うす曇り。
蕨飯みどりに混じる濃き茶色 正子
蕨飯みどり冴え冴え炊き上がる 正子
蕨飯狐よろこぶ揚げ刻み 正子
新じゃが芋今年の味のういういし 正子
●読めない鳥の名前があった。漢和辞典のお世話に。「鵤」と言う字。「いかる」と読む。季語ではない。辞書にずらりと並んだ鳥偏の漢字は、魚偏に比べ読めないものが多すぎる。魚偏は寿司屋の湯呑にデザインとして書いてあって親しみやすい。それに比べ、鳥偏の漢字は、とっつきにくい。鳥はよく見ようにも、ぱっと逃げてしまう。焼き鳥屋の暖簾に鳥の漢字を書いてあるのも見たことないし。
●連日の新型コロナウィスル報道。ここで疲れてはと思い、出勤自粛。きのうは働きすぎたの。
うす曇り。
春疾風雲一切を払いたり 正子
青空のしずかな発光春の昼 正子
がまずみの花を縁取る日の光 正子
がまずみの花のほとりの明るさよ 正子
●昨日の青空。よく晴れて、雲は全くない。上空は、昨日と一昨日つよい風が吹いたのは、たしか。だのに、空は真っ青ではない。全体に淡い青。霞がかかっているわけでもない。
●注文していたスニーカーが届く。同じ物を色違いも含めてこれで5足目。学生時代、皿が峰の登山で親指の付け根をいためてから、靴に悩む。後悔先に立たずの外反母趾。
●蒸しきんつばの伊豆土産「山づと」が届く。ぽんと一口だが、割って中に栗餡が入っているのを確かめる。ちょっと渋い。
●外出自粛が続いているが、故郷での子どもころの生活を思えば、次元は全く違うものだが、ずっと外出自粛のような生活だったなあ。本屋もない。本は学校の図書室のもの。朝夕、南の前山を見、向こうにある街を思い、後ろの山裾の墓地の丘にのぼり遠くを見、青く煙る四国山脈を南に見、西の方にある瀬戸内海をゆく船と島を見、夕陽が島の向こう落ちるのを見て一日が終わった。その時間には、風呂を焚く煙の匂いがどこからか漂った。思うのは、いつも山の向こう、海の向こうのこと。日の出、日の入、月と星空。「山のあなたの空遠く、幸い住むと人のいう。」を信じていたか。
晴れ。昨日の雨と風は嘘のように。
がまずみの花が咲きたり空晴るる 正子
がまずみの花と目が合う遊歩道 正子
麦の穂の自由に伸びて都市農園 正子
あおあおと麦の穂ゆれる風の道 正子
●4月月例ネット句会は、入賞発表はしたが、まだ進行中。オフ句会なら数時間で終わり、あとで飲み会となってもその日のうちに終わる。花冠のネット句会は時間をかけている。ネットだから、早く済ませることもできるがそうはしない。「座」ということを大事にしている。花冠の中にもこのことをわかっている人がどれほどいるかなのだが。外を見ても、「座」を気にしている若い人たちがいるかどうか。
●職場の掲示に「会社では、マスクの在庫が逼迫しています。」アルバイトの学生から「逼迫」はなんて読むのと聞かれた。「ひっぱく、かつかつなのよ。もう、あんまりないのよ。」この辺りは、年の功。最近はこんな言葉を使う状況がなかった。
雨。本降り。気温あがらず。夜は強風。仕事から帰る午後10時ごろは、傘がさせないほどだったが、濡れて風邪をひくより、傘が壊れたほうがましと思い、差して帰った。傘はもちこたえた。
●「俳壇」5月号が届く。グラビアを見ると、鴫立庵の23世庵主が本井英さんがなったとのこと。掲載の句をみると、新型コロナウィスルを詠んだ句が主だった作品のなかに9句ある。
おやっと思ったのは、新型コロナウィスルのことを、新型の「菌」と表現していた。ウィルスと菌は科学的に違う。これをいい加減にしていいかどうか。俳句では、よくあるとまでは言わないが、ないことではない。
晴れ。
家の前の通り、人っ子ひとりいない。いつもなら日吉本町駅へ向かう人が絶え間なくいる。
もっこう薔薇人っ子ひとり無き通り 正子
忘れな草長けて水色なお濃かり 正子
ベランダに春日の溜まるほかはなし 正子
●明日のネット句会に備え、印刷機のインクを補充。
●3時過ぎブックオフへ。外出自粛せいだろう、いつもよりお客が多い。5分ほど店内にいて澤田ふじ子を3冊買う。夜、1冊は読み終える。筋を読むより、書画骨董、街並みや人の暮らしの部分に面白さがあって読んでいるかも。『師走狐』の話に、『宗旦狐』の話がダブった。
晴れ。
春月の上がるところがやや下に 正子
男の子父に指さすぺんぺん草 正子
花あけびやわらかそうな葉に埋もれ 正子
●スーパーのレジに並ぶ間隔として、1m置きにテープでラインが入れられた。お客の長い列にうんざり。スーパーを避けて、南日吉商店街で買いもの。野菜とほか少々を買う。お米は買ってるし、少々で暮らすようにしよう。
晴れ。夕方より雨、風。
桜漬雨風つよくなりはじむ 正子
八重桜雨風急に冷たかり 正子
牡丹の芽土塀くずれの土が寄り 正子
●気象予報で夕方というのは、午後3時から6時ごろを言うとのこと。夕方の雨の予報はたしかに、午後5時半ごろから降り始めた。やけに風が冷たい。
●新型コロナウィスルで、疲れ気味。疲れ切る前に、来週の木曜日、有給休暇願いを出した。
●ミュージカル『アニー』の公演が中止になったとのこと。『アニー』の公演はずいぶん長いようだ。本棚を見ていたら、カバーの下から赤い色が見える。なんだったかとカバーを取ると「アニー」の原作。真っ赤な本。2017年に買っている。初め方には、孤児院での口汚い罵り言葉がたくさんあって、あまりにたくさんあって辞書を引きっぱなしだったが、そのあとは、面白くどんどん読めた。
晴れ。
散りはじむ花の中なる空無数 正子
たんぽぽのどこに咲いても黄を強む 正子
満天星の咲き満ち花のかるがると 正子
花蘇芳空の水色大切に 正子
花蘇芳桜海棠一堂に 正子
煙りたる緑みどりに山桜 正子
畳屋にガラス戸透明迎春花 正子
●金蔵寺に名木の銀木犀があって、今、黒い実が生っている。オリーブの熟れた実のような濃い紫色。細やかな白い花に、こんな大きい実が付くのが信じられない。
●外出もままならないので、澤田ふじ子の時代小説をブックオフで買って来て、今5冊目を読んでいる。結構読ませる。茶道、書画に詳しい。古い京都の街の様子、京都の近国藩の様子など思ってもみなかったことが書かれている。小説の舞台は主に京都。今読んでいるのは天明の大火の時の話、『霧の罠』。澤田ふじ子の本は、一昨年信之先生が井田病院に入院したとき、病院の図書にあったので、たまたま選んで読んだ。それきり忘れていたが、今回もたまたまブックオフで手にした。手にして、この作家前に読んだかもと思った次第。5冊のなかで、ファンタジーがあるのは、「宗旦狐」だった。筆が速い印象がする。
●ネットに侵入する詐欺が流行っている。手口は、どの詐欺でもまず、信用させることから始めるとのこと。詐欺が気になって思いめぐらすことがある。もう少しで読み終わる『Camino Island』。数学の望月博士が学んだ、有名なプリンストン大学の図書館からフィッジェラルドの原稿を盗む話。フィクションだが、インターネットを駆使し、防犯カメラをかいくぐり、IDを詐称したり、知能犯である。これら犯人はインテリ。ネット侵入する詐欺師も多分、ネットにたけ、語学が堪能で、インテリではないかと思う。相手に少々は教養ある話を合わせる。
恐ろしや。
晴れ。
山吹にスーパームーンの照るひかり 正子
山吹にゆたけく月の照るひかり 正子
リラ冷えに見えなきもののある恐れ 正子
●今日夕方、首相が「緊急非常事態宣言」を出す。首都圏、大阪、兵庫、福岡。
●スーパームーン。
●プランターの春の花が終わりの様相。花は色。
●ハート内科の受診日。往復歩く。新型コロナのせいだろうが、患者が少なく、予約時間ぴったりに検査。診察はさっさと終わったが、本屋にも、花屋にもよらないで帰った。