらしい。
晴れ。
傾く日ビルに隠るや土筆摘む 正子
新聞紙に土筆の茎の縦横に 正子
摘まれたる土筆の茎のほの紅し 正子
ふさふさと緑そよがせ杉菜生う 正子
坂道の果てに春空どんと落ち 正子
一畝の豆の花にて足りており 正子
●春分。
●ねんりんピック岐阜2020の俳句交流大会のパンフレットを花冠会員に送る。会場は奥の細道の結びの地の大垣市。
自治体などのイベントで俳句大会を開くところは多い。日ごろ俳句の活動はしていなくてもイベントに興業的に、俳句大会を、というのが多いなか、岐阜はそうではない。選者も今はやりの有名人を選んでいるわけではない。出費や時間をかけても協力しようという気になる。
晴れ。四月上旬の気温らしい。21度。
葉騒より鴬よろと鳴き初め 正子
裏山に鳴く鶯のひとつ声 正子
日の中へ差し伸ぶ枝に初桜 正子
霞たり富士の遠嶺の形もなし 正子
恃むには遠きアルプス春雪嶺 正子
●四月上旬の気温。遠くは霞に包まれる。鴬が鳴くが、鳴きはじめがおそるおそるの感じ。よろよろ、ひょろひょろと鳴きだす。
●辛夷はすっかり散って、桜が咲きはじめた。菜の花も色褪せた。
●あすは彼岸の中日。5丁目の丘の墓地に線香の煙もないのに、線香の匂い。そばで鴬が鳴く。
曇り。夜は、冷え込む。
黄水仙誰がためなりぬ墓の花 正子
巻きずしに三葉芹こそかぐわしき 正子
勿忘草売られておりぬ卒業期 正子
●「俳壇年鑑2020年版」の花冠広告の校正。訂正なしでFAX。3月発売予定。
●活けた薔薇の一本がしおれている。うん?と思い花瓶を見ると水が減っている。しおれたのは水につかってなかった。吸い上げる水の量に驚く。
晴れ。きのうほど寒くないが、空気は冷たい。
春の水たっぷり吸わせ薔薇を剪る 正子
ピザトーストパンの軽さは春らしき 正子
●バレンタインのお返しと言って、ゴディバのチョコレートクッキーロールをもらう。めったにないおいしさ。今年からバレンタインンのチョコはやめてだれにもあげていない。でもお返しがあったのだ。悪いので、句美子が送ってくれた薔薇を数本あげた。
●午前中ガスレンジとその周りを掃除。意外と短時間でできた。ガスレンジを買い替えようと決心して、午後日吉東急のヤマダ電機へ行く。ちょうどいいのを見つけて買うことにした。が、ガスホース60センチを頼むと、売り切れ。店員は、今あるのを使えばと言う。で、買う気をなくす。
雨のちみぞれ。
薔薇の箱春の霙に濡れおり 正子
春の霙バケツに薔薇をとりあえず 正子
●句美子が新潟の薔薇農家からの薔薇の花を送ってくれた。受け取りの判子を押そうとすると、冷たい雨のなか大きな箱を届けてくれたにも関わらず、宅配の人はにこにこしている。荷物が花とわかっていたからだろうか。色は、黄色とピンク、それぞれ10本。
花瓶に入りきらないので、バケツに入れて玄関の外に置いた。通路を行く人が楽しめるだろう。雨はみぞれに代わって薔薇がかわいそうでもあったが、みぞれの降るなかの薔薇は、めったに見れない。
晴れ。
●散歩がてらブックオフに行く。澤田ふじ子の『花暦』があればと出かけたがないので『幾世の橋』にするつもりだったが、勘違いして『見えない橋』を買ってしまった。少し読みかけ、これは大垣藩が舞台。女性店員に会員カードをつくるように勧められ作る。メリットあるのかな。
晴れ。
●晴れたので、富士山を見ようと5丁目の端の丘に行く。けれど、富士山の見えるあたりにたくさんの雲が寄っていた。近くに住んでいるらしい白いTシャツとジーンズの60歳代ぐらいの男性が出て来たので、聞いた。富士山は、焼却炉の青と白の煙突の右側に見えるという。あそこに雲が集まると、風が吹くという。そしてポケットからスマホを出して、ここで写した富士山を見せてくれた。確かに青と白の煙突の右にあった。さらに右に雪山の連山が見えた。聞くと、南アルプスだな、という。伊那のあたりですね、と相槌まがいのことをいうと、さらに右は中央アルプスだという。アルプスが見えて、夢かと思うほどだった。風のことはどうかと思ったが、夜になって強い風が吹いた。
●5丁目の丘を歩くと、どこの家の辛夷も満開で、どこも大木。全面に光を浴びて眩しい。椿も時期を得てよく咲いている。まんさくの花もまだ健在。
●辛夷と椿とアルプスの雪嶺。なんと詩的な日。
霧雨。
●ハート内科で検査。やっと落ち着いたですね、と言われたが、薬の処方箋を見ると、前に具合が悪くなった薬(一般にはご普通の配合錠)が入っている。薬剤師がドクターに連絡をとってくれて、その薬は削除された。薬もしっかり自分で管理しなくてはいけない。
●内科のあるフロアーのくまざわ書店で、子供の本、『昆虫の迷路』を買う。『水の迷路』もおもしろそうだが、昆虫のほうがなじみやすいかもしれない。1430円也。
●澤田ふじ子の『宗旦狐』の「宗旦狐」編、利休の孫の宗旦に化けた狐の話だが、人の心理をついて、味があって面白い。読み進むうち、ブックオフの値段にしては高いかなと思ったが、その値打ちはあった。もう少しで読み終える。
●仕事は休む。『宗旦狐』を読んでいて、たまには仕事を休もうという気になった。