晴れ、雨ぱらつく。
サーファーの黒き身体波に乗る 正子
満ちてくる秋潮一面陽をかえす 正子
引き潮に遊ばむ秋の砂の金 正子
●信之先生の初彼岸。仏壇仏具をきれいにする。いろいろ菊をたくさん供えた。おはぎは店の手作り。ひとつはお供、ひとつは自分に。好物の葡萄。菊の絵蝋燭。月見のようだと思いつつも茹でたての枝豆と小さいさつま芋も。
●ミックスキャロットが届いたので、元希に送る準備。水の入っていた箱がちょうどいい。空いたところに、ポップコーンのチョコやキャラメルでコーティングしたポップコーン流行っているようなので、全4種類を入れる。表参道で見かけたようなもの。築地のご飯にかける海苔やカツオ節など混ぜたのがおいしそうだったので、これも。高級品とラベルのある、簡単包装の基本のようなクッキーなど。明日送る。
晴れ
昭和めき稲村ケ崎は秋暑し 正子
極楽寺二句
掃き清めかたき土より曼殊沙華 正子
三四本白曼殊沙華が境内に 正子
●ハート内科へ、朝早い受診。心電図とか、肺のレントゲンとかの定期検査。
夏バテ気味ながら、たくさんの検査の結果は毎月少しずつよくなっている。おかしなこと。
●「赤木ファイル」の裁判。信じられない判決が出ている。思うのだけれど、旧制高校出身の政治家がいなくなって、それはそれで日本が新しい局面に来たのだけれど、政治はいまだ古くて、新しい局面が見いだせていない気がする。頭のいい人はどこに隠れておられるのか。出鱈目が通りそうな日本。二世、三世議員が増えているが、親のやったことをそのまま踏襲していていいはずがない。裁判も政治によって動いている。大学1年のときだったか、憲法の授業を受けていて、裁判所は真実や正義の判断をするところではないと悟り、失望した経験がある。間違いないようだ。
晴れ
満ち来る潮の眩しさ秋暑し 正子
夏惜しむ沖のヨットの帰り来ず 正子
引き潮の残す木の実のまだ青き 正子
●句美子と友宏さんの俳句の整理を済ませた。残るは自分の俳句。
●きのう鎌倉で食事をしているとき、句美子が不意に「人参ケーキを作ってよ。」と言う。ここ何年か作っていない。
晴れ
夏草をまた夏草を鎌倉へ 正子
秋海の見えて潮濃く匂いけり 正子
帆を立ててヨットは沖に犇めけり 正子
極楽寺門前さやかに花芙蓉 正子
成就院
結界に来て花葛の真っ盛り 正子
●七里ガ浜へ
鎌倉の七里が浜へ句美子と出かける。10時48分発の元町中華街行きに乗るため、日吉のプラットホームで待ち合わせる。横浜からは逗子行で鎌倉まで。鎌倉から江ノ電で七里が浜へ。江ノ電は観光客でごったがえしていて、一電車遅らせて乗る。この状態はわかっているが、なかなか出かけるチャンスがない。
七里が浜へ12時すぎに着いたので、レストランの予約時間の1時まで砂浜へ下りて遊ぶ。江ノ電を降りて川沿いを海へ歩くとすぐに潮の匂いがしてくる。濃い潮の匂いが懐かしい。ちょうど引き潮。砂は黒っぽくて、金の砂がきらきらして、踏むと足が沈む。砂浜の感触を忘れている。貝殻を土産に拾おうとするが、壊れた貝殻しかない。そもそも貝がいないのかも。波に洗われて丸くなった小石を少し拾う。
七里ガ浜には食べ物屋が多いと電車の乗客の話。たしかに海岸沿いにレストランや喫茶店がずらりと並んでいる。海岸の道路は、オートバイをバリバリ噴かしたり、ロールスロイスや、面白い車が走っている。グレアムグリーンのハードボイルドの小説のような風景。ヨットがたくさん沖にでて、サーファーやウィンドサーフィンをする人たちでいっぱいだ。
1時に予約していたイタリアンのアマルフィ本店へ入る。七里ガ浜のレストランやカフェは、みんな海へ向いてどこからでも海が見える。案内されたのは2階の海が見える席。スパゲッティをさっと食べて寺を巡るつもりが、そうはいかなかった。句美子が本店しか予約がとれなかったと言うのだ。ランチながらフルコース。前菜からはじまり、ライチのシャーベットとマンゴーのババロアのデザートまで、延々2時間。食事が終わったのは3時。太陽が傾き始めて海が眩しく光る。句美子に席を代わってもらって海が見えない反対側へ。来た時引き潮だったのが、潮は満ち始めて砂浜が少なくなってきている。食事の間の2時間、ずっと七里ガ浜の海を見ていた。
房総半島の方へ橋が伸びているように見えた。あれって、アクアライン?と聞いて、句美子に叱られる。アクアラインが見えるはずがないでしょ。レストランの人に聞くと、ヨットだという。沖まで白い橋脚のようにヨットの帆が並んでいるのだ。いつもに増して今日はたくさんのヨットが沖にでているそうだ。
レストランを出て鎌倉行に乗り、極楽寺駅で降りる。電車も駅も混雑。暑さに参りながら、駅から近い極楽寺に行く。山門の茅葺屋根が美しい。芙蓉、萩、曼殊沙華、百日紅が咲いてこじんまりしたきれいなお寺。極楽寺を出て、徒歩数分の成就院へ。成就院は真言律宗。石段を上り西の結界から入る。葛の花が盛り。石段を上ったところから由比ガ浜の海が見える。そこを下ると東の結界の入り口に至るが、紫陽花と萩が植えられている。萩は咲きはじめ。境内にはいると、白曼殊沙華、羊草。弘法大師の像。なで蛙。境内は狭い。
暑さで体力消耗。お土産も買わず、鎌倉から横浜へ。そごうで、句美子とお茶をして帰る。私はくず小倉、句美子はくずあられ。横浜からは特急がきたので乗り、句美子とは菊名で別れて帰った。念願の七里ガ浜行きの小旅行はたのしかった。今日は何回電車で席を譲られただろう。尋常ではない。どれも断りはしたが。
曇り、のち晴れ
蝉のこと忘れて九月の夜夜すごす 正子
スーパーの一画菊の花あふれ 正子
吾亦紅うす紫の花に添え 正子
●今日は郵便が来ないはずなのに、角川からの原稿依頼が郵便受けにあった。10月号から6か月連載で、結社の紹介をしてくれるとのこと。花冠は南関東グループで紹介してもらえることになった。年鑑の結社動向とは違って、結社の活動を活発にするためだとか。
●祝恵子さんに電話。「俳壇」10月号に掲載されたことについて。
●夕べから体調不良気味。明日鎌倉へ行く約束なので、良くならないと、熱中症にならないとも限らない。疲れ気味で、冷房で体が冷えたかもしれない。静かにして体を温めるに限ると思い、午前中は、薄い布団をかけ、扇風機を弱く回して、寝ていた。昼頃にはかなり回復。お昼は、昨日ツナ缶と間違えて開けたカニ缶があったので、カニ雑炊一品だけ作った。さらっさらっのスープのような雑炊になったが、出汁がよかったのか美味しく食べた。夕方近くなって、ほぼ直った。
曇り、一時雨。
稲光いくたびもして部屋灯す 正子
ひとり居にきらっきらっと稲光 正子
雨すぎて外の夕べのさわやかに 正子
●西町町内会より、敬老の日お祝いのお茶をいただく。
●昼前、急に雨。都心は階段を滝のように流れる大雨。靴もくるぶしまで雨水に浸かっている。
●俳壇10月号に祝恵子さんの「種採」5句が掲載される。ネット短信No.397で、「種採」5句を知らせ、好きな句にコメントをお願いする。
●晴美さんに葉書きのお礼の電話。四国旅行は至れり尽せりのもてなしだったようだ。かずら橋、桂浜、宇和島、道後、石手寺、松山城、子規博物館など。道後ホテルでは、竹かごにタオルと温泉入浴券を入れたのを渡してくれたとのこと。その竹かごは、「湯かご」というのだと教える。「湯かご」をもって電車に乗る人が今もいるのかどうか。
晴れ
植え込みに白き茸が童話めき 正子
夜の長し浅き眠りの覚めやすく 正子
教え子の秋思それぞれ仏前に 正子
●小西さん、東さん、岡本さんの三人からのお供の線香を郵送いただく。いろいろあったなあ、と思い出す。それぞれに、お礼状と花冠9月号を小西さん宛てにまとめて、郵送した。東さん、岡本さんの住所がわかない。
晴れ
●午前、アカデミアへ。喫茶店で、信之先生の俳句50句を選ぶつもりで資料を詰め込んで出かけたが、センター北の喫茶店はそんな雰囲気ではなかった。やる気は無くなって、帰ってから、句美子の『手袋の色』以後の俳句を選び出す。明日もう一日かかりそうだ。
●水谷さんと晴美さんから花冠9月号のお礼のはがき。ふたりともご主人をなくされて日が浅い。正子の俳句日記を息を詰めて読んだとか、ご主人の事と重なって最後まで読めなかったという文面。
●「人は死んでから人間になる」と言ったのは誰か。アーレントか。死んでからその人の生涯が完結して完全に人となる、と考えれないでもない。
晴れ
●残暑はあるが、秋らしくなった。
●音楽スタジオに13時に予約をしていたので、行ったが、予約が入っていないという。そんなはずが。でもそれは確か。電子ピアノの部屋なら空いているという。迷ったが、そこでもいいかと。譜面を置くところが遠すぎて、眼鏡なしでは加線が二重に見えて困りはしたが、少し覚えて弾いてみたので、適当ながら、楽めた。
●鎌倉の成就院、紫陽花で有名だが、紫陽花を刈り取って減らしたという。その代わり萩を植えたのだと。9月下旬には見ごろになるだろうか。17日はどうだろう。