10月21日(金)

晴れ、のち曇り
プラチナの朝日を浴びて鵙全身 正子
秋風に大きくつつまれ狗尾草   正子
羽ばたきつ羽を窄めつ空の鵯  正子
●終日、合同句集の編集。句歴は大方の人が〇年と書いているので、これまた、調べないといけない。これに時間がかかりそう。句歴とは、いつ〇〇俳句会に入会したとか、〇〇賞を受賞したとか。俳句を作り始めてから〇年を言い過ぎると、競争のようでいけない。
●「澤」10月号に拙句の鑑賞を書いてくださった今朝さんにお礼の葉書。「今朝」は、何と読むのだろう。主宰の小澤實さんと作家の川上弘美さんは結婚されているとか、どうとか。ほんと?
澤10月号の川上弘美さんの句「種の中に種の元ある良夜かな」。柿の種を半分に切れば、こんな風。蝋のような胚乳と良夜がよく似合う。

10月20日(木)

晴れ
●合同句集の編集に疲れて、3時半ごろ丸善へ。まず、3枚セットの季節の絵柄入り葉書を買う。少し高いが使い切るのにちょうどいい。
●気になっていた深緑野分の『ベルリンは晴れていたか』を立ち読み。主人公は、ドイツ人の十代の女性ながら、読んでいると日本人のような錯覚を覚える。1945年、日本の戦後は涙をもってよく語られるが、同じ敗戦国のドイツの戦後はどうだったのか、興味があるところ。ミステリーとはいうものの、10ページばかり読んで、わが娘と同じ40になるかならぬ年齢の人の作品とは思えぬ筆力を感じた。

10月19日(水)

晴れ
●合同句集の編集。1ページ10句。何をいい加減な計算を頭だけで計算していたのか、フォントの関係で入らない。1ページ8句にする。50÷8=6余り2。 2句余ったのをどこに置くか、前か後かの二通り。8ページ目に2句と句歴や句集などの履歴を入れ、落ち着き感ありで、ほぼよし。
●表紙の紙で思いついた。ペルーラ紙で、字は紺の箔。

10月18日(水)

晴れ
●合同句集の編集に取り掛かる。本の体裁部分を仕上げる。表紙と本扉の紙を検討。敬二さんのオーストリア旅行の50句、前書きがある方が読みやすいので、明日奥さんに電話で聞くことに。
●「澤」(小澤實/東京)10月号を贈呈される。その「窓 総合誌俳句鑑賞」に「俳句8月号」に掲載の正子の「夏隣」からの一句が以下のとおり掲載される。
「俳句」八月号より  鑑賞者/今朝
生ききって一遍ほどに夏痩せす  髙橋正子
 クローズアップ作品七句「夏隣」より。「夫」の「旅立」ちを題材にした連作の中の一句。「生ききって」のストレートな打ち出しに心を打たれる。K音の重なりは枯れ木のように痩せ細った骨が触れ合う音、促音の「っ」は「いのちを閉づる」前の吐息のように感じられる。衰弱して急に体重の減った様を「夏痩せ」と見る心には、永遠の別れを覚悟する一方で、季節が巡ればまた元気になって再開できるという信念のような思いが潜んでいるのかもしれない。「捨ててこそ」を信念に全国を遊行した「一遍」上人、その痩躯と重ねあわせることで、清らかにして熱情にも満ちた人生や「夫」の人柄も見えてくる。俳人の透徹した眼差しが夏の光となり、瞼を閉じた深い眼窩に翳を落としている。

10月17日(火)

晴れ
●午前ハート内科へ。インフルエンザワクチンの予約。
●薬の待ち時間をくまざわ書店で過ごす。『ベルリンは晴れているか』(深緑野分/ちくま文庫)、『井筒俊彦/世界と対話する哲学』(小野純一/慶應義塾大学出版会 2023/9)の2冊を本屋で見つけた。大江健三郎は、井筒俊彦に傾倒して、井筒の著著はほとんどすべて読んだという。頷ける。
●晴美さんに鯛めしを持っていく。きのう鯛の切り身を買っていたので、病院から帰って、少し休んで、鯛めしを炊いた。米が新米ではないのが残念だが、味は合格。松山のやまだ屋まんじゅうをお茶うけにいただく。

10月15日(日)

雨。
●夜中から雨が本降りになったようだ。朝外に出ると、雨が降って肌寒い。重ね着は嫌いながらベストを着る。昼からは雨はあがる。
●秋は白いご飯が一番だが、二番は炊き込みご飯が美味しくなる。先週は鯛めしにしたが、今日は松茸ご飯。松茸といいながら、一番多いのは平茸。ほんとうは茸ご飯。

10月14日(土)

晴れのち曇り

●美知子さんから電話。合同句集の原稿をメールしたからと。曰く「毎月のように総合誌に花冠が取り上げられるねー。」正子曰く「安倍さんが亡くなって、日本の構造が壊れはじめたのかも。」総合俳誌にここ最近、毎月取り上げられ、ほかの俳句結社の関心も引いているようだけれど、著名俳人もいない、小さいグループの作用にしては大きすぎる。信之先生が亡くなったことと、創刊40周年が関係しているのかも、とか考える。もう一つ思い当たるが、まあ、と言うことで。いずれ世の中が判断するでしょう。

●「俳壇11月号」の「俳壇月評ー9月の作品」に花冠を取り上げてくれたので、小西さんに礼状と、句美子の句集『手袋の色』を送る。亞蘇さん、莎逍さんにも『手袋の色』を送る。

●合同句集の締め切りが明日。一日原稿と向き合うのに疲れる。
奥多摩にいってみようかと。明日から天気は下り坂。晴美さんに聞くと、鳩の巣がいいと言う。近所の民生員さんもそう言っていた。片道2時間30分ほどを電車に乗って往復するだけでもよいかも。

10月13日(金)

晴れ
蕪丸く白し幼き子にも似て  正子
利兵衛栗少し詰め売る直売所 正子
秋火影LEDの燭ながら    正子
●「俳壇」11月号が届く。俳壇合評「9月号の作品」に花冠が取り上げられた。採りあげられた雑誌は花冠以外では、「俳壇9月号」、「雫 夏号」、「韻 第四十三号」。評者は小西昭夫氏。
以下に転載
菖蒲湯の父を最後の思い出に  髙橋句美子
(「花冠」九月号「菖蒲湯の父」十二句より)
 この句には、「五月二十四日父逝去」の前書きがある。父とは愛媛大学名誉教授の髙橋信之氏。氏は愛媛大学俳句会を指導し「水煙(現花冠)」を創刊主宰した。旧制松山高等学校俳句会の伝統を継承し、現代仮名遣いで誰にもわかる俳句を目指した氏の俳句は、時に短詩や自由律俳句に近い表情を見せるが、俳句の力は多様性の中にあると考える私には、「平明で深い」俳句を追求した氏の実績はもっと高く評価されてよいと思うが、娘はこんなに美しい挽歌を書いた。
●13日の金曜日。不吉な予感。昨日、年金事務所に遺族年金の進捗状態を電話で聞いていたのだが、今朝一番に電話があった。来年2月になる場合も、と。申請したのは7月3日。

10月12日(木)

晴れ
●よい天気。この前の大風の日に、傘の骨が折れて使えなくなった。雨の降らないうちに、プレイヤーズで傘を新調。ブルーグリーンよりブルーに近い色にした。決め手は雨の日は暗いので、明るい色の方が目立ち、事故に遭いにくいこと。こう指南してくれたのは、店の人。
●きのう生協で届いた青蜜柑シトラス21。甘くなっている。この気候に、酸っぱさ加減がいい。これも生協の瀬戸田の瀬戸内レモンケーキ。ほんとにレモンがしっかり、種以外は入っている。半分でいいくらい。
●昼はかけ蕎麦にした。葱がなくて、三つ葉たっぷり。残っていた去年の蕎麦を茹でたので、新蕎麦で出る今、出汁つゆはばっちりながら、蕎麦の風味がぐっと落ちている。

10月11日(水)

晴れ
朝焼け丸き頭の鵙猛り鳴く   正子
金みずひき金が芝草抽きん出で 正子
秋水のしらやまぎくをくぐる音    正子
●合同句集の締め切りが迫る。50句に苦労された方が何人かいる。あとで気づいたが、50句は、20句、30句、100句、200句より厳しい句数だったかもしれない。仮に10年分としても年5句。20年の人なら3句以下。人生それほど、切り捨てられるものではない。
●早朝、5時前、東の月と星を目指して歩きはじめ、近所を一周して5丁目の丘へ。みなとみらいの空がばら色に朝焼けていた。今日は衣更え日和とのこと。シーツや布団カバーを洗う。